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天気情報やニュース原稿としての報知ニュアンスのデザイン

 前回の記事と似たような領域/着眼のものが続きます📖
 『言葉のプロ』『的確に伝える定石』『大昔から精錬されたもの』でありながら、当方のような素人に〔違和感〕を唱えられるなど”あってはならない”はずなのですが、やはり本質思考軸では引っ掛かるのです🥴

 確率論の〔高い〕〔低い〕のニュアンスの問題に「唯一の答え」は無いけれど、限られた言葉のうちのどれを使って報じるかって、「そっちじゃないでしょ?」「よりによって何故”外している”方/本質的に遠い方 のフレーズを選ぶのか?」という場面が多くて気になります。

 

 今回も同様に《台風接近関連の天気予報》を例にとりましょうか。

『日本列島に向かってきていて、明日にでも本州に上陸する可能性があります』

というニュース原稿🎤

 台風進路図、すなわち【天気図上に現在位置や進路方向を『予報円』で記したもの】は皆にとって充分お馴染みのもの。
 各〔時刻〕に”円”の範囲内に位置する見込みだという精度数値については忘れましたが、明らかに日本列島を直撃する図になっています。

 それでも、

上陸する可能性があります

だと?

 

 「可能性があります」と「可能性が高いです」とでは伝達内容の意味が大いに異なります。
 当方にとっての〔国語〕は、このフレーズのニュアンスを換言すると、「ゼロではなくて何割かの確率では起こるかもしれないよ!」程度の弱いものであって、「もしかすると/ひょっとしたら」に寄っています。間違ってませんよね?

 「断言したくない」の意思や配慮なのかもしれませんが、報じている言葉と示している図とがチグハグしているので違和感です😵

 

比較対象として、例えば
◆今日の午後にかけて線状降水帯が発生するおそれがあります
◆所により雷を伴ったゲリラ豪雨に見舞われるおそれがあります

のような事象を予測して伝えるのとニュアンスが異なっていて、これらは「おそれがあります」がしっくりくる/科学や統計が進化しているとは言え控えめな見通しになりがち ということは、当方を含めた素人にとって異論ないでしょう。

 『上陸します』のような〔確定〕〔断定〕感を回避したい気持ちをおもんぱかるとしても、『上陸する見込みです/上陸すると予測されます』はおろか、『上陸する可能性が高まっています』とすらなかなか言わない”謙虚さ”は、ここではむしろ困惑要素でしかない/不適事項であるように感じて久しいのですが、その本質思考を長年改定する様子はありません😔〔国語〕を超えた何らかの業界の慣習にでも従っているのでしょうか?

 〔可能性〕の度合を測る尺度や言葉表現(ニュアンス)の受け止め方は個々人によって「画一的ではない」とは言うまでもありませんが、かかる『上陸する可能性があります』の類での強度の打ち消し具合は、かえって伝達側の「警告通知」が”ぼやかされる”効果に過ぎず、意図が曖昧になります。

 

 かたや、人による意思決定が絡む事象である場合に「可能性があります」が的確/適切であると思えたりします。
◆気象状況によっては鉄道運行が遅延する可能性があります
◆ 〃 高速道路の通行止めを行なう可能性があります

 これらは未然/未決であるので、あくまで「結果として」のシナリオを見通して通知する例です。

 上述、◆で列記した「おそれがあります」「可能性があります」と言及するのがベターな事項の存在に”押されて”つまり影響を受けてしまって、適用する述語を”誤り”、肝心な伝達事項のニュアンスが捻じ曲がってしまう… という報道には不安を覚えます。


 あまり触れたくないのでが、刑事事件の報道においても似た要素が散見されます。
 『何者かによって殺害された可能性もあるとみて捜査を…』って、どうせ言うなら『高い』の方でしょ? 『同一犯の可能性もある』とか『~も視野に入れて捜査』とかの語句が適用される場面であればしっくりきますが、[先入観]をとことん除外すべきな初動捜査であることを充分加味しても、『可能性がある』って何かと場違いじゃなぁい?👮


 

 同時に、われわれ〔受け手〕の中に、「どういうことか!/語句がおかしくないか?」と意義を抱く人の微少さも、残念感ひとしおです💦

 というのは、先日の”前触れ”ともされ得る発震からの「目安期間」が過ぎ《南海トラフ地震臨時情報の「注意」呼びかけ》が終了したわけですが、その警戒度や発生可能性評価についてとやかく言えるのか?
 市民レベルの会話では「あぁだこうだ」批判するにしても、専門家や報道の語句ニュアンスを受けての【認知レベル】がこれほどブレ幅が大きいファジーな時世なのですから💦

 

《おまけ的連想事項》

 このような”形骸化”したような本質が危うい【報道セリフ】の偏りは、他の場面でも感じます。
 天気が荒れた地域(やその他あらゆる自然災害を被った現場等)からのレポート🎤 何かと『・・・という状況です』という語尾が多くありませんか?普通に『~となっています』『~のようです』で終わらせることができない様子。どうしても「状況」ばかり付けたがっているリポーターがほとんどのようですが、これはもしかして”マニュアル”≒手順書 通りなのでしょうか😔
 あるいは、大多数が『語尾に付けてしまう「○○、みたいな」』のように、潜在意識に沁みついてしまっていて【もはや、やめられない】のでしょうか💧

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