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新規事業と新卒育成。二足のわらじを履く若手デザイナー、リモート時代の挑戦

みなさん、こんにちは🙋‍♀️
DeNAデザイン本部です。

DeNAの開発・制作現場で活躍しているデザイナーのキャリアや働き方をご紹介するインタビュー企画 「Designer’s Career Crunch」。第4回目に登場するのは、デザイナーの松岡苑子さんです。松岡さんは大学でプロダクトデザインを勉強し、2017年度の新卒としてDeNAに入社しました。マーケティングデザイン業務を経験した後、Mobility Technologiesへ出向し、タクシーアプリ『GO』やタクシーデリバリーアプリ『GO Dine』のUI/UXデザインを担当。さらに2021年度から新卒デザイナーの育成チームのオーナーに抜擢されました。今回はサービス開発と新卒育成、大きくふたつの軸でのお話を聞いてみます。

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<松岡苑子 プロフィール>
2017年DeNA新卒入社。入社後は、ゲーム・オートモーティブ・コーポレート領域のプロモーション・ブランディングに関するデザインを担当。2019年からタクシー配車アプリ『GO』でユーザーアプリや後部座席タブレットのデザインを担当。2020年からMobility Technologiesに出向し、現在はタクシーデリバリーアプリ『GO Dine』でユーザーアプリのデザインを担当。
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現場目線、本気の意見をもらえたインターン

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ーー 松岡さんは新卒入社されていますが、学生時代は何を勉強されていましたか?

大学ではデザイン工学部、プロダクトデザイン専攻でした。学生時代は工業デザインを中心に勉強していて、家電や家具、パッケージなどのデザインをしていました。当時から課題解決思考が強くて、リサーチから課題を抽出してプロダクトを作るスタイルでした。

学生時代は大学だけではなく、シンガポールや韓国など海外のワークショップに参加することも多かったです。参加者とディスカッションしながら作る”Project Based Learning(PBL)”と呼ばれるものですね。英語はそんなに得意ではないのですが、デザイン分野での共通言語を活かしながらなんとかコミュニケーションをとって作りました。たとえ文化も環境も違うメンバーであっても良いものはできるし、「意見をぶつけ合いながらひとつのものを作り上げることは楽しい!」と思うきっかけになりました。

ーー もともとはプロダクトデザイン志望だったのに、なぜDeNAに入社されたのでしょうか?

最初はメーカーの企画や設計職を受けることも検討していたのですが、そういう会社のインターンに参加したときに自分がやりたいこととは違うと感じて。自分がやりたかったのはプロダクトそのものを作ることだけでなく、作ったものをより多くの人に知ってもらうために「伝える」ことまでやりたいのだと気づいたんです。課題などでもCADやモックも頑張って作るけど、大切だと思っていたのがプレゼン用の資料やポスターでした。「伝える」という軸で就職活動を考え直して、広告や出版、IT企業も受けてみることにしました。

「DeNAがいいな」と思ったきっかけは、選考中に参加したインターンでした。アプリを作ってプロトタイプを発表するという課題で、作ってる途中にデザイナーの先輩方に共有してフィードバックをもらうんです。先輩方からのフィードバックは現場視点で、学生相手だからと甘くされるわけではなくちゃんと一緒にものを作る仲間として扱ってもらえたことが印象深かったです。プロ意識が高い方が多く「この中で働きたい」と思い、DeNAに入社を決めました。

1サービスに複数のアプリ! 新規事業開発への挑戦

ーー 入社してから最初は何を担当されましたか?

入社後はマーケティングデザイン部に配属されました。組織の仕組み的には、新卒入社したデザイナーは、サービスデザイン部に配属されるパターンが多かったように思いますが、私が「もっとグラフィックデザインの力を鍛えたいです」と希望して、変えてもらったんです。せっかく良い体験を考えても、うまくビジュアルデザインに落とし込めないと感じていたので。マーケティングデザイン部では、新卒が配属される予定はなかったんですが、メンターさんと一緒にグラフィック力が必要なデザイン業務を引き受けさせてもらえるようにお願いしに行きました……!
 
制作物はマーケティングやブランディングに関わるデザイン全般です。ゲーム系のWebサイトやコーポレートの採用サイト、他の企業と協業で作ってるサービスの紹介サイトやアプリも制作しました。印刷物だとチラシ、車両ラッピングもやりましたね。ひとつの案件は1週間から長くても1、2ヶ月で、次々と全く違うものを作っていて、飽きる暇もありませんでした。ここでしっかり”表現力”を身につけられたのがすごく良かったです。

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小学校低学年から使えるプログラミングアプリ『プログラミングゼミ』
の販促物

そして、入社2年目のはじめに新卒MVPとして社長賞を受賞しました。それまで社長賞はデザイナーには縁遠いと思っていたので、本当に驚きました。会社がデザインを重要視していることや評価してくれていることに、デザイン本部の先輩方も喜んでくれて、それがまた嬉しかったです。

ーー サービスデザイン部ではどんなお仕事をされていますか?

サービスデザイン部に異動になってからは、Mobility Technologiesのタクシーアプリ『GO』の担当になりました。以前は『MOV』という名称でDeNAが提供していたサービスですが、現在はMobility Technologiesにて『GO』となり、その後も変わらずデザインを担当してます。

Mobility Technologiesが掲げる「移動で人を幸せに。」というミッションに共感し、自ら希望してGOの担当になりました。人々の生活の中では、移動した先に幸せや日常があると思うんです。私達が作ってるのは、移動そのものじゃなくて、その先の幸せなんだなと普段から感じていたので、やってみたいと思いました。また、20代女性はタクシーを使う人が少ないらしく、その属性の自分が当事者として使いやすいものを作りたいという思いもありました。

最近は、GOから派生した新規事業、タクシーデリバリーアプリ『GO Dine(ゴー ダイン)』にUI/UXデザイナーとして立ち上げから携わっています。これはお客様に、コロナ禍でも記念日など特別な日であれば、おいしい料理と一緒にご自宅で安心して過ごしてほしいという思いと、コロナで打撃を受けたレストランやパティスリーを少しでも助けられればと始まったサービスです。タクシーでのお届けは接触を抑えられ、タクシードライバーによって丁寧な運搬とサポートが可能です。

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タクシーデリバリーアプリ『GO Dine』UIデザイン

実は『GO Dine』には、レストラン向け、タクシー向け、ユーザー向けなど複数のアプリがあります。

最初の全体ブランディング検討時には、さまざまな方向からアイデアが出る中、GOのリードデザイナーを担当している先輩が、みんなの意見をまとめてプロジェクトを進行してくださって、無事にリリースに至りました。チームやプロジェクトをまとめて引っ張ることは、今の私にはまだできないのですが、先輩の活躍する姿を見て、いつか私もこんな仕事ができるようになりたいと思いました。

ーー アプリのデザインには、どんなこだわりがありますか?

『GO Dine』が通常のデリバリーサービスと違うところは、「配達にタクシーを使っていること」。また、出前サービスと違い、レストランへの予約を数日前にして、指定したお届け日時まで”待ち時間”が発生するんです。なので、お届け当日にタクシー側にもユーザー側にも、コミュニケーションのズレが生じないように、体験設計にはこだわっています。例えば、タクシーの停め場所や受取方法の指定、お届け当日はアプリでタクシーの現在地や到着予定時刻の表示するなど、現在随時改善中です。「あの星付きの銘店や 話題の人気店の できたてのご馳走が家まで届く」というコンセプトに合わせて、受け渡しの体験もスムーズであることが重要だと思っています。

入社5年目、新卒デザイナー育成チームのオーナーに

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ーー デザイン業務とは別軸のお仕事として、新卒の育成にも携わっている松岡さん。それはどのように行っていますか?

デザイン本部の新卒育成チームのオーナーに任命されました。「まさか自分が」という感じですが……!

主に新卒デザイナー2名の成長や生活をサポートする役割ですね。新卒と言っても2人とも優秀なので、育成というより本人たちの力を最大限に引き出せるようにサポートするという感覚です。部長陣と配属先を検討したり、デザイン研修を実施したり、カリキュラムの内容を考えたりしています。新入社員はバックグラウンドが様々で、ひとりひとりのスキルが異なります。なので、まずは研修で基礎レベルを合わせるようにしたいと考え、実施に至りました。育成プロジェクトは今年初めての試みなので、色々試行錯誤をしています。

ーー 現在はほぼリモートワークですが、難しいと感じることはありますか?

新卒の方は「これで大丈夫だろうか」と心配に思うことがあるようです。メンターに気づいてもらえてなかったり、すれ違いがあるかもと感じたり、リモートだからこそ感じる不安なんだと思います。

なので、こちらでは意識的に”できてないところ”だけではなく、”できているところ”もフィードバックや振り返りをするようにしています。チューター側からも状況を詳しく聞いて、1on1で伝えています。

あとはオフィスにいないと普段関わりのない人と話す機会が本当に少ないので、定期的に行っている雑談会にはいろんな先輩を招いて、それぞれの業務を紹介してもらっています。新卒の方にもできるだけたくさんの人に会って欲しいんです。

そんな風にしばらく育成担当をしているのですが、新卒のふたりとは良い関係性が築けていると思います。親睦を深めるためにプライベートで一緒に出かけたり遊んだりもしています。

生活に溶け込む「あたりまえ」をデザインしたい

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ーー 松岡さんはDeNAに新卒入社されてもうすぐ5年経ちますが、会社の好きなところは?

いろいろありますが、DeNAで働いている人たちが特に好きです。それはインターンのときからそうですね。プロ意識が高くて尊敬できる人が多いので。みなさん経歴も幅広くて、とても刺激的です。デザイナーに限らず、本当に尊敬できる人ばかりなんです。そんな人たちと意見を出し合いながらものづくりをすると、良い化学反応が起きて、さらにおもしろくなる。企業ならではの楽しさだと思っています。

ーー 特に印象に残っているエピソードはありますか?

私が初めてアプリをまるっと制作した『日比谷音楽祭』の時のことは強く印象に残っています。スケジュールがタイトだったんですが、急遽アプリを作ることになりました。みんなで徹夜で作業した日もあって……。今思うと、ちょっと青春っぽい感じでした。(笑)

05_日比谷音楽祭

フリーで誰もが参加できる、ボーダーレスな音楽祭『日比谷音楽祭』
のUIデザイン

イベント当日、移動中に先に着いている先輩から「みんな使ってくれているよ!」と会場でアプリを使ってくれている方の写真が送られてきて。その時は電車の中で泣きました。すごく嬉しくって……!

もうひとつは版権系ゲームで定期的に配信されている壁紙のデザインを初めて担当したとき。毎月先輩が作っていたものを、私が作ることになって。ファンが多いタイトルだったので、期待に応えられるか心配だったのですが、SNSに「今回の壁紙も良い!」という感想があって安心しました。エンタメ系はユーザーのリアクションがすぐにわかるので面白いですね。

ーー 働いていて、「DeNAだからこそできる」と感じることはなんですか?

自分の意思や意見がデザインに反映できるところです。とにかく個人の裁量が大きいと思います。自分で判断しなきゃいけないことがすごく多くて、デザインでもそれ以外でも。

そのせいか自主性が高い人が多いと思いますね。「まかせる文化」が定着しているというか。それぞれに決定権があるので、それがやりがいに繋がっていると思います。

その分発言に対して責任が生じますが、心理的安全性が保たれているので「言っても大丈夫かな……」と迷うようなことも少ないです。無駄なことを考えるために時間を割かなくていいので、効率的だと感じています。

ーー 最後に、松岡さんのこれからの目標を教えてください。

常に「当たり前」を作っていきたいと思っています。便利だけど、気づかれないくらい生活の一部に溶け込んでいくようなものをデザインしたいです。

今後はさらに領域にとらわれない挑戦もしていきたいです。実はチームの異動が決まっていて、次はライブコミュニケーションサービス『Pococha』のデザイナーになる予定です。いままでやってきたサービスとは違うエンタメ領域になるので、想像もしないような新たなチャレンジがあるのではないかと思い、楽しみです!

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