見出し画像

組織としての「価値観」をシェアすること

友人と出かけた際に、ひと休みのために入ったカフェでチームビルディングの話が白熱してだいぶ面白かったので、帰ってから改めて考えてみました。

組織の中での二極化

これ、あるあるなんだな…と思ったのが、組織である程度人数が増えた時に、仕事へのやる気の「ある人」と「ない人」で二極化が起きること。

ちょっと語弊が起きそうなので言い換えると、仕事へのやる気度が「高い人」と「低い人」。もっと言うと「上昇志向」派と「安定志向」派だ。

この双方は驚くほど、お互いに相容れない存在。歩み寄ろうとして話しても、互いに言語レベルで通じないので、下手すれば一騒動起きる。

経験をしたことがある人は、そもそも土台のような、根本が違うような感覚を持った人も多いはず。そう、そこから違うから、分かり合えるはずがないのだ。

だが、“組織”である限り、一緒に働く仲間である。どうにかしないと、分裂したままでは仕事にならない。

仕事の捉え方の違い

上昇志向派は、「いかに楽しく仕事をするか」を考えている。
一方、安定志向派は、「いかにそつなく仕事をこなすか」を考えている。

上昇志向派は、まず仕事を語るときに
「人生」という大きな枠組みが主語になるのだ。

安定志向派は、仕事は「生活の一部」であり、
基本的に「自分」や「自分が属するグループ」が主語になってくる。

「仕事」というものへの捉え方がそもそも異なるので、同じ仕事のことを語っても話しが合わないのは仕方がないとも言える。

ビジョンが大好きな上昇志向派

上昇志向派は仕事を大きな枠で捉えているので、方向性や未来像=「ビジョン」が大好きな生き物だ。

なので、自分たちがどんな未来に向かって今この仕事をしているのかが大事だし、モチベーションになる。

こうやって考えた時に、安定志向派には「ミッション」が思い浮かんだ。

具体的に自分たちは何をするのか?もっと自分たちに近いことで仕事を捉えるのが好ましいので、使命感・役割・目的=ミッションが欲しいのだ。

私はここまで考えて、なぜ組織に「ビジョン」「ミッション」があるのかというと、どちらのスタンスの社員にもそれぞれに響くようになっていて、
まとめていくには、2つともとても大事なものなのではないかと感じた。

だが、「ビジョン」「ミッション」だけあっても、それぞれに響くだけでは、まとめられるとは思えない。
そこで出て来るのが「バリュー」なのではないか?

社員同士の共感を生み出す「バリュー」

バリューはいろいろな解釈があるが、おもに「価値観・あり方・姿勢」をしめす。

別に、「上昇志向」派だって「安定志向」派だっていい。どちらも組織に必要な存在だ。だが、組織として大事なのは、「価値観・あり方・姿勢」へ皆が共感しているか、なのではないか?

価値観を共有すること、で思い浮かんだのが、リッツカールトンの有名な「クレドブック」だ。ここにはリッツカールトンの「価値観・あり方・姿勢」がわかりやすく書かれており、いつも皆が携帯して読み返せるようになっている。
(ここでは画像を掲載できないが、ぜひ「リッツカールトン クレドブック」で画像検索してみて欲しい。)

そういう価値観があるから、こういう役割や目的があって、
そういう価値観があるから、こういう方向性や目標がある。

この価値観の「共有」がじつは難しい。組織やチームの人数が増えるほど、価値観の共有はしづらくなり、結果的に二極化につながってしまう。
(だから上記のクレドブックは良い一例だ。)

スタートアップが最初は少人数の時はやる気に満ちていたのに、人数が増えた途端、辞める人が続出したり、なんだか違う人が採用されたりが起きるのもこのためだろう。

おまけに、価値観は経営者や上層部、リーダーだけで共有されていることが多い。それだと意味がない。これはそもそも価値観を視覚化したり言語化するのが難しいのだろうか?それとも試みていないためだろうか?

(ここで、我々デザイナーの出番な気もしてくる。)

そうじゃなくても、昨今は個人間でも価値観がどんどん多様になっている世の中だ。組織はその価値観をシェアして、共感する人を探していかないと、人がすぐ辞めていくループからは抜け出せないのだろう。

<追記> 2/10 23:37
「ムーブユアバス」という本を読んだことがある人にしか通じないのだが、上昇志向派と安定志向派をムーブユアバスに登場する人材を割り振るとこうなるのかなと。
(参考記事:組織を「バス」にたとえた場合、もっとも大切にすべき人材とは? | ライフハッカー[日本版]

ランナーの下が怖い。

やる気があってスキルがないのは「意識だけ高い人」になるわけだが、ランナーになる人はここから出て来るので、そのやる気を成長に結びつけていけるか?本当にポテンシャルがあるか?と考えると、本人は「環境」をミスるとしんどいし、採用側は「見極める」の大変だ。ほんと「意識だけ高い人」で終わってしまう。

また、そういう人は、頭の堅いオトナな人たちから、潰されることもよくある・・。だからこそ、ランナーは少ない。とくに日本は・・。

最後まで読んで頂きありがとうございます。頂いたサポートは私の癒やし担当、愛猫シャーロックの胃袋にしっかりおさめます!