アートボード_1-100

こうつくった、ショートフィルム「星がきれいですね。」ポスター。

先日、女優のSanae margaretさんが自主制作されたショートムービーのビジュアルポスターを制作つくりました。

内容を簡単に紹介しておきます。

ある日、あいはカフェで友達にある相談ごとをします。
「付き合ってる恋人からプロポーズされたんだけど、彼は浮気をしている」と。
場面は変わり、もう1人の主人公のれなもある日、友達に相談します。
「プロポーズされたけど、私は浮気をしている」。
同じ境地でありながら立場の異なる2人は果たしてどうするのか。

といった話です。詳しくは下部にYouTubeのリンクを貼っているのでご覧下さい。

さて、僕はビジュアル制作に入るなりいきなり頭を抱えました。本作は全くの別人である女性2人が主役として登場しますが、演じているのはSanae margaretさん1人です。作中は演技や脚本でそれを伝えることは出来ると思いますが、静止画であるポスターワンカットで果たしてそれをどこまで描けるか…。
しかもスチール撮影も含めて既に終わっており、フォトディレクションは出来ません。すでに撮り終わっている写真素材の中から選ばなければいけませんでした(写真は諏訪知之さん<tomoyukisuwa.com>  という写真家さんが撮影したものです)。

そうした制約の中頭を悩ませながら出てきたアイディアが、「『同じ人物かもしれない、だけど何だか様子が違う』と感じさせる」でした。
本編を見ると、どちらがダメでどちらが良いなんて言っておらず、Sanae margaretさん自身もそのように思っているのではなく、どっちもそれぞれの生き方で正解なんだ、と考えています。

つまり主人公のあいとれなに差はなく、お互い逆の立場になる可能性はあるし、人間は感情の生き物である以上誰だってどちら側にも成ることを暗に(←ここ大事)伝えらるようにつくれば作品の世界観と一致すると思いました。

二人に差はないことは演じているのが1人だという部分で伝えられるので、あとはそこにどれだけその二人に違和感を持たせられるかが勝負でした。

フォトセレクトはとにかく「対比」であることを念頭におきました。そうして選んだのが以下の2点。

DSCF8780のコピー

_DSF8202のコピー

明るいトーン/暗いトーン
体がこちら向き/体がむこう向き
顔が右側を向いている/顔が左を向いている
笑顔/物憂げ

とにかく対比・対比・対比・対比。
この2枚は街中ですれ違っても絶対にお互い認識しなさそうな写真だと僕は感じました。
そしてさらに対比を強くするためにそれぞれの写真に補色となる色を乗せます。

スクリーンショット 2019-11-17 18.39.20

スクリーンショット 2019-11-17 18.39.27

ちなみに目から上は写真だけにしていますが、これは2人が溺れながらも一生懸命目だけ水面から出して答えを探している様子をビジュアル化しています。
そして乗せた色が写真からはみ出しているのも、「綺麗に収まりきらない」という意味づけです。

そして次はタイトルロゴ。「星がきれいですね」の「星」だけ漢字である部分に注目、ここを象徴的にしようと考え、星が流れながら儚く崩れていくようなイメージで右側を削りました。
そして他のひらがなの部分は、遊明朝というフォントを元に横幅を105%に拡大、そして横のラインをギリギリまで細くしました。まるでちょっと衝撃を加えただけでプツンと切れてしまいそうなくらい。ちなみに僕はロゴをつくる時は一から自分でフォントを制作することが多いですが、今回の場合は元々あるきれいなフォントをあまり崩さずきれいなまま使った方がいいと判断しました。

スクリーンショット 2019-11-17 18.47.20

そうして出来上がったものがこちらになります。

アートボード 1-100


どうでしょうか。同一人物なんだけど何だか全く違う印象、そしてどこか儚げな雰囲気を感じていただければ嬉しいです。
そしてこちらが作品本編になります。良かったら一度ご覧ください。

Sanae MargaretさんSNS
Twitter:https://twitter.com/sanaemargaretJP
Instagram:https://www.instagram.com/sanae_margaret


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