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面接で何を聞いたらよいのか考えた話

こんにちは。株式会社ユーザベースでFORCASのデザインエンジニアをしています大久保です。

DESIGN BASEでは仲間を募集しています!
今回は一緒に働きたい仲間のイメージの言語化と、それに即した面接の質問を考えた話を書こうと思います。

そもそも、何を、なぜつくるんだったっけ

嬉しいことにDESIGN BASEもメンバーが増えてきましたが、採用に関わるメンバーは固定化しています。その属人性を解体し、他のメンバーが採用に挑戦しやすい環境をつくること。それを目的としてまずは振り返りを行いました。
振り返りとは、ユーザベースで大事にしている文化のひとつで、今までの活動を振り返って、継続すべき点や問題点を見つけ出し、改善する為のアクションを設定する会です。

振り返りのMiroフレーム

振り返りで話したことは2点。

まず構造化面接について。
構造化面接とは、候補者の方たち全員を同じ面接手法を使って評価するやり方です。全員に同じ手法で同じ評価方法を適用するため、確証バイアスを減らすことができるメリットがあります。
参考:Google re:Work - ガイド: 構造化面接を実施する
DESIGN BASEでは、先述の目的のために構造化面接が有用なのではないかと仮定して、設計を開始していました。
しかしそもそも構造化面接は面接官の確証バイアスや評価基準などが候補者の方に影響を与えないようにするためのものであり、私たちの目的である属人性の解体には寄与しますが、採用への挑戦のハードルを下げることに繋がるものではありません。
その目的の不一致や、構造化面接自体の難しさについて話がおよび、アプローチを変えることにしました。

では、何を作っていくのがよいのか。
まずはすべての面接でバラバラの意図の質問をしている状態なので、その属人性の解体のため、DESIGN BASEの面接で共通して使う質問集を作ることにしました。
さらにドキュメントとしてまとめることで、面接官に挑戦するメンバーが情報にアクセスしやすい状態にすることを目指します。

仲間がほしい、でもそれってどんな仲間だろう

どんな仲間がほしいのか、まずは共通言語を探っていきます。ここをしっかり作ることで面接の質問にも軸を通していくことができます。

1. ユーザベース社内で活躍している人のイメージを言語化する

デザイン組織自体のデザインをしてくれている藤原がDESIGN BASEメンバー向けにアンケートをとってくれました。質問は2つ。

  1. ユーザベースらしく輝いて活躍していると感じる人が持っている特徴を5つ教えて下さい。

  2. ユーザベースで輝いて働くための本当に大切なことは何だと思いますか?

1つ目の質問では、キーワードを。2つ目の質問では文章で答えをもらうことができました。どちらの質問も社内で輝く人のイメージを角度を変えて聞いています。今回は、輝く人の対象はデザイナーでも、デザイナーでなくても構わないとしています。

2. 集めた回答をグルーピングする

Miroの付箋でぺたぺた作業していきます。
1つ目の回答はそのまま貰った回答を、2つ目の質問は文章で答えをもらっているので、そこから気になったキーワードをピックアップします。

採用ブログ

次に付箋を観点ごとにグルーピングします。

採用ブログ

だんだん解像度が上がってきたここで、「ユーザベースが一緒に働きたい人」と重ね合わせてみます。

採用ブログ

「ユーザベースが一緒に働きたい人」とは、カジュアル面談などでも候補者の方にお伝えしている大事なポイントです。詳しく見たい方はDESIGN BASEのキャリアページまでどうぞ。

採用ブログ

重ね合わせてみることで、DESIGN BASEにもユーザベースで大切にしていることがかなり入っていることが分かりました。逆に「ユーザベースが一緒に働きたい人」で括られていない観点はDESIGN BASE内で大切と思われている観点と考えることもできそうです。
会社全体とデザイン組織とで価値観が揃っていることにほっとしつつ、次は具体的な面接の質問を考えていきます。

面接でなにを聞いたらいい?

どんな仲間がほしいのか?その答えには「ユーザベースが一緒に働きたい人」の4観点が大きく占めていることが分かりました。なのでまずはその観点に沿って4つの質問を作成することにしました。

1. みんなが面接で使っている質問を集める

またメンバーみんなの力を借ります。一人では何もできぬのです。
DESIGN BASEではもちろん今までも面接をしてきています。そこでみんなが使っている質問を募集しました。募集項目は2つだけ。

  1. 面接で使っている質問を教えて!

  2. その質問の意図を教えて!(任意)

なんと100近い質問が集まりました。ありがたいことです。

2. 集めた質問をグルーピングする

またMiroの付箋を使って質問の意図ごとにグルーピングし、また「ユーザベースが一緒に働きたい人」と重ねてみます。

採用ブログ

ラインより上がパーパス、バリューなどに関する質問。下がデザイナーとしての考え方やスキルに関する質問です。パーパス、バリューなどに関する質問が圧倒的に多いのが見てとれます。
これは、弊社の採用選考において、重視する資質の優先順位が「バリューフィット > パーパスへの共感 > スキル」となっているためでしょう。

3. 質問を決める

では実際に質問を決めていきます。例えば「自己決定と自己規律ができる」を質問の意図とすると以下のような作業をします。

  1. 集めた質問の「自己決定と自己規律ができる」から仮で一つ質問を選ぶ

  2. 質問がうまく機能するか、その場でメンバー同士でシミュレーションする

  3. うまくいかない場合は別の観点がないか、観点出しをしなおす

  4. 2〜3を繰り返す

これで最も大切にすべき4つの質問が完成しました!
具体的な質問はないしょです!すいません!!!

4. 深ぼり質問例を考える

質問をきっかけに会話をしていく形の面接で重要なのは深ぼりの部分です。
「具体的にはどういうことですか?」「どうしてそう思ったのですか?」「そう考えるようになった原体験はなんですか?」など、たくさん「なぜ?」と聞き、質問意図に沿った会話をすることで候補者の方の考え方を知ることができます。
しかし面接官をはじめたばかりの状態だとここが難しいです(少なくとも私はそうでした。。)そこで、4つの質問の深ぼり質問のサンプルも考えることにしました。

この深ぼり質問については、3で行われたメンバー同士のシミュレーションから、機能した深ぼり質問をピックアップしました。

みんなに使ってほしい!

4つの質問、各深ぼり質問ができたので資料をつくります。
使われ、フィードバックを受け、更新されないとあまり意味はないので、DESIGN BASEメンバーが集まる会で告知もしました。

資料の一部

この後「ユーザベースが一緒に働きたい人」で括られていない質問を同じように一つずつ考えていったり、質問のアップデートを行ったりいろんなアプローチで面接をよりよいものにしていきたいです。

おわりに

成果物の完成はもちろんなのですが、一通りやってみてよかった点はなにより一緒に働きたい人の解像度が上がったことです。
募集要項になにを書いたらよいのか?面接を受けてくださった候補者の方になんとフィードバックすればよいのか?そして、面接で何を聞けばよいのか?
全てのもととなるべきものの解像度は大事ですね。
それでは、また続編が書けたらよいなと思います〜〜。

DESIGN BASE MAGAZINEには他のメンバーの記事もたくさんあります!ぜひご一読ください。