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「らしさ」に悩んだ私が、「らしさ」をつくる日々で学んだこと

最近、採用サイト制作の打ち合わせに参加する機会がありました。お話を聞いていてふと、自分が新卒で就活をしていたころのことを思い出しました。

私は、自分のことを相手に伝えるのがとても苦手な就活生でした。

「就活と聞くと、自分をアピールしなければならない気がする。でも、現実と違うことは言いたくない。自分のことを正しく伝えたいけど、どうやったらうまく伝わるんだろう、そもそも自分らしさとはなんだろう、あああ自信がない…」

自分のことを理解して相手に伝えることの難しさを感じ、葛藤していたのを覚えています。
エルで働くようになり約半年。誰かの「らしさ」をかたちにしていくことを通じて、「自分のことを正しく伝える難しさや大切さは、就活生だけではなく、企業も同じなのかもしれない」と思うようになりました。

今回は、かつて自分のことを相手に伝えることに悩んでいた私が、誰かの「らしさ」をつくっていく過程で学んだことを書こうと思います。


①ヒアリングとは、「知ろうとすること」

エルでは、お客様のことをよく知るために、ヒアリングの時間をとても大切にしています。当初私は、「必要な情報を、漏らさず聞くことが大事」と思いがちでしたが、エルでヒアリングの場を経験するうちに、「いいヒアリング」とは、「クライアントのことを知ろうとすること」なのだと学びました。

「相手のことを知ろう」と思うと、形式的な質問だけではなく、会話のなかから自然と質問が浮かんできます。あるヒアリングのとき、「この人のことをもっとよく知りたい」と思って会話をしていたら、ヒアリングシートにはなかった質問から話が広がり、相手の大切にしている考えがとてもよくわかったことがありました。「知ろうとすること」で、クライアントの思いを引き出し、ことば一つひとつににじみ出るクライアントの「らしさ」を、見逃さずに拾うことができるのだと実感しました。

相手のことを知ると、いいところがたくさん見えてきます。いいところがわかると、それを正しく伝えたい!という気持ちにエンジンがかかります。「聴く→知る→好きになる」という流れがあると、いいものができる予感がします。

そういえば、就活をしていたときも、最初に行ったのは自己分析でした。「自分らしさ」を言語化することに、当時は苦戦していましたが、「自分のことを自分に問うことで、自分を知り、いいところを見つけていく」ための、大切な時間だったのだと思います。


②客観的な視点だから、見つけられること

「自分のことは自分が一番よくわかっている」とよく言いますが、案外、自分のことを自分ひとりで理解するのは難しいものです。本当は強みなことを弱みだと決めつけてしまったり、評価が過小になってしまったり。そんなとき、客観的な視点で自分を見てもらうことで「そうか、これは自分のいいところだったのか」と自覚することができます

エルのメンバーは、他者のいいところを見つけるのがとても上手です。クライアントに「こんな姿勢が〇〇さんの強みだと思います」と伝えたり、「らしさ」をデザインに落とし込んだりする場面を何度も見てきました。私も刺激を受け、「こんなふうに相手のいいところを見つけて、かたちにしたい」という思いがどんどん強くなりました。
雑談の場でも、「これは〇〇さん得意そうだから、やってほしいね」「この本は〇〇さん好きそう、読んでみて」という会話がよく生まれます。普段から周りの人をよく見て、特徴や強みを理解してくれているのだなあと思います。

私自身、メンバーに「これはあなたの強みだよ、自信持って」と背中を押してもらうことがたくさんあります。自分では「これは自分の強みだ!」と自覚しづらいのですが、客観的な視点で評価してもらうことで、少しずつ自信につながっていく気がします。

客観的な視点だから見つけられる「らしさ」があると学んだことで、自分も、クライアントが自身の魅力を再発見するきっかけをつくれたらいいなと思うようになりました。


③等身大を伝えることで、生まれる出会い

私はエルの広報として、クライアントらしさだけでなく、エルらしさとも日々向き合っています。

エルの広報としての役目は、「らしさ」をつくる会社の「らしさ」を、等身大のことばで伝えることだと思っています。

エルは、デザインに「エルの色」を出しません。「私たちらしいデザイン」ではなく、「お客様らしいデザイン」をつくることを大切にするという姿勢が、エルの「らしさ」です。他にも、日々の仕事や会話のなかで感じたことや、オフィスの空気感…社内にいるからわかることがたくさんあります。その一つ一つを等身大の目線で伝えるために、社内ライター目線の日記というかたちで発信しています。

メンバーに協力してもらいながら、広報活動を続けて半年。実際に「noteを読んで心を動かされ、一緒に働きたいと思った」と言って採用に応募してくれる方が現れました。とても嬉しいです。エルの等身大の思いを発信していたから生まれた縁だと思います。

会社の等身大の姿を正しく伝えることで、いいつながりを生んでいくことが、広報活動の意義なのかもしれません。

振り返れば、他県に住んでいた自分がエルに入りたいと思えたのも、エルが自分たちの等身大の姿を発信してくれていたからです。今度は自分が発信する立場になり、実際にそれが届いているのを感じると、なんだか感慨深いです。


「らしさ」をつくる、これからも

今、悩んでいたころの自分に会いに行けるなら、「難しい作業だけど、自分らしさを考えて、考えて、見つかったら自分のことばで伝えていれば、それを見つけてくれる人たちと出会えるよ」と伝えたいです。

世の中に「らしさを増やす」。「らしさ」が増えることで、人と人とが、いい縁でつながっていく。自分も、誰かにとってのそんな瞬間を生み出す人であれるよう、これからも精進していきたいと思います。


デザインスタジオ・エルは「超えるをつくる」を合言葉に「らしさ」をデザインするWeb制作会社です。

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