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オジサンのための現代用語#22 ギャップ萌え

オジサンには、”ギャップ萌え”の説明の前に、”萌え”についての説明が必要かもしれません。本来の”萌え”の意味は発芽や芽吹きですが、サブカルチャーの世界では違う意味で使われています。えとは、主にアニメ・ゲーム・アイドルなどにおけるキャラクター・人物などへの強い愛着や情熱などの気持ちをいう俗語スラングです。その意味についての明確な定義はありませんが、”萌え”の対象に対して抱くさまざまな好意の感情を表すようです。

”萌え”は、キャラクター・人物の特徴に使われることも多く、例えば”眼鏡萌え”や”メイド萌え”のように使われます。ギャップ萌えとは、あるキャラクターや人物が持っているある要素と、別の要素とのギャップ(ずれ・齟齬そご)があるときに生じる”萌え”です。最もわかりやすいのは、「外見と内面、印象と実態のギャップ」です。人は、その人の持っていたイメージを覆すギャップを感じた時、異性/同性に対して、ギャップそのものに魅力を感じることがあります。

年を取ってから、朝早くに目が覚めてしまいます。今日も日曜日だというのに、朝6時には目が覚めました。いつものように、テレビを点けてNHKを見ると、『雲霧仁左衛門3』の再放送をやっていました。以前、時代劇について記事を書いたことがあって、雲霧仁左衛門役の中井貴一さんがカッコイイと書きました。

中井さんはほぼ私と同世代で、『ふぞろいの林檎たち』で見せた純朴な若者役の頃から、中井さんを見てきました。デビュー当時の中井さんは、”良い人”役が多くて、少し物足りない感じでした。しかし今では、良い人役から悪役寄りの主人公までこなせる重厚な役者さんになりました。私はNHKでは、『サラメシ』という番組が好きなのですが、その中で中井貴一さんはナレーションを担当しています。このときの中井さんは、軽妙かつ洒脱な語り口で、視聴者を楽しませてくれます。

これぞまさしく”ギャップ萌え”です。オジサンがオジサンに対してギャップ萌えするのは少しキモイかもしれませんが、目で語る”無口で抑えた演技”と、口で語る”軽妙なトーク”のギャップがたまりません。

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