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予定調和はつまらない!?

“予定調和”というのは元々は哲学用語で、”神があらかじめ定めていた調和によって世界の秩序が整っている”という原理を表します。ただし現代では、哲学用語というより、そこから派生した意味で使われることがほとんどです。

一般的によく使われる予定調和の意味は、「一時期イレギュラーなことが起こっても、最終的には全体として調和がとれた状態におさまること」、または「そうしたありふれた展開が予想できてしまうような状態」を指します。予定調和に似た言葉には、“お決まり” 、“想定内” 、和製英語の“ノーサプライズ”といった言葉があげられます。また、予定調和の対義語はありませんが、対の要素が含まれている言葉には、”想定外”があります。

元々の哲学用語の予定調和にはネガティブな意味はありませんが、普段使われている予定調和には「どうせ、そうなるんでしょ!」みたいな、ネガティブな意味が含まれる場合があります。

『水戸黄門』のような勧善懲悪な時代劇では、ストーリーが”お決まり”で、主人公のピンチが少しだけありますが、悪代官と悪徳商人が最後には成敗されます。印籠を見せつける最後のシーンは、まさに予定調和です。テレビドラマの予定調和はマンネリにつながるので、普通は避けるのですが、何十年と続く長寿番組では”偉大なマンネリ”となって、価値が出てきます。まさに「継続は力なり」なのです。

ところで黄門こうもんとは何を意味しているか知っていますか?。黄門は、朝廷の官職である中納言ちゅうなごんを引退した人が名乗れる名前です。なので、”黄門さま”は一人だけではありません。ドラマの中でも、「・・・このお方を誰と心得る!。先の中納言、水戸光圀みつくに公にあらせられるぞ!。頭が高い、控えおろう!」のようなセリフが出てきます。”さきの中納言”というのは、元・中納言という意味です。

また、太閤たいこうは関白を引退した人が名乗れる名前です。有名な太閤秀吉は、もと関白だったのでこのように名乗れるわけです。

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