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議論と対話の違い

主催している朝会で話が出た「議論と対話の違い」。使い分けを誤り、人間関係に支障をきたしている方をよく見かけます。今回は「議論と対話の違い」とその使い分けのポイントに関して説明します。

1.議論

次の写真を見てください。

画像1

 Aさんは、上記の写真を見たときに「これはピーマンだ」と言ったとします。それに対してBさんは、「何言ってるの?これはどうみてもトマトでしょ」と言い返しました。それに対してAさんは「いや、トマトに見えるけどピーマンだ」と更に言い返しました。このやりとりは議論です。相手の主張を否定し、自分の主張を通そうとしているからです。意見が衝突しています。

2.対話

 では、このやりとりはどうでしょうか?Aさんが上記写真を見たときに、同じく「これはピーマンだ」と言ったとします。それに対してBさんは、今度は「へぇ、Aさんにはこれがピーマンに見えるんだぁ」と言い返しました。Aさんは「こういう形と色のピーマンがあっても面白いと思ってさ」と答えました。このやりとりは対話です。相手の主張を意見として受け入れ、自分は別の意見を持っていると伝えているに過ぎないからです。意見が衝突していません。

3.議論と対話の使い分け

 自分の意見を相手の意見にストレートにぶつけるのが議論です。相手の意見が例え自分の意見と180度異なったとしても、意見として受け入れるのが対話です。私は社員には、会議の時には議論をしようと言っています。なにか大事なことを決めるときには「とりあえずこれでやりましょう」ではなく、はっきりと決めることが重要だからです。決定をするのが会議の目的だからです。逆に雑談では対話を心がけるように伝えています。対話ではなく議論で後輩や部下に知らず知らずにパワハラをしているケースが目立ちます。「休みの日には家でゲームをしています」という後輩に対し、先輩が「もっと他の趣味を持て」とか「彼女をつくれ」と指摘してしまう。ダイバーシティが重要視される時代には、国籍や出身地、宗教や食生活なども異なる人々が同じ職場で働きます。そのような中で自分の価値観を押し付ける行為は時代錯誤です。

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