noteテラハ

『テラスハウス風』の演技がいま熱い!

わたくし恋愛リアリティー番組を最近けっこう見てるんですが(笑)

面白いですね。いろんな意味でドキドキしてます。

もちろんタレントさん達が出演してるんですが、従来のTVドラマとかと見え方が全然違うじゃないですか。恋愛リアリティーショーの方が登場人物の行動や表情が圧倒的に生々しく見える。

この演技法というか演出法はね、見習いたいと思うんですよねー。なぜなら「今までにない新しくて生々しい表現」はいつも歴史的に次の時代の常識になるものですから!

恋愛リアリティー番組って演出サイドの視点で考えると、「台本を作って演じさせないとドラマティックな展開が起きない」「台本に沿って演じさせるとリアリティが無くなる」の間で揺れ動いてるんだと思うんですよねー。

今あちこちですごい数の恋愛リアリティショー番組が放送されてますが、その問題をそれぞれの番組のやり方でそれぞれの番組の予算の範囲内で解決して撮影してるんでしょうw。その中でもやはり完成度が高いのはネットフリックスの『テラスハウス OPENING NEW DOORS』と、Amazonプライムの『バチェラー・ジャパン』・・・やはり予算かw。

よくネットで『テラスハウス』は やらせ かどうか?が話題になってますよね。

でもカメラワークを見れば、そこにいる全ての人物のアップの表情を動くカメラでフォローしながら美しく撮影していて、それなのに引き画にはカメラマンやカメラが一切映り込んでいないわけでw。

あと手元のアップが撮影されてることとか、動き回る人間の声がずっと高音質で録音されていることとか・・・謎が多すぎてwww。

でもそもそもあれだけ細かく細かく超絶技巧でモンタージュされた切り返しの動画を、ドキュメンタリー動画と呼べるのか?という話なわけで・・・それは勿論「リアル」ではないですよ。

でもそんなことどうでもいいんです!

問題は我々観客がそこに映ってる男女のやりとりに、表情に「リアリティ」を感じてしまう!という点なのですよ!

では『テラスハウス』の登場人物にあって、従来のドラマの登場人物にはなかなか見られないふるまいベスト5をあげてみましょう(笑)。

その1: 会話中、空気を必死に読んでいる。

みんなで集まって喋っている時とかそれぞれ「今まさにこの瞬間の空気読んだなー」っていう言葉で喋ってますよね。しかもさりげなく空気を読んでる最中の顔がしっかり撮影されています。周囲の人間に観察してる目線の動きがヤバいw、超リアルです。

これ従来のドラマでは「いま私は空気を読んでますよーっていう説明的な目線の動き」で演じられる時が多いです。それとは基本的に違う。

あとおそらく「空気の読み間違い」や「そもそも空気が読めない」の部分は演技ではなくおそらくリアルですw。お互いに本心を隠しながら喋っているので読むのが難しいんでしょうねー。

その2: 相手の言葉にリアルに驚いている。

しかも相手のセリフの内容よりもむしろ言葉づかい、相手のボキャブラリーに驚いていることが多いですw。「そんな言い方?」っていう、これ現実世界であるやつですよねー。

これは事前に台本があらかじめ決まってる演技からは抜け落ちてしまう要素です。

その3: セリフが早口で、感情が込められていない。

誰も感情を込めてセリフを喋ってないですねー。やはり言葉は自己表現のツールじゃないんですよ、コミュニケーションのツールなんです。

それを従来のドラマでは、言葉でキャラの自己表現をしようとして、感情を込めて喋ってしまうんですよねー。それじゃあ芝居くさくなります。

その4: 相手の言葉は半分くらいしか理解できないが、同意はできる。

『テラスハウス』における「わかった」は「理解した」ではなく「同意するよ」です。

理解できているわけじゃないんです。我々人間はじつは他人が喋ってることの意味なんて50%も理解できてないんですよ。

それでも会話が成立するのは「よくわからないけどそうなのね?わかったわかった」という同意の気持ちで相手を受け入れてるからです。コレかなりリアルだと思います。

その5: 相手を傷つけている人物が、その瞬間その自覚が無い。

これ『テラスハウス』で一番盛り上がる瞬間の一つだと思うのですがw、相手を傷つけてる人物がその瞬間その自覚が無いんですよねー。普通に普段通りに喋ってるつもりだったり、最悪の場合「やさしさ」を発揮してるつもりだったりして・・・怖い!(笑)。

だから演技に悪意や露悪的な部分が無いんですよ。それがまた腹立つ!!!(笑)

以上5つ、どれも従来のドラマでは無かった描写ですね。

ベスト5!とか言ったけど、書き出したら止まらなくなってしまったw。コレまだまだありますねー。研究の余地あるなあ。

まあ一言で言って、21世紀の現代人が感じる「あるある」というか、「20世紀には感じなかった新しいリアルな表現」がそこにあるって感じですね。

そしてじつは世界の映画の演技の最前線とも親和性があるという・・・。

リアルになると先バレしなくなるんです。

演技が地味になっても、次の瞬間その人物が何を言うか、何をするかが予想しにくいので充分ドキドキできる・・・現実の恋愛の面白さと同じですね。

これじつはボクが数年前から『セッションズ』というエチュード動画のシリーズで実験を繰り返してきたことと同じなんですが、地味なのに目が離せなくなるんですよねーw。

あと単純に楽しいのは、恋する人間はバカになるってことですね。

バカみたいな行動をとったりするw。だから行動の予測が難しいし、観てて「大丈夫?」ってドキドキするんですよねー。うん。

やはり恋する人物を演じる時は、ちょっとバカにならないとだと思いますよw。

しかしこの「テラスハウス風」のリアルな演技が、5年後に地上波ドラマの演技の常識になってたら面白いですねー。面白い脚本をリアルな演技で生々しく演じてゆく・・・そんなドラマだったら毎週見ちゃうなあ(笑)

小林でび <でびノート☆彡>

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