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泉自然公園と「バー神様」

千葉市の郊外にある泉自然公園は起伏のある谷津の地形を最大限に生かした広大な敷地で、駐車場400円を払えば日なが一日ゆったりと過ごせる市立の公園だ。四季折々の草木や野鳥の姿が楽しめ、ランチ持参で行くもよし日替わりで出店されるキッチンカーを楽しみに行くのもいい。猛暑で今年の色づきは今ひとつと各地でいわれるなか、それでも師走の前の目の保養と何年かぶりで訪れる。

公園のシンボルともいえる赤い大吊橋を渡って公園の森の中へ。樹々に見下ろされながら歩くのはいいものだ、というのは病後ようやくわかったこと。冬の陽を浴びながら舞い落ちる枯れ葉が美しい。バベルの塔の下ではこうはいかない。

11月最後の日。よく晴れて風もおだやか。妻はカワセミを発見。凡夫は黙っていても見つけられるオシドリ(多分)の集団をぼんやり眺める。
案内マップによると真紅の紅葉は「カラコギカエデ」というらしい。他にも園内にはエンコウカエデ、オオモミジ、紅葉の定番イロハモミジ、メグスリノキ、ハナノキなどがある。一口にカエデ、モミジといってもその見分けには熟練を要する。

草原と呼ばれる芝生広場がある。冬陽を浴びながらみなそれぞれの昼下がりだ。空腹に耐えかねて入場早々に日陰のテーブルベンチでランチを済ませてしまった我々は「なぜここまで我慢しなかったのか」と少しだけ後悔する。

園内には1500本の桜があり「さくら名所100選」に選ばれている。
「ヤマザクラ」の苗木と看板にある。こういう実がなるのか!と新たな発見に少し感動している64歳の何も知らないおっさん。

草木や鳥に詳しい知人が同行しているので、目に入るものすべてになるほど命があることを再認識させられる。鳥たちの一瞬の姿も見逃さず教えてくれるのだが、まったく見つけることができなかった。

発見といえば、駐車場の真ん中には古木を従えて小さな祠が建てられている。横の看板を読むと、この祠は「バー神様」というらしい。バー神様って何?

バー神様。賽銭箱に貼られた紙を見ると「風邪の神様ですが神に
悪さをする人にはとても怖いそうです」とある。・・・・・・
・・・とあるのだが、由来も何もわからない。

ためしにちょっとググってみるとなんと千葉市のHPに記載があった。

駐車場の奥に榎の巨木があり、この根元に「バー神様」がある。地元の古老の話によると、以前は2つの祠があったといい、風邪の神様と疱瘡の神様であったという。現在は1つの祠しかないが、ここに住んでいた家が野呂の街中に移転したときにもう一つの祠を持って行ったという。

千葉市HP「泉自然公園の史跡」

ずいぶん心許ない由緒だなあ。というかサラリとスルーしているが、どうして「バー神様」なのだ?不信心者は松山ケンイチと染谷将太がホストの「聖☆おにいさん」バーなんかがあるのかと思ってしまうのだが、どなたか知っている人はいないでしょうか。


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