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オンラインワークショップに共創の余白とあそびをもたせる〜miro×slack×padletを活用したプラットフォーム 〜

現在進行中の、共創型ビジュアルプラクティショナー養成プログラムでは、オンラインホワイトボードサービスのmiroslack、padletを活用して、学びのアーカイブ、学びのプラットフォームづくりに挑戦しています。

今年は、コロナ禍の中、オンラインワークショップのプロジェクトの伴走やコーディネートの機会が増えました。3,4ヶ月の伴走から長いと10ヶ月や3年、期限なしのものも。
わたし自身参加者側で参加することもありますが、複数回にわたる連続したワークショップ、リアルに会えない中で、モチベーションを保ったり、息苦しくなったりしないようにする、ちょっとした仕掛けって本当に大事!と感じませんか。一方で、日々の日常と並行して進むオンラインのプロジェクトは、価値観の異なるメンバーが足並みを揃えるのは難しいし、足並みを揃える必要もないんじゃないかと感じています。どちらかとうと、足並みも歩幅も歩むスピードも違う一人ひとりが、帰る場所を共有する感覚に近いのかもしれないな、なんて最近は考えています。

「オンラインワークショップに共創の余白とあそびをもたせる」などと、大それたタイトルをつけてしまいましたが・・・!1回1回、同じ場はないですし、参加者によって場は変化するので、計画したとおりにいくことはほとんどないので、毎回の実践でのノウハウや知見を生かして次に繋げていく連続。というのが正直な現状。

オンラインワークショップの実施が増える中で、私たちも月に何回ものオンラインワークショップを実施するようになり、チームで共創しながら事前に入念なプロセスデザインを設計したり、それでも起きる予測不能自体にも即興でそれを活かしたりしながら、ようやく楽しいと思えるようになってきました!

オンラインツールを活用した場づくりを得意とする対話支援ファシリテーターの玄道優子さんからいつもヒントをいただいています!

グラフィックハーベストで必要なコンテンツやコンテクストを収穫し、次に繋げる

対面の時にもハーベストといって、研修や、合宿など、比較的長期間に及ぶ学びの場、会議の際、"終わった時に、どのようなコンテンツ、コンテクスト(目に見えるもの ex.事実など、目に見えないもの ex.感情や熱量等)が残っていると、次への一歩が踏み出せるか/参加者の学びをさらに促進させられるか"を、"開始前に設計"します。それは、グラフィックのときもあれば、写真や文字、映像等、多岐にわたります。

特に、オンラインでは、リンクをクリックするだけで非日常(研修や会議、ワークショップ)などに入れてしまうので、非日常から日常にもすぐ戻れて、得たことを忘れてしまったり、日常の忙しさに学びが置いてけぼりになったりする!!と感じる人も多いのではないでしょうか。

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そんな時、ここまでの学びが一箇所に集合知として集められていたり参加者が自由につくれる余白があることで、自己組織化されて企画が立ち上がり、それが見える化されている仕組みとして、オンラインホワイトボードやコミュニケーションツールが力を発揮するな、と感じています。

スタート地点も違うし、学びたいことも違う人が、それぞれ自分が学びたいことを持ち帰る仕組み

多様な人が共に学ぶ場では、スタート地点も違うし、学びたいことも違うし、そもそも、ゴールも違う。この言葉は、尊敬する牧原ゆりえさんからの言葉を私なりに解釈したもので、とても好きなフレーズです。さらに言うと、人によって閃くタイミング、腹落ちするタイミングも異なってきます。

その中で、日常と並行で走るプログラムだからこそ起きるしんどさや突きつけられることもある。学んだ瞬間に腹落ちする人は少数で、1週間後、1ヶ月後、人によっては、プログラムが終わった後や数年後に「はっ」と気づく瞬間があるかもしれません。極端な話、講座を休んだとして、その間一人で過ごす時間、講座に思いを馳せて自分と向き合う時間に一番気づきが生まれる方もいるかもしれない。誰かの一言でハッとするかもしれない。批判的思考で物事を捉える人は、自分の価値観の枠の外の出来事に対して一通り批判的思考を巡らせてから受け取る方が安心できるかもしれない。

そんな時に、後々になって、「あれ?あの時、何学んだっけ?」「何にもやもやしたんだっけ?」「忘れた・・・」は、とてももったいない。

miroとslack、Padletの活用

slack・・・普段のコミュニケーション
オーガナイズチームとのやりとりや、受講生同士のやりとり、講座の案内や、受講生からの企画立ち上げ、オーガナイズチームへの質問や、日程調整等に活用
miro・・・学びのアーカイブ/プログラム終了後にも手元に残っているとうれしい情報を残してい
講座の動画配信やPPTの共有だけでなく、受講生同士の対話のグラフィックや、受講生から発案ではじまった企画の議論/記録、何でも掲示板を残す場として活用 
Padlet・・・自身の変化の記録を後から見返せる場
各講座のチェックインやチェックアウト、個人のグラフィックを残し、変化を定点観測する場として活用

▼ツールの概要について詳しく知りたい方はこちらがおすすめ

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▼miroについて詳しく知りたい方はこちらがおすすめ
グラグリッド編集部の三澤さんとアラワスのせきこさんがとってもわかりやすくまとめてくださっています^^


オンラインホワイトボード miroを活用!

仕事でプライベートで、たくさんオンラインワークショップの機会に触れている中で、今回のプログラムで、オンラインホワイトボードサービスのmiroをメインボードとして活用しています。

参加者全員が編集できて、一緒につくりあげていく余白をたくさん残したデザインにこだわっています。現在も進化中。その時その時の学びや気づきを流れていかないようにここ蓄積していきます。

プログラムが終わった時に、どんな情報や気付きが残っていると、プログラムが終わった後にも、一人ひとりが歩んでいくための道標になるか起きてほしい変化を自ら起こすために必要な情報や気づきを初めから検討して、プログラム開始時からハーベストすることをある程度設計して作成しています。

必要な情報を視覚的にも一箇所に集めたmiro

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▲miroの様子 2020.9.5時点(プログラム開始時)

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▲miroの様子 2020.10.1時点 ー

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▲miroの様子 2020.11.1時点 ー(2020.11.5更新)


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▲講座終了後は、毎回そのときの動画や、講座でのみなさんのグラフィックハーベストをアーカイブして、後から、必要なときに、自分のタイミングでいつでも見返せるようにしています。

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▲講座が始まる前に「プログラム受講のきっかけ」や「どんな期待をしていたか」「何を学びたいか」、一人ひとりの期待や思いをグラフィックにして残しています。それぞれ学びたいことがバラバラな一人ひとりが「自分に必要な学びを自分自身で持ち帰れる」しかけの一つ。

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▲例:
受講メンバーが自らつくってはじまっている書籍の紹介コーナー。この他にも、「教育」に関して深めるグループが立ち上がったり、キャリアコンサルの資格を持っているメンバーが、1on1をするよ!と企画してくれたり、自ら主体的に関わり、予想もしていなかったようなワクワクする企画を始めてくださっています。

slackで普段のコミュニケーション

Slackは、アメリカのSlack Technology社が開発し運営しているSaaS型のビジネスチャットツールです。元々はGlitchというゲームの映像配信サービスを開発スタッフたちが社内のコミュニケーション用に作ったツールでしたが、これを商用化したのがSlackです。

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(画像出典:slackのwebサイト)


padletで一人ひとりの変化の軌跡を定点観測したり、各回の情報のアーカイブを作成

現在オープンに使用しているのがこちらなので、ご紹介。簡単にカラムを追加できて、手間をかけすぎずに情報をアーカイブできる機能。下記は、北大コンパスプロジェクトのものですが、学びのプログラム内では、一人一列をお渡しして、自分の毎回の気づきや生まれてきた問い、その日の作品などを残していきます。


いい塩梅の逃げ道や休憩所、もやもやを吐き出せる保健室

長丁場の中で、いい塩梅の逃げ道や、休憩所もやもやを吐き出せる場所振り返りができる仕組み終わった後にもじわじわと気づき続けられるしかけが大切だと思っています。「保健室」の名付け親は、メンバーの一人、鈴木耕平。立ち上げ当初に提案してくれたものですが、雑談やちょっとした質問がしにくい仕組みになっているオンラインで、ほどよい余白をつくってくれる可能性があって期待しています。

こんな風に考えるのは、おせっかいだなぁと自分でも思いますが、自分自身が、「ビジュアライズと真剣に向き合おう」と覚悟してからの約2年間、情緒不安定になったり、毎月のように涙を流していたり、私なんか頑張っても無駄だ。もうグラフィック辞める!と、とても辛く感じる中で、誰かの一言や、話を聴いて整理させてくれる人に救われたことが原体験にあるから。何が一人の心を動かすかわからないので、様々な仕掛けをしつつも、メンバーの主体性を信じて余白をつくる。をしています。

参加者の主体性を促す双方向オンラインワークショップの実現するために

さまざまなオンラインツールが出てきて、わくわくする一方で、そのツールを度のタイミングで活用すればいいのか悩んだり、目的に合わせた適切なツールを用いるのは実際の実践数も関わってくると思います。また、どんなに良いツールがあっても、事前のプロセスデザイン(設計)とファシリテーターのあり方が場に出るので、「場の進行役」ではなく「場をファシリテート」する存在は、とても重要。さらに言うと、オンラインワークショップが対面ワークショップと大きく違うのが、その場の勢いで進められることもある対面よりも、さらに入念な事前設計や準備、事後を見越した見立てが場の成功を左右するということ。即興性も求められるけれど、その即興やおきるであろう出来事も含めての事前設計には、実践数や、チーム力が試されると感じます。

関心のある方は、ぜひご連絡ください。

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