見出し画像

協同無線組合×電脳交通の新しい形

配車室で、安堵の声が聞こえます。
冬のある日、北九州で前例の無いプロジェクトがひとつの形になりました。北九州市の明交運輸協同組合の配車業務を、電脳交通がそのまま引き継ぎ再構築するという、電脳交通にとっても協同組合にとっても初めての取り組みです。そこで初めての配車が完了しました。

画像6

全国の協同組合が抱える課題、そのための最適解の模索

タクシー業界には、各社で重複する業務を共同で分担して行う「協同組合」が全国にあります。しかし、その多くは維持が難しくなっています。組合を立ち上げた当初よりも市場規模が縮小し、供託金等のコスト負担が重くなっていることも一因です。その現状に対し、電脳交通としてできることは何か、常々考えていたと社長の近藤は言います。

近藤
「明交運輸協同組合も、複数のタクシー会社で組合をつくり、配車業務とタクシーチケットの2つの事業を行っていましたが、組合の経営が厳しさを増す中で、配車機能の維持と組合の新しい展開を模索していました。何十年も組合で共同で配車を行っている中、再び各社で配車室をつくり直すのはかなり難しいことです。組合と同じような形を残したまま、もっと身軽に配車室の統合が再現できれば、タクシー会社としてはすごく楽になります。電脳交通ならば、システムだけを入れ替え、既存の組合の仕組みや営業の流れを維持しながらコストダウンを実現でき、更に導入事業者を増やしエリアを広げることもできると考えました。電脳交通は、タクシー業界の生き残りや維持や生存のため、事業者が止めようとするものを電脳交通がうまく受け取れるなら受け取り残したいという考えです。できるからやる、やりたいからやるではなく、そのイシューに価値があるかどうかを大切にしています。その意味で、今回の話は電脳交通の特色が強く出ている組み合わせだと思い、取り組むことに決めました」

協同無線組合の配車業務をそのまま譲り受け、配車センターの再構築と業務効率化に臨む、電脳交通として初めての取り組みがこうして立ち上がります。

画像2

協同組合のメンバーが直面した不安

協同組合で実際に配車業務を担当するオペレーターは、組合から電脳交通に業務が引き継がれることに対し、最初は大きな不安を覚えたと言います。実際にこれを機に職場を離れた方もいます。明交の組合から電脳交通に転籍したオペレーターのひとり、木村悦子に当時の想いについて話を聞きました。

木村
「明交運輸協同組合で配車オペレーターとして働き始めたのは1年半程前です。組合の存続が難しいという中で、既存のタクシー事業者が新しく配車室をつくるという話と、電脳交通が参画して維持するという2つの話がありました。配車室自体が無くなる可能性、残ったとしても仕事のやり方等が大きく変わってしまう可能性、そもそも母体が変わることでどうなっていくか分からない不安…全てあったと思います。また、電脳交通がベンチャー企業ということで、20代・30代がバリバリ働いているイメージがあり、自分たちみたいな者が入って良いのかなとも感じていました。組合のメンバー全員、最初は不安の方が大きかったのが正直なところだと思います」

画像3

組合から電脳交通に業務が引き継がれて起きた変化

木村
「私は、Webにある電脳交通の情報を片っ端から読みました。性格的に現状維持よりもこれから良くなっていく方が好きなこともあり、電脳交通には進化していくイメージがあって、最初は不安でしたが、徐々におもしろそうだなと感じるようになりました。
実際に明交から電脳交通に変わると、一言で言うと、仕事がしやすくなりました。まず、システムが慣れるととても使いやすいです。また、みんなで『いっしょに頑張ろう』というチーム感が強まり、雰囲気も良くなりました。電脳交通では、オンライン上で情報を共有・シェアすることができます。今までは紙で管理していて共有・シェアも難しければ、問題に対して『言っても変わらない』と考え黙っておくこともありました。電脳交通では、意見を出せば通ることもありますし、システムもオペレーションも日々改善され、ひとつひとつ業務に進捗があることに感動があります。徳島の方の仕事の風景も、オンラインですが見ることができ、協力しながら取り組んでいることが分かります。今までは同じ勤務時間帯でも交流が多くありませんでしたが、電脳ではもっとできることがないか探したり、他の勤務時間帯の人とも関わりながら仕事がしたいと感じたり、そういう変化は本当に大きいです。変化を楽しめる人には向いていると思いますね。
また何より、いっしょに頑張ろうという想いで、元々明交の組合にいたオペレーターの半分が残ってくれたことも大きいです。配車業務は初めての方にはやはり難しく、業務が分かる人が「いっしょにやろう」というモチベーションを高く持てたことが良かったと思います。
あと余談ですが、今までは自分の子どもたちに『安定した大企業が良い』と親として思っていましたが、電脳交通のメンバーの働き方を見たり、実際に働いてみたりして、大変な中でも楽しめる、やりたいと思える仕事があると気づくことができました。子どもが、本当にやりたいことがあるのであれば反対できないと思うようになりましたね。これはベンチャー企業の中でも特に電脳交通だからだと思います。電脳交通の経営陣が発信する情報は、世の中の情勢やタクシー事業者の現状等まで広く見据えられていて、勢いだけの企業ではないと感じています。本当に電脳交通で働けて良かったと思っています」

画像4

業務の譲り受けに最前線で取り組む電脳交通社員の想い

実際に明交運輸協同組合から配車業務を譲り受けるに当たっては、様々な調整が必要でした。北九州の現地に入り、オンボーディングから明交のメンバーとの面談や調整に新しいオペレーションの構築まで、最前線で取り組んでいるのが配車センターの小栗美穂です。小栗に、どういう想いを持って今回のプロジェクトに取り組んでいるか、話を聞きました。

小栗
「最初に話を聞いたときは、自分が電脳交通に最も貢献できることだと思い、挑戦を決意しました。実際に業務に取り組んでみて、まず組合から、タクシー業界への理解がある方々が電脳交通に残ってくださったことは大きかったと感じています。配車センターとしてももちろん、事業者様やドライバーにとっても大きな負担をかけずに済んだのではないかなと。
最も試行錯誤しているのは、『電脳交通の文化をどう伝えていくか』ですね。同じ組織の一員になったとは言え、最初は明交の方々から『電脳“さん”』と呼ばれてしまうこともありました。その中で、同じ絵を描いて走っていくための共通認識・目的意識・当事者意識を持てるよう今も模索しています。例えば、電脳交通には3つのバリュー(※)があり、私はそれがとても好きで大切にしていますし、電脳交通全体でも大切にされている価値観だと感じています。ひとりひとりの仕事やひとつひとつの配車業務にも現れているものだと思います。これを北九州のメンバーにももっと浸透させていきたいです。徳島・岡山・東京のメンバーの姿勢や空気感を、どう北九州にも伝えていけるかが大事だと感じています。
また個人的な話で言うと、今まで携わった配車センターの業務だけでなく、採用・労務・研修等にも携わり、点だったことが線でつながった感じがしています。採用に携わったことでひとりひとりの人生に深く向き合うことの大切さや責任の大きさも感じましたし、北九州の配車センター全体としてのより良い仕組みづくりに挑戦していきたいと考えるようになりました。北九州で取り組む仕組みづくりや文化づくりが、電脳交通として次に他の地域に展開する際の財産になって、電脳交通の配車センターが更に広がり、より豊かになればうれしいですね。電脳交通全体の推進力を強くする一助になれればと思っています」

画像5

タクシー事業者の既存の仕組みを、持続可能なものへ

協同組合の配車業務をタクシー事業者様や協同組合の既存の仕組みやメンバーを残しながら譲り受ける、という新しい形で配車業務の効率化・高度化が実現できる可能性を感じた近藤は、電脳交通としてできる課題解決をこれからも更に増やしていきたいという想いを持っています。

近藤
「タクシー事業者各社ごとの課題を解決するところから始まった電脳交通が、次は協同組合というコミュニティの課題解決をするフェーズになったということだと思います。タクシー業界は100年間いろいろな仕組みで営業を行ってきましたが、より多くのものにフィットしながら、既存の仕組みを持続可能なものに変えることができると思っています。組織によって合理化していたはずの組合を、解散して非効率の方に戻していくことは、会社として難しいはずです。より高度に合理化していくという形で、電脳交通ができることは多いと思っています」


(※)電脳交通のバリュー

■Think & Act -考えて、動こう-
今に満足せず、常に考え抜き、新しい行動に挑戦します。
■Commit & Grit -責任を持って、やり切ろう-
思考と行動に強い当事者意識と覚悟を持ち、最後までやり切ります。
■Give & Glad -与えて、喜びあおう-
相手に寄り添い、与えることに喜びを感じ、チーム電脳で高めあいます。

チーム電脳は、
共に働く仲間、地域、交通に関わるすべての人のために、
3つの価値基準を大切に行動していきます。

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?