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配偶者恐怖症にみる経営の理想と現実

 こんにちは。株式会社福水戸家磯部一郎です。当社で配信しているメルマガで45%の開封率という高い関心を呼んだのでnoteにも公開します。

(以下、メルマガより転載。)

 経営者の病診断を先日公開し、多くの方から反響をいただきました。今回は「経営者の病」の一種である”配偶者恐怖症”を説明します。

 “配偶者恐怖症”は自分の判断で事業投資ができなくなる病です。起業する時に、奥様または旦那様に前職の月収を下回らないことを約束し、思い切った事業投資ができなくなるのです。「安定収入にこだわって何が悪い?」と
思われるかたも多いかもしれません。しかし、経営者としては致命的です。

 月次の黒字にこだわると間違いなく”鈍行列車”になります。最初から赤字を避けることは事業投資をしないことになるからです。成長企業は資金を集めサービス開発費用や広告宣伝費に投資をし事業の拡大を図ります。

 この病の典型的な症状は前職でお世話になった方から契約形態を変えて
仕事をもらいつづけることです。フルタイムではなく、時短契約なのが特徴で時間単価が以前よりも上がります。

 空いている日で、やりたい事業をやれるので全てがうまく回っている気がします。しかし、なぜか何年やっても”やりたい事業”が成長しません。

 なぜか…それは事業投資をしないからです。いや、できないからです。ある程度の資金を用意し、投資によりスピードアップを図らなければ、成長は望めないのです。

 こうした方へのアドバイスは2通りです。ひとつは、規模の拡大を求めないこと。現状で”良し”としてしまうことです。売上が大きいから幸せなわけではありません。私は数年前に持病で余命宣告を受け奇跡的に生還しました。

 Youtubeに当時の様子を説明した動画をアップしていますのでご興味ある方は、こちらをご覧ください。死と直面した時に売上や会社規模の後悔は皆無でした。“やること”より”ありかた”を大事にしライフスタイルを重視するという考え方です。

 もうひとつは、それでも規模を拡大させたい方向けです。配偶者に安定給与を約束するのではなく中期的な資産計画を約束します。(5年後に〇〇円にするなど)また、給与にこだわるのではなくキャッシュを安定させ、生活レベルを約束すればOKです。安定的な給与にこだわる方からはイカれていると思われるかもしれませんが、経営者の中では当たり前のことなのです。

 投資や融資により資金調達を試み事業にレバレッジを利かせます。もちろん、経営が下降線の一途を辿る中では借り入れが致命傷になることもあります。

 経営者の病診断では32の質問を結果に反映していますが、上記のような
特色をバランスよく取り入れています。少しネタばらしになりますが“配偶者恐怖症”は「批判が怖い」に”はい”と回答すると20点加算されます。

 「人を雇うことに罪悪感を感じる」に“はい”と回答すると30点加算されます。「独立するときに配偶者に月収を約束した」に“はい”と回答すると50点加算されます。どの質問も“いいえ”だと0点で”どちらでもない”は”はい”の半分加算されます。このように全ての病に対して、複雑なバランスで加点をしています。

 経営に「こうしたら絶対OK」というのはありません。状況や性格に応じて
アドバイスを変える必要があります。多くの方は市場や競合など外的要因に関連して自社の問題意識を持ちます。

 外的要因への対処は重要ですが経営者の意識や思考癖が原因なことが大半です。経営者の病診断は経営者の意識改革を促すためのツールとして作られました。まだ試されていない方は是非。

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