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拝啓 十六の私へ。辛いのは今だけなんて嘘はつきません。#8月31日の夜に

世界が憎くて仕方ないよね。
こんなに苦しいのに、誰も助けてくれない。
助けを呼べる相手もいない。

誰か、助けて。
誰か、助けて。

声に出すことなく、心の中で必死に叫んでた。
死にたくても、死ねなかった。
だって、死んでも虚しいだけだったから。

12年前、引きこもっていた高校生の私へ。

あれから、じつは12年も生きてます。

苦しんでいるあなたへ、辛いのは今だけだよ、という嘘なんてつきません。
あれ以上に辛いことがこの12年の間にたくさんありました。

でも、その12年のうちに、
「生きるのが苦しいから死にたい」と思わなくなりました。

そして、最近では「もう充分幸せだったから今死んでもいいな」とも思わなくなってきました。

今はやりたいことがあって、
それは1〜2年ほど生きるだけでは全然足りないことなのです。

12年前の高校生のあなたには、想像できないでしょう。気づいたら、もう30歳手前で、まだ生きるつもりでいるだなんて。

12年前の私。
あなたはこれから辛いことがたくさんあります。
だから、別に無理しなくていいのだけれど。

でも、きっと天邪鬼で捻くれ者で負けず嫌いな私のことだから、
歯食いしばって泣きながら何度でも立ち上がるんでしょうね。

馬鹿らしくて憎たらしいけど、
そんな自分が愛おしいと思える12年後も、意外と悪くないですよ。

敬具

#8月31日の夜に

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