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アセアンの人達の働き方 #1 「インドネシアの仕事」

※本投稿は株式会社デンソーデザイン部の自主研究活動であり、
弊社の開発案件や事業をご紹介するものではありません

こんにちは デンソーデザイン部の宮地です。
私は2018年からASEANのUX探索に携わり、当初はバンコク、ジャカルタ、クアラルンプールがこんなに発展している都市であることすら知らずに始めたのですが、今では部内で一番ASEANに詳しくなりました。

このリサーチ活動の中で現地で感じたことをベースに、現在ジャカルタで働く人達、これから起業を考えている人達のインタビューを交えながらジャカルタで働く人達のモチベーションと幸せをテーマに「仕事の壁」というタイトルで投稿していきます。

私の所属する先行デザインチームのUX探索では、生活者のライフスタイルに着目し、人・欲求・生活・コミュニティ・社会・街・幸せで課題を捉えにいっています。この活動をしていく中で、生活の基盤としての仕事の位置づけに、より重要性を感じるようになりました。日本では、お金を稼いで生活を豊かにする物質的な幸せに加え、働きがいなど精神的な幸せも加味されて、仕事のマッチングが捉えられるようになってきています。とはいえ、まだまだ日本人の中には、いまだに働かなければならないという意識が強く、一生懸命働く事から解放されるための壁が強迫観念のように高い気がします。

それでは平均賃金が低いASEAN諸国ではどうなんでしょう?日本以上に仕事を得ること・お金を稼ぐことのファーストプライオリティは高く、仕事に就くこと、職を手にすることは難しいという壁があります。一方で日本人ほど一生懸命に働かなければならないという意識は低いように思えます。この日本人とASEANの人達の、働く事・就労を取り巻く環境、意識の差を2つの壁の観点で述べていきます。ASEANは、成長度合いが高く富裕層と貧困の差が激しいインドネシア・ジャカルタを例に取り上げていきます。

インドネシア人口は2億6千万人と日本の約2倍で、その多くがジャカルタ及び近郊に集中しています。もともと住んでいた人たちだけでなく、インドネシア全土から多くの人、特に若者が首都ジャカルタに集まります。

その多くの人達は、お金がなく、教育を十分に受けて来ず、仕事得るための資格・スキルも十分ではありません。日本のように「選ばなければ仕事はある」のではなく、本当に「何でもよいから働く」がデフォルトの環境です。

例えば街中で、勝手に仕事をし始める人達がいます。勝手に交通整理をしてチップを受け取ったり、スコール時に傘を貸すことでチップを受け取るしたたかな人達です。

チップ2

普通に歩いている人が、混雑した道の合流に難儀している車の為に
突然交通整理してチップを得ることもある

傘

突然のスコールで傘を待ってない観光客に傘を貸してチップを得る人
晴れている時は安価なアクセサリなど観光土産を売っている


その一方で、働いている人達は日本人の目からするとマイペースでスローな就業感性のように思えます。さっきまで魚を陳列していた台で昼間から寝てしまう人や、荷下ろし後の検品待ちを1~2時間もスマホ見ながらのんびり待っているドライバーの姿はバックヤードで当たり前のように見かけます。

寝る

トラック

お金を得ることに関しては貪欲な一方で、マイペースでもありながら、サービスが杜撰ということは無く、街中でレストランやタクシーを使ってもおおよそしっかりしています。このような一見カオスに見えるジャカルタの就業事情・働くモチベーションは、どうなっているのか?とても強い興味を持つようになりました。

次回以降、ジャカルタの「お金や就業の意識」「貧富格差事情」「食生活の環境」の視点を通じて就業している人達の働くモチベーションの研究報告をしていきます。

最後までご覧頂き、ありがとうございました。