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寺田倉庫、建築模型専用クラウド保管サービス『ARCHI−DEPOT STOCK』をリリース。建築模型展示施設『建築倉庫』と連携

2017年12月14日、アート・メディアなどの倉庫事業や、ユニークな保管Webサービス「minikura」などを手がける寺田倉庫は、建築模型を保管・管理するWebサービス『ARCHI-DEPOT STOCK』をリリースした。

ARCHI-DEPOT STOCKは、月額500円で、1ユニット(100×100×45cm)のスペースに建築模型を保管・管理してくれる。保管されている模型は写真も撮影され、同サービスが提供するマイページで閲覧が可能。同サービスを利用すると、後述する寺田倉庫が運営する建築模型展示施設「建築倉庫」へ展示してもらえる可能性もあるという。

同サービスのaboutページには建築模型の現状について以下のように記されている。

建築模型には、建築家や設計事務所の思考のプロセス・建築文化の大切なエッセンスが込められています。そして、現代建築はデザイン・技術ともに高い基準のクオリティをもつものとして注目を集めています。にも関わらず、建築家は模型作品やコンセプトを披露する場所がないという課題があります。

ARCHI-DEPOT STOCKはこの課題を解決すると共に、建築倉庫と共に建築家の思考プロセスを追体験する機会を提供する機会を作ろうとしている。

日本で唯一の建築模型展示施設「建築倉庫」

寺田倉庫は2016年春より日本で唯一模型を"展示しながら保存する"建築模型専門の展示・保存施設『建築倉庫』を運営している。

同施設はオープン以来、常設展、企画展含め多様な建築家の模型を展示してきた。常設では、隈研吾氏や坂茂氏、山本理顕氏、青木淳氏といった大御所から、永山祐子氏、中村拓志氏、TORAFU ARCHITECTS、noizなど時代を作る建築家の模型が並んでいるという。

ARCHI−DEPOT STOCKによって、既存のラインナップに加えさまざまな建築家の模型作品が並ぶことが期待される。有名スタジオの模型も興味深いが、スタジオごとで模型の作り方や担う役割、制作プロセスはさまざま。その裏側を見ることができる場という意味でも興味深い。

建築家の藤村龍至氏は著書『プロトタイピング-模型とつぶやき』の中で、自身の設計手法「超線形設計プロセス論」について言及している。同手法は、制作プロセスで模型を都度1カ所ずつアップデートし、制作プロセスが「ジャンプしない」「枝分かれしない」「後戻りしない」連続性を持つことに特徴に持つ。

これは従来のスタディの度に数十から数百に及ぶ膨大な模型を作って比較する手法とは大きく異なるものであり、藤村氏のやり方と比較すると作られる模型の量が大きく異なる。こういった設計手法の違いも建築模型から垣間見ることができる。

ARCHI−DEPOT STOCKにより、従来はブラックボックスとされていた建築家の設計プロセスがより明らかになることが期待される。

via ARCHI−DEPOT STOCK

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