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2-③外食業の事業継続のためのガイドライン

一般社団法人 日本フードサービス協会ならびに一般社団法人 全国生活衛生同業組合中央会より、これらの事業者の皆さまが本格的に事業を再開されるにあたって、店舗営業に必要な取組が具体的に提示されています。

http://www.jfnet.or.jp/contents/_files/safety/FSguideline_20514.pdf

1.はじめに

去る4月7日、新型インフルエンザ等対策特別措置法第 32 条第1項に基づく緊急事態宣言が発出されましたが、国民の安 定的な生活の確保の観点から、外食業(食堂、レストラン、専門料理店、喫茶店、テイクアウト・配達飲食サービス等)は政 府の事業継続の求めに応じてきました。さらに5月4日に変更された「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」に おいては、「事業者及び関係団体は、今後の持続的な対策を見据え、5月4日専門家会議の提言を参考に、業種や施設の種別ご とにガイドラインを作成するなど、自主的な感染防止のための取組を進めること」が求められています。
外食業は業種・業態が多岐にわたり、その多くは中小事業者や個人事業者によって運営されており、営業時間短縮や外出自 粛の要請の中で自主的な休業を余儀なくされ、甚大な影響を受けていますが、困難な状況下にあっても、外食事業者の変わら ぬ理念は、お客様に安心してご来店いただくとともに、従業員やその家族が安心できる職場を確保することです。
このため、本ガイドラインは、外食事業者の皆さまが本格的に事業を再開されるにあたって、現場の実情に配慮して3密(密 閉、密集、密接)を避け、手洗いなどの一般衛生管理の実施、人と人との間隔の確保等を通じて、お客様と外食業に働く従業 員の安全・安心を確保するための参考となる具体的取組等を示したものです。
各事業者におかれましては、新型コロナウイルス感染症が収束するまでの間、本ガイドラインを活用し、新型コロナウイル ス感染症の感染拡大予防に向けた取組を推進していただきますようお願い申し上げます。

2.本格的事業再開に向けて

感染防止のポイントは、従来の食品衛生法の一般衛生管理の遵守に加えて、社会的距離確保への留意、及び物理的接触削 減のための創意工夫ですが、これらの具体的な方法は、店舗の実情によってそれぞれ異なります。
また、国及び地方自治体の最新情報を得るよう十分留意する必要があります。
⚫ 店舗では食品衛生法を遵守して食品の安全で衛生的な取扱いを徹底させる。
⚫ 創意工夫として、例えば、営業時間や提供メニュー品目の工夫、予約・空席状況等について、お客様へ店内外の掲示やI
Tテクノロジー等を積極的に活用して情報発信し、店舗が社会的距離や安全性を考慮して感染防止に努めながら営業していることをお客様に分かってもらう。
⚫ 国や地元自治体から適宜発表される最新情報(方針や助言)の確保に留意し、新型コロナウイルス感染症防止対策として
以下の基本事項を確実に押さえながら、事業を継続する。
✓ 食品の安全と衛生管理
✓ 店舗・施設等の清掃と消毒
✓ 従業員の健康チェックと個人の健康・衛生管理の徹底 ✓ 社会的距離の設定と確保への工夫

3.お客様の安全

1) 入店時
• 店舗入口には、発熱や咳など異常が認められる場合は店内飲食をお断りさせていただく旨を掲示する。また、店舗入口や 手洗い場所には、手指消毒用に消毒液(消毒用アルコール等)を用意する。
• 店舗入口及び店内に、食事中以外はマスクの着用をお願いする旨掲示する。
• 飛沫感染・接触感染を防止するために十分な間隔をとることが重要であることをお客様に理解してもらい、店内が混み合う場合は入店を制限する。
• 店内飲食やテイクアウトで順番待ちをする場合は、各人ができるだけ2m(最低1m)以上の間隔を空けるように誘導する(床に間隔を示すテープを貼るなど)。
• 順番待ちが店外に及ぶ場合は、従業員が間隔を保つように誘導するか、または整理券の発行等により行列を作らない方法を工夫する。

2) 客席へのご案内
• テーブルは、飛沫感染予防のためにパーティションで区切るか、できるだけ2m(最低1m)以上の間隔を空けて横並び で座れるように配置を工夫し、カウンター席は密着しないように適度なスペースを空ける。
• 真正面の配置を避けるか、またはテーブル上に区切りのパーティション(アクリル板等)を設けるなど工夫する。
• 少人数の家族、介助者が同席する高齢者・乳幼児・障害者等対面を希望する場合は、可能としてもよいが、他グループとの相席は避ける。
• グループ間の安全を確保するために、他のグループとはできるだけ2m(最低1m)以上の間隔を空け、会話は控えめにし、BGM を聞くなどを勧めることを検討する。

3) テーブルサービスとカウンターサービス
• テーブルサービスで注文を受けるときは、お客様の側面に立ち、可能な範囲で間隔を保つ。
• お客様が入れ替わる都度、テーブル・カウンターを消毒する。
• カウンターサービスは、可能な範囲で従業員とカウンター席との間隔を保つ。
• カウンターで注文を受けるときはお客様の正面に立たないように注意する。
• カウンターでは、お客様と従業員の会話の程度に応じ、従業員のマスク着用のほか、仕切りの設置など工夫する。 • 大皿は避けて、料理は個々に提供する、従業員等が取り分けるなど工夫する。
• お客様同士のお酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けるよう、業態に応じ、掲示等により注意喚起する。
• 個室を使用する場合は、十分な換気を行う。

4) 会計処理
• 食券を販売している店舗は、券売機を定期的に消毒する。
• 会計処理に当たる場合は、可能であれば、電子マネー等の非接触型決済を導入する。現金、クレジットカード等の受け渡しが発生する場合には、手渡しで受け取らず、コイントレイ(キャッシュトレイ)などを使用する。また、コイントレイ
は定期的に消毒する、会計の都度手指を消毒するなど工夫する。
• 飛沫を防止するために、レジとお客様の間にアクリル板等の仕切りを設置するなど工夫する。

5)テイクアウトサービス
• テイクアウトを実施している店舗では、お客様の店内滞留時間を短くするために、事前予約注文を受け付けるなどの仕組 みを導入する。
• テイクアウト客と店内飲食客の動線を区別し、接触を避けるように工夫する。
• 食中毒等の防止のため、料理は早めに消費するよう、口頭もしくは注意書きを添えてお客様に注意を促す(特に気温の高い時期)。

6)デリバリーサービス
• デリバリー担当の配達員と来店客が接触しないように、可能であればデリバリー専用カウンターを設け、両者の動線が重 ならないように工夫する。
• 料理の受渡しは必ず手指を消毒してから行う。
• 代金が支払い済み(オンライン決済等)で、注文者が希望する場合は、注文者が指定した所に料理を置くなど非接触の受渡しを行う。
• 配達員は、店舗従業員と同様の健康管理、手洗い等の衛生管理を実践し、マスクを着用する。
• 配達する料理の容器は、配達員が直に触れないよう袋等に入れ、配達に使用する運搬ボックス等は使用の都度、消毒する。
• 食中毒等の防止のため、料理は早めに消費するよう、口頭もしくは注意書きを添えてお客様に注意を促す(特に気温の高い時期)。

4.従業員の安全衛生管理
•食品を扱う者の健康管理と衛生管理を徹底する。
•従業員の健康管理において最も重要なことは、各自が店舗に新型コロナウイルスを持ち込まないことである。
• 従業員は必ず出勤前に体温を計る。発熱や風邪の症状がみられる場合は、店舗責任者にその旨を報告し、勤務の可否等の判断を仰ぐ。
•感染した従業員、濃厚接触者と判断された従業員の就業は禁止する。
• 店舗ではマスクやフェイスガードを適切に着用し、頻繁かつ適切な手洗いを徹底する。
• 従業員やその家族が過度な心配や恐怖心を抱かないよう、また風評被害や誤解などを受けないよう、事業者は現状を的確 に従業員に伝える(従業員へのリスク・コミュニケーション)。
• 従業員のロッカールームや控え室は換気し、空調設備は定期的に清掃する。 5.店舗の衛生管理
• 店内(客席)は適切な換気設備の設置及び換気設備の点検を行い、徹底した換気を行う(窓・ドア等の定期的な開放、常 時換気扇の使用など)。
• 店内清掃を徹底し、店舗のドアノブ、券売機、セルフドリンクコーナー等の設備等、多数の人が触れる箇所は定期的にア ルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウムで清拭する。また、テーブル、イス、メニューブック、タッチパネル、卓上ベル 等はお客様の入れ替わる都度、アルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウム、台所用洗剤(界面活性剤)で清拭する。
• 卓上には原則として調味料・冷水ポット等を置かないようにするが、撤去が難しい場合は、お客様が入れ替わる都度、ア ルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウム、台所用洗剤(界面活性剤)で清拭や用具の交換を行う。
• ビュッフェやサラダバー及びドリンクバーは、利用者の飛沫がかからないように食品・ドリンクを保護する(カバーを設 置するまたは従業員があらかじめ又はその場で小分けする、客席と料理提供空間が近い場合には適度に仕切るアクリル板 等の仕切りを設けるなど)。トング等は頻繁に消毒若しくは交換するか、または手袋の着用を促す。
• 従業員は、店内の一箇所にお客様が集まらないように留意する。
• トイレは毎日清掃し、ドアやレバー等の不特定多数が触れる箇所は定期的にアルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウムで清拭する。
• トイレのハンドドライヤーは使用を中止し、ペーパータオルを置く。また、汚物は蓋をして流すよう、使用者に注意を促す。
• 厨房の調理設備・器具を台所洗剤(界面活性剤)で清拭し、作業前後の手洗いなど、従来から取り組んでいる一般的な衛生管理を徹底する。
• 感染防止対策に必要な物資(消毒剤、不織布マスク、手袋、ペーパータオル、及びそれらの使い捨て用品を廃棄する容器等)の一覧表(リスト)を作成し、十分な量を準備しておくか、または緊急時にすぐに入手できるよう予め手配をしておく。平時から使用した分をその都度補充し、常に一定の必要量を備蓄しておくことが望ましい(ローリングストック)。
• ユニフォームや衣服はこまめに洗濯する。
• 食品残渣、鼻水、唾液などが付いた可能性のあるごみ等の処理は手袋・マスクを着用してビニール袋等に密封して縛り、
マスクや手袋を着用して回収する。マスクや手袋を脱いだ後は、必ず手を洗う。

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