電線アンバサダー 石山蓮華

電線アンバサダー 石山蓮華

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三映電子工業 平原工場 後編

長野県東部に位置する城下町、小諸市にある三映電子工業。 自動車、スマートフォン、腕時計などの電子部品に使われる巻線、極細電線を得意とする電線製造会社です。日本国内企業ばかりでなく、外国企業からの信頼も高く、その製品は海外にも輸出されています。 前編に続いて、平原工場で、巻線の設計・製造に携わる皆さんにお話を伺ってきました! 物づくり人づくり 三映電子工業は、極細電線専門の製造会社として、2023年11月、創業65年を迎えました。「物づくりを大切にし、物づくりの心をもつこと

    • 三映電子工業 平原工場 前編

      電線アンバサダーが全国の電線製造工場を訪ねる電線ノート。 今回は、長野県小諸市にある三映電子工業 平原工場へ行ってきました! これまでのシリーズでも初めての巻線(まきせん)工場です。 普段は見えないところにある電線「巻線」とはどんなものでしょう? 巻線ってなに? 「電線」というと配電線や送電線など、見えるものを想像しますが、モーターなどに使われる巻線(マグネットワイヤ)も電線の仲間です。 自動車やスマートフォンの中でも活躍している身近な電線で、あらゆる産業分野の部品をはじ

      • 住友電工オプティフロンティア 埼玉事業所 後編

        電線アンバサダーが全国の工場を取材する「電線ノート」。 今回お邪魔したのは、埼玉県行田市にある住友電工オプティフロンティア埼玉事業所です。 いま、この記事を読んでいるあなたも、ここで作られた光ケーブルにお世話になっているかもしれません。都市の神経である光ケーブルを作る人たちにお話を伺いました。 働く人たち この工場を支えるベテラン社員の皆さんにお話を伺いました。 「写真はあまり得意じゃないんだけど…」とはにかむお二人。 社歴の長いお二人は息もぴったりで、明るくお話しして

        • 住友電工オプティフロンティア 埼玉事業所 前編

          電線アンバサダーが全国の工場を取材する「電線ノート」。 今回お邪魔したのは、埼玉県行田市にある住友電工オプティフロンティア埼玉事業所。 データセンターや通信局と、私たち利用者をつなぐ光ファイバーケーブルなどの開発・製造・販売している会社です。 108年の歴史が支える最先端技術 仕事や勉強、動画や音楽、ゲームなどのエンタメを楽しむなど、私たちの生活に欠かせない光ケーブル。 最先端技術を支えるのは、100年を超えるものづくりの歴史と技術です。 住友電工オプティフロンティアの

        三映電子工業 平原工場 後編

          電線さんぽ 大阪・曽根崎編

          全国を気ままに散歩し、身近な街にある歴史や電線とのつながり、そして電線のある景色を楽しむ「電線さんぽ」。 今回は大阪・梅田で、いい電線との出会いがありました。 2023年5月に公開されたこちらの記事で伺った弥栄電線さんは、大阪の会社です。 社長の岡さん曰く、大阪には昔からゴム製造の会社が多く、ゴム被覆電線の製造や技術発展にも深いつながりのある土地なのだそう。 昔と今をビヨーンとつなぐいい電線を眺めにいきましょう! 悲恋と電線 大阪府大阪市にある梅田駅は、大阪を代表す

          電線さんぽ 大阪・曽根崎編

          電線さんぽ 本所・深川編

          日本のさまざまな場所に電線の歴史が眠っています。 「電線さんぽ」では、電線にまつわる場所を訪れ、歩き、歴史を学びます。 今回は東京都墨田区本所で、ものづくりの歴史に触れました! やって来たのは、東京都江東区にある東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄新宿線の住吉駅。 駅から歩いて3分の住吉銀座商店街からは、電線と東京スカイツリー®が一望できます。 東京スカイツリー®が見える道では、電柱の地中化がハイスピードで進んでいるそう。下町らしい景色と東京スカイツリー®が楽しめる場所は、こ

          電線さんぽ 本所・深川編

          住電HSTケーブル編 みんなで届ける

          滋賀県甲良町にある住電HSTケーブル滋賀物流センターは、建設用電線・ケーブル(3品種と呼ばれるCV、IV、CVVが6割)の配送センターです。 こちらの記事では、受注した建設用電線・ケーブルがどのように加工され、運ばれるのかをレポートします。 倉庫を探検してみよう倉庫の中を歩いていたら、頭上にミラーボールのようなものが浮かんでいました。パーティー好きの社員さんがいるのかしらと思いきや、こちらはオリジナルの360度ミラー! 半球型の鏡で死角までぐるりと確認でき、安全に移動でき

          住電HSTケーブル編 みんなで届ける

          住電HSTケーブル編 きちんと伝える

          見える電線・見えない電線「電線」という言葉から連想するのはどんな姿でしょう。配電線のように外から見える電線かもしれません。 しかし、電線は建物の中でも使われています。外から見える電線も、見えない電線も、街のいろいろな場所に張り巡らされているのです。 今回やって来たのは滋賀県犬上郡甲良町。彦根城から車で30分ほど走ったこの場所には、見えない電線、建物の中で使われる建設用電線・ケーブルの配送センターである「住電HSTケーブル 滋賀センター」があります。 みんな大好き!3品種

          住電HSTケーブル編 きちんと伝える

          電線倉庫を見てみよう 弥栄電線編

          電線はどこから来るの?屋内で働く電線は、どのように作られて私たちの元につながるのでしょうか。 大阪府・堺市にある弥栄電線・美原工場で、V V F(ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形)の製造や配送を取材しました! 弥栄電線では、製造から出荷までを同じ敷地で行います。 仕上がった製品をドライバーに預けるまでの確認は出荷担当の大切なお仕事です。 林さん 「出荷や積み込み、在庫管理などを担当しています。具体的には、出荷間違いなどが無いよう、毎日の在庫調査をしたり、仕上がった製品や

          電線倉庫を見てみよう 弥栄電線編

          「見えへん」面白さを伝えたい 弥栄電線・美原工場編

          大阪生まれの電線メーカー電線アンバサダーが全国の工場を取材する「電線ノート」。 今回お邪魔したのは、大阪府・堺市にある弥栄電線・美原工場です。 創立当時の1952年、大阪市の生野区でゴム絶縁電線製造からスタートした弥栄電線さん。 現在の堺市美原区に移転後、1970年に建てられた事務所には大理石やすりガラスが使われ、レトロな佇まいが素敵です。 住宅と電線今年で創業71周年となる弥栄電線の住所には「木材通」とあります。 ここは昔から住宅関連の企業が集められたエリアで、現在も

          「見えへん」面白さを伝えたい 弥栄電線・美原工場編

          電線さんぽ 三島編

          全国津々浦々、のんびり散歩しながら電線を愛でる「電線さんぽ」 第二回は水の都・三島編です。 静岡県の三島には街中のいたるところに小川や水路があり、せせらぎの気持ち良さを楽しみながら電線鑑賞できます。 街を流れる水は透き通っていて清らかです。 昔は電線を製造するための動力として水車を使っていたそうです。 もしかすると、この街でも電線が作られていたのかもしれませんね。 近所にもこんな場所があったらいいなあと思いつつ歩いていたら、小鳥が電線でひと休みしていました。あらま〜! 通

          電線さんぽ 京都電線遺産めぐり編

          日本各地の電線を愛でながらまち歩きを楽しむ「電線さんぽ」が始まりました! 初回は電線とつながりの深い京都で、電線観光コースをご案内します。 お散歩気分でお楽しみください。 京都といえば、言わずと知れた観光地。そして梶井基次郎の『檸檬』や森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』をはじめ、多くの小説や映画の舞台にもなり、電線の歴史が動いた土地でもあります。 個人的にも京都は大好きな場所です。何度も旅行で訪れては、その度に「いつかここで暮らしてみたいなあ」とうっとり。コンパクトな街に素敵

          電線さんぽ 京都電線遺産めぐり編

          矢崎エナジーシステム 沼津製作所編

          都市の血管や神経として、私たちの生活を支える電線。 こちらのブログでは電線の製造工程や、電線工場で働く方々を取材し、電線のおもしろさを探究します。 前回に続いて静岡県にある矢崎エナジーシステム株式会社さんの富士工場、沼津製作所を取材し、アツアツの溶銅炉で作られた荒引線がどのように電線になっていくのかを追って、電線工場の様子をご紹介します! 頭上を飛び交う電線を追って8ミリの荒引線はミリ単位で引き伸ばされます。細く引き伸ばされることによってしなやかになり、狭いところや動きの

          矢崎エナジーシステム 沼津製作所編

          矢崎エナジーシステム 富士工場編

          都市の血管や神経として、私たちの生活を支える電線。 外を歩けば必ず目にしているはずなのに、景色に溶け込んでいるからその存在に気づかない、いわば「見えているのに見ていない」ものの代表でもあります。 このブログでは、電線アンバサダーである筆者が電線のふるさとである全国の工場や会社を訪れ、電線が作られる様子を取材し、記事を通して電線の魅力を発信します。 今回は、静岡県にある矢崎エナジーシステム株式会社さんの富士工場、沼津製作所を取材しました。アツアツの溶銅炉や電線工場の様子、つ

          矢崎エナジーシステム 富士工場編

          ヒエン電工 長田野工場編3

          都市の血管や神経として、私たちの生活を支える電線。 外を歩けば必ず目にしているはずなのに、景色に溶け込んでいるからその存在に気づかない、いわば「見えているのに見ていない」ものの代表でもあります。 今回は船舶用電線を作るための大きなマシンや、ヒエン電工株式会社さんで働くみなさんが仕事の合間に楽しみにしている景色をご紹介します! 電線専用ニッティングマシン京近さん「会社に入った頃は、どうしてこれで鉄線が編めるんだろう?と思っていました」 被覆された電線の表面を金属の糸で覆った「

          ヒエン電工 長田野工場編3

          ヒエン電工 長田野工場編2

          海の上の建築物である船。 船舶用電線は、安全な航海、漁業や貿易、観光など、さまざまな産業を見えないところから支えています。 前回に続き、船舶用電線を製造するヒエン電工 長田野工場の様子や、働くみなさんの声をご紹介します。 工場をご案内いただくのは、入社31年のベテラン社員である京近さんです。笑顔も物腰もやわらかな京近さんは、山鳥社長曰く「社内のムードメーカー」。工場の東側に植わっている桜を見るのが毎年の楽しみなのだそうです。 京近さん「船舶用電線は、電線の内側にある下線か

          ヒエン電工 長田野工場編2