見出し画像

【皮膚科専門医試験対策】症例レポートの書き方とおすすめ疾患

デルマ侍です。皮膚科専門医試験のレポート、事前書類審査について。レポートの書き方と注意についてまとめます。
専門医試験対策シリーズのサイトマップはこちら。

皮膚科専門医受験申請時にレポートを提出

皮膚科専門医試験では、受験申請時に症例のレポートの提出が必要です。

症例レポート:入院外来治療カルテ一覧(最低15症例、最大30症例)
手術レポート:手術記録一覧(10症例)

形成外科ではレポートから口頭試問が行われますが、皮膚科では面接はありません。(昔面接があった時代もレポートからの試問はありませんでした。)

5年間の間に病院を異動される先生方もいらっしゃると思いますので、早いうちに症例はパソコンなどを利用して、セキュリティには十分配慮した上で、年齢、性別、疾患名、IDなどはExcelなどでまとめておくとよいです。

症例レポート 15症例の場合の内訳

5年間で15症例の場合、1年で3症例ずつと書かれています。

おすすめは 事前評価を上げるためにも1年ごとに2症例入院、1症例外来で
最小入院10症例、外来5症例がよいと思います。
入院7症例は必須で、外来8症例+入院7症例でもOKです。

5年以上の研修期間がある場合

留学、育休産休、その他の理由で5年以上の研修期間がある方もおられます。ここがややこしいのですが、皮膚科学会の資料を読みとくに、

●5年の間の何年か、大学院に行って研究のみしている場合
→ 研究のみに従事している期間については、その期間の3症例の提出は不要です。ただし、受験申請に必要となる15症例以上の提出という要件は変更ありません。
産休・育休の期間がある場合
→研修期間が5年間以上ある場合には、3症例を提出する期間をご自身の研修実態に合わせて提出してください。例えば、1年目、2年目、4年目、5年目、6年目などです。全研修期間で3症例を提出していただく必要はありません。
※3症例を記載するのは5年間の研修期間分のみとする(例えば、6年の研修期間がある場合、特定の1年度分はこの条件は適用されない)

このQ&Aから判断するに、たとえば

例1:皮膚科研修期間の4年目、5年目に大学院に進学している場合
1年目5症例 2年目5症例 3年目5症例 4年目・5年目 なし でOK

例2: 皮膚科研修期間の3年目に出産、育休した場合
1年目3症例 2年目3症例 3年目0症例 4年目3症例  5年目3症例 6年目3症例 

のような例でOKのようです。出産・育休が年次に重なる場合は勤務の月が多い年次のほうに3症例を書くべきと考えます。たとえば3年目の12月から産休で4年目の11月に復帰、でしたら、3年目に3症例、4年目に0症例(0じゃなくてもよい)、5年目に3症例など。

【研修期間全般にわたること】【1年ごとの3症例】 このルールはかなり何度もでてきますので、守った方がいいです。過去の差し戻し事例もあります。

必須症例

レポートに組み込まなければならない、必須の症例です。

こちら、変更がありました。

2022年度 新制度(機構認定)
①接触皮膚炎
②アトピー性皮膚炎
③蕁麻疹
④薬疹
⑤乾癬
⑥膠原病・自己免疫性水疱症
⑦慢性皮膚潰瘍
⑧色素異常症
⑨皮膚悪性腫瘍
⑩皮膚ウイルス感染症
⑪皮膚細菌感染症
⑫皮膚真菌症


旧制度(2021年以前)
1アトピー性皮膚炎
2薬疹
3接触皮膚炎
4膠原病
5乾癬
6色素異常症
7慢性皮膚潰瘍
8皮膚悪性腫瘍
9皮膚ウイルス感染症
10皮膚細菌感染症
11皮膚真菌症 

じんましんが追加になり、接触皮膚炎の順番がかわりました。


おすすめ皮膚科専門医試験症例レポート振り分け方

デルマ侍が考えた1例ですが、こんな感じおすすめです。

入院レポート:
アトピーの教育入院
薬疹DiHSとか
膠原病他科入院中の併診もOK
慢性皮膚潰瘍:NPWTして治った、とか。静脈瘤レーザーとか
皮膚悪性腫瘍:chemo入院とか
皮膚細菌感染症:蜂窩織炎
+褥瘡 アナフィラキシー 類天疱瘡 糖尿病性足壊疽

外来レポート:
接触皮膚炎:パッチテスト
じんましん:鑑別や原因の考察、エピペン処方例のアナフィラキシー型など
乾癬:bioとか
色素異常症:尋常性白斑、MINOの色素沈着症とか
皮膚ウイルス感染症:帯状疱疹
皮膚真菌症 :白癬

少しだけ注意するのは、慢性皮膚潰瘍 なんですよ。慢性。鬱滞性皮膚潰瘍、静脈瘤性潰瘍などですっきり治る症例がおすすめ。

症例レポートを30症例書くべき!?

書く必要はありません。しかし、ダメ、とも言われていません。学会からはこのように言われています。

研修期間中に経験した入院および外来の症例を合計で 15 症例以上記入し、印刷してください。なお、 提出する 15 症例以上には、7 症例以上の入院を含めてください。

合計で 15 症例以上記入です。30症例でもズルではありません。症例数が多く充実していたほうが、事前のレポート書類審査で高評価となる可能性があります。事前評価で5をとるには?加点はどのくらい?過去の受験生のレポート評価と自己採点の結果についてまとめています。こちらの記事もお読みください。

手術記録レポート

手術記録一覧 レポートについてはあまり悩むことはありません。10症例のみ。 

研修期間全般にわたること
該当しない場合、委員会での審議対象となるので注意すること

とされているので、1年につき2症例ずつ書けばOK

他の条件は植皮の症例を含めること だけです。
手術レポートについて、より事前レポート評価の点数をあげるには。こちら

レポートは上級医、部長の確認がいるのか

所属した施設の部長に該当するレポートを見せた方がいいのか?という質問が受験生の方から以前にありましたが、答えはNO です。見せてもいいですけどね。指導医のサイン箇所はありません。

責任指導医(主に教授)のご署名・ご捺印 だけでOKです。

おわりに

いかがでしたか?書類準備の参考になれば幸いです。

専門医試験対策シリーズのサイトマップはこちら。

筆者はレポート5でした。どんな中身だったか、どんな工夫をしたか。他の受験生のレポート評価でわかっている情報もまとめています。

書類準備では、学会抄録のコピーで注意が必要です。

指導医の項目がわかりにくい・・・解説しました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?