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【NYM】速報:Mets開幕

旧約聖書に『ヨブ記』という書物があります。神に信仰心を試され、何も悪いことをしていないのにも関わらず、様々な苦難(神の裁き)を受ける男性の話です。
New York Mets のファンであれば、というか野球ファンであれば誰しも、この伝説について知ることにより、自らに与えられた苦痛(例: 大エースの故障)と向き合った先達がいることに気付けるでしょう。

Another year, another mess

現地 5/13 に Citi Fieldで開催された Mariners には、Japan Heritage Night という名前が付けられていました。この試合で予定されていた在ニューヨーク日本国領事館の森美樹夫総領事の始球式が無視されるという事件が起きました。Mets ファンであればこのような野球の試合と無関係なトラブルには耐性があると思いますが、今回は国際交流を祝福する場であり、その主賓を辱めたとあって笑いごとで済む話ではなくなっています。

謝罪のプレスリリース

誰も言い出せない雰囲気を作った段取りのまずさ、公式謝罪の遅さ、無視の実行犯 Scherzer のノーコメントと、球団として問題を軽視する姿勢が垣間見えます。筆者のような日本のファンは(たとえ差別的意図がなかったとしても)一層複雑な思いを抱くことになります。選手が犯罪行為や差別発言を行った、などでファンが素直に応援できず苦しい思いをすることは時々起きていますが、それが球団となると、いやはや…

損傷拡大:先発ローテーション

開幕からの好投から一転し、5/11のNats戦で打ち込まれた後に上腕の故障が判明した Tylor Megill 。彼に続き Max Scherzer が斜腹筋の故障で離脱しました。この故障は復帰に 6-8 週間を要するものと見込まれています。これで、当初の見込み通り開幕1月少々でMLB最強の2枚看板 deGrom と Scherzer が離脱したことになります。

前段の不祥事を含め、ようやく Mets の2022シーズンが本格的に開幕したといえるのではないでしょうか?

ところで、斜腹筋の損傷 (oblique strain) は大スター David Wright を苦しめ引退に追い込んだ原因の1つでした。この故障はこれまで非常に頑丈であった Scherzer のキャリアにダメージを与えるかもしれません。

さしあたっての代役は Trevor Williams になっていますが、AAA降格後11イニング無失点を続けていた David Peterson もチームに合流しました。

実は見るべきところのあるWilliamsのStatcast;Barrelと四球の少なさが特に光る。

それでも暗くはない2022シーズン

冒頭に「神の裁き」について書きましたが、実のところ今年のシーズンはまだまだそう言えるほどの苦難をもたらしているとは言えません。むしろ、鬱憤を振り払う Pete Alonso の大ホームランによるサヨナラ勝ちをはじめ、Jeff McNeil や Brandon Nimmo、Mark Cannha などの中軸の好調による気持ちの良い勝利を積み重ねています。

裁きか恵みか―――賽は投げられたるべし。もとより、ファンにできることは、一度決めたチームの応援を粛々と続けることくらいなのです。

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