見出し画像

ケムンパスと方言”やんす”について

赤塚不二夫先生のマンガ『もーれつ ア太郎』には、人外じんがいの”濃い目のキャラクター”たちが登場します。一番有名なのは、人語を話す猫のニャロメです。ニャロメの名前は、会話の最後に付ける語尾”○○ニャロメ”から来ています。ひょっとするとポケモンのニャースは、ニャロメをリスペクトしたキャラなのかもしれません。その他には、人間&タヌキの様なココロノボスや、毛虫のケムンパスや蛙のベシがいます。

これらのキャラクターで共通しているのは、語尾が常に同じという事です。ココロノボスは「○○だココロ」といいますし、ベシは「○○だベシ」と名前の一部が会話の語尾になっています。ケムンパスだけは「○○でやんす」が決まり文句です。

子供の頃から、この”やんす”が気になっていました。どこかの方言なのでしょうが、どこで使われているのか小学生の私には知るすべがありませんでした。ところが、ここに来て急展開です。先程ちらっと見たNHKの番組で、岩手県盛岡市の高齢の男性が”やんす”を使っていたのです。そのとき、急に「ケムンパスでやんす」と言うセリフが頭に浮かんできました。

”やんす”は盛岡でも話されているようですが、元々は滋賀の方言だそうで、今でも高齢者は使っているようです。また、”やんす”は”ありんす”のように、遊女言葉として大阪の遊郭で使われていたそうです。”やんす”は元々は関西方言ですが、江戸中期には江戸方言にも取り入れられ、使われ始めたようです。

今ではあまり使われていませんが・・・、”やんす”は関西、関東以外にも全国的に広がりをみせていました。大阪は昔から商業都市です。ひょっとすると大阪の遊女言葉が気に入った全国の商人たちから、”やんす”が日本中に広まったのかもしれません。

今日は、ここまでにするでやんす。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?