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【ヤマメとサクラマス】どっちの生き方が幸せ?? (Part.1)

生まれは同じなのに、生き方が正反対。
いつも思うけど、この2匹で小説を書けるよな〜

「渓流の女王」として親しまれる川魚に、「ヤマメ」がいる。
体長が30cm程度の川魚で、渓流釣りでも人気の魚だ。

ヤマメ(Wikipediaより)

一方で、「サクラマス」は、「ヤマメ」とは全く異なる生き方をする。
サケと同じように、子供の頃に川から海に降り、産卵に伴って川を遡上することが知られた魚だ。

体長も70cm程度まで成長し、「ヤマメ」とは見た目も大きさも、全く異なる。

サクラマス(Wikipediaより)

「ヤマメ」と「サクラマス」、、、、
見た目も生き方も全く異なる2種類の魚だが、実は「同じ卵から産まれた、全く同じ魚」だ。

見た目も生き方も全く異なる「ヤマメ」と「サクラマス」。
この違いは、子供の頃の選択によって、大きくルートが変わることが分かっている。

今回と次回の記事では、「ヤマメ」と「サクラマス」に注目して、その生き方を整理してみた。

1. 同じ卵から人生が分かれる「ヤマメ」と「サクラマス」

さて、「ヤマメ」と「サクラマス」の分岐点は、子供の頃の選択だ。

ここでは、それぞれの選択を
  ①「ヤマメ」ルート
  ②「サクラマス」ルート
の2つに分けて、それぞれの生き方を整理していこう。

1-1. 「ヤマメ」ルート

まずは、「ヤマメ」ルートを選ぶ個体の一生を整理しよう。

「ヤマメ」は、産まれてから一生を川の中で過ごすグループだ。
海に降るようなことはせずに、虫や苔などを食べながら生きる。

川の中は天敵も少ないため、安全に成長することができて、
一生を終えることが可能だ。

1-2. 「サクラマス」ルート

次に、「サクラマス」ルートを選ぶ個体の一生を整理する。

「サクラマス」は、子供の頃に川で成長した後、海に降って成長するグループだ。海はエサが豊富にあるため、大きく成長できる。

一方で、海は天敵も多いため、無事に川戻ってこれる個体はごくわずかとされる。

2.「ヤマメ」と「サクラマス」が分かれる鍵:エサの獲得競争

上記で見てきたように、「ヤマメ」と「サクラマス」はそれぞれ異なった生き方をする。この生き方の違いは、子供の頃の「エサ獲得競争」が大きな要因だ。

卵から産まれたばかりの子供は、川の中で限られたエサ(虫など)を奪い合うことが知られている。卵から産まれた子供は、このエサの奪い合いを繰り返しながら、成長していくのだ。

しかしながら、しばらく時が経過すると、エサの奪い合いの中で「勝ち組グループ」と「負け組グループ」がはっきりと分かるようになってくる。

「勝ち組グループ」は、エサをより多く食べることができるため、体は大きく育つ。一方、「負け組グループ」はエサを食べることができずに成長は鈍いままだ。

この違いは、「ヤマメ」と「サクラマス」に決定的な違いだ。
「勝ち組グループ」と「負け組グループ」の違いは成長する過程で、
以下のような違いをうむ。

 「勝ち組グループ」⇨「ヤマメ」ルート
 「負け組グループ」⇨「サクラマス」ルート

極端な話をすれば、「負け組グループ」は川を追い出されて
「サクラマス」ルートを選ばざるを得ない形だ。

「勝ち組グループ」はそのまま川に居座り、「ヤマメ」ルートとして成長していく。


今回は、「ヤマメ」と「サクラマス」の違いが、どの時点で発生するのかに注目し、2つの生き方を整理した。

次回は、それぞれの生き方のメリットについてさらに整理していきたい。

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