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新型コロナウィルスと過ごす長いマラソンがはじまった(1)〜「今」あなたの気持ちはどこにありますか?〜


新型コロナウイルスの影響を受けて、もう前の世界には戻れないこと、なんとなく実感として感じ始めた人も多いのかなと思います。私もその一人です。教育現場、ビジネス現場、医療現場、社会経済、まちづくり・・・etc

1月末頃、中国から出張の方が研修に参加できなくなり、段々と東京のパートナーさんがオンライン会議、自宅勤務に移行し始めた頃、この状況がこんな長期戦になると思いませんでした。


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今回の新型コロナウィルスとの時間は、「長いマラソンだ」と山中教授が言われました。(参考記事

今、感じているのは、いつ収束するかわからない新型コロナウィルスと過ごす生活には、マラソン大会に参加するときのような、走り方(あり方)と、走る人、応援する人、給水所に立ってる人といった立場の違いによる見え方の違いを認識すること、長く続いていく中で助け合うために、役割の交代を意識的にすること、が大切なのかな、ということ。

今回この記事では、以下の2つをめざしました。
① 今、自分がどこにいるのかを確認する
② 自分に必要な実践/練習/視点は何かを知る
▼ 目次
Ⅰ-1. はじめに
Ⅰ-2. 4Fold Practice - 4つのフレームについて
Ⅱ-1. HOST YOURSELF - 自分を整える/自分を大切にする
Ⅱ-2. BE HOSTED - 学ぶ/参加する
Ⅱ-3. HOST OTHERS - ホストする/場をつくる/迎え入れる
Ⅱ-4. CO-CREATE - 共創する
Ⅲ-1. 4つのフィルターの活用方法  〜自分の「今」を整理してみる
Ⅲ-2. テンプレートをつかって整理する

Ⅰ-1. はじめに

Beforeコロナ(コロナが世界中に広がる前)から、Withコロナ(今)、そしてAfterコロナ(コロナが終息した後)。どのように「Withコロナ」をすごしたらAfterコロナが訪れたとき、自分も社会も納得のいく状態で、心地よい自分でいられるのかな、と考えたとき。

このwith コロナという「長いマラソン」をどのように走りきったらいいのかを、今、私の持っている知恵の範囲ででもまとめておきたいな、と感じました。これまでにも何度も助けられてきたフレーム2つに助けてもらいながら文字にしてみます。

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言葉にしてしまうとなんだかずれてしまうし、文字にするのが苦手なのでグラフィックファシリテーションをしていたりするのですが、今回は、その苦手さもひっくるめて、整理してみる。をしてみたいなと思います。

●2つのフレームを使うので、2回に分けたいと思います。
(1)自分の気持ちが今どこにいるのかを知る手かがり →今回
(2)自分が何に反応しているのかを知る手がかり →次回

●このフレームを知ることでヒントを得てもらえるかもしれない人
・もう疲れちゃった。という人

・不安で不安で仕方ない。もっと海外みたいにがっちり政府がコントロールしてくれたらいいのに!といらだちを感じている方

・こんなに危機的な状態なのに!なんでわかってくれないんだ。
と、職場内の上司や同僚、教育機関であったり、周りの方に理解してもらえないことに葛藤している方

・外に出るのも怖い。子どもを守りたい。この不安や恐怖のやりどころがわからなくて、だんだん怒りに変わってきた人

・コロナの対応で忙しい!夜寝る間もない。
 え?不安な人の気持ちなんてわからないよ。という人。

・Afterコロナを意識して、新しい試みをしている方。それを周りの同じ状況の方にも進めたいと持っている方

他にも、このフレームを活用してくださる方がいるかもしれないけれど、今、思いついたのはこんなみなさんです。長くなってしまったので、移動の隙間や、少し時間ができたな、というときに気軽に読んでいただけたらな、と思い、章を目次を細かく分けています。

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●参考にしている文献:
参加型リーダーシップ、Art of Hostingの中で学んだ考え方(フレーム)と、次回ご紹介するケイオディックパスは3月21日に開催した対話の場で、恭ちゃんが話してくれたことを参考にまとめています。詳しく知りたい方は文末にリンクをはっておきますね。

Ⅰ-2. 4Fold Practice - 4つのフレームについて

みんなで何かを創る(共創する)場を生み出す、参加型リーダーシップの実践の場であるArt of HostingのDNAとも言われるのが、今回ご紹介するフレームの元となっている4Fold Practiceです。

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社会で起きている複雑な問題を一人だけで扱える優秀な人なんていないし、複雑な状況では答えを一人で見つけることはできないから。

一緒に何かを創り出すことは「みんな違う」ことから生まれるので、このフィルターで意図的に実践、練習するのはとても大事だなと感じて大切にしています。今回は、それを今のwithコロナの状況に合わせて意味付けしてみました。

では、ご紹介していきますね。


Ⅱ-1. HOST YOURSELF - 自分を整える/自分を大切にする

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こう見えて、カメの歩み(涙)でフルマラソンは何度か完走しています。
みなさんは、マラソンを走るとき、まず、何をしますか?いきなり走り出す・・・?人によっては、「えぇ、自信ありますから!」といきなり走れる人もいるのかもしれないですが、私がまずすることは、準備体操だったり、栄養バランスのとれたごはんをしっかり食べて体調管理をしたり、「自分を整える」ことです。あと、走る時にポケットに何を居れておいたら安心するかな、ということも考えます。私の場合、体力に自信がないのでプロテインの粉をポケットにいれておくと安心感が増えます。人によっては、飴とか、スプレーとかシップを持って走る人もいる。走るための体力がないと長距離を走れないし、気持ちが沈んでいる時はそれだけで走り方にも影響するので、気持ちを整えておくのも大切なこと。

4Fold Practiceでも、一つ目に紹介するフィルターは「自分を整える」「自分を大切にする」「ありのままの自分でそこに居る」ことの練習/実践です。自分を整えるにも練習が必要なんですよね。

例えば、今のこの状況の中なら、「わたし不安なんだな、と言葉にしてみる」「自分の気持ちと向きあう」「休憩する」「心地よいと思うことをする(ヨガとか散歩とか)」何もしないことは悪いことじゃなくて、自分を整えておくことで、走り出せるから。

ここにしっかりと居ること。自分自身とつながりをしっかりともつ責任。そうすることで、燃え尽きることが防げる。

恐れに気づいて自分自身のもつフィルターに気づくことで、自分の見ている世界が自分の色付き眼鏡でみているんだということにも気づけます。

テレビをつけると世界中のコロナのニュース。職場や家族とも話題が耐えない。そんな中で、自分の落ち着く時間をもつこと。ニュースを見る時間を◯◯分だけ、と決めてみること。本を読むと落ち着くんだよね、犬の散歩にいくとすっきりするんだよね、日本酒があれば元気が出るんだよね。と自分を整える手段を持っておくこと。

今、この状況の中でも自分らしくいること。
仕事が忙しくなってきたとき、子どものことを考えすぎて気持ちが沈んでいるかもと感じた時、このフィルターの練習が必要かもしれません。


Ⅱ-2.  BE HOSTED - 参加する/学ぶ

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次に、自分を整えることが出来てきたら、練習したり、学んだり、参加する準備が整います。フルマラソンでいうと自分で走る練習をしたり、大会に参加したり、実際にどっぷり参加してみることで「あぁ、もう少しゆっくり走る方が私はあっているな」とか「走り方を変えてみよう」とか、参加することで気づくことがある。

自分がどのように仕事に関わっているか、家族と関わっているか、子ども達と関わっているかに意識を向けることで気づくことがあります。判断を保留にして相手の言葉に耳を傾けて深く聴くことで生まれる気づきがあるので、どのくらい深く聴けているかも練習が必要なことの一つかもしれません。

このように2つ目は、「BE HOSTED|参加する」とか、誰かが用意してくれた場所で「学ぶ」。with コロナの状況で言うと、周りに目を向けてみること。恐れから一歩踏み出して、コロナウィルスの科学的な知見を自分から学びにいってみる。オンライン授業にも自分なりに楽しく参加できる方法を探してみる自分にコントロールできないことを手放してみる相手の不安や恐れに自分から寄り添ってみる。自分の枠から出ていくこと、等がこのフィルターになるかもしれません。


Ⅱ-3.  HOST OTHERS - ホストする/場をつくる/迎え入れる

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マラソン大会の例でいくと、マラソン大会に参加しようと思うと、誰かに運営をしてもらわないと参加できません。でも、マラソンコースが魅力的でなかったり、誰かに出場を強制されて出るマラソン大会は苦痛に感じるかもしれない。人はコントロールされるのは好きではないですよね。このフィルターは、参加する人がわくわくしながら参加できるように、場をホストする、言い換えると、迎え入れるフィルターです。

with コロナの状況では、教育現場で先生方が、この状況の中でも学びを止めないためにオンライン授業を進めておられたり、ワークショップや会議を自宅からもできるように企画したり、場をつくる側として行動することがここに当てはまります。これも、オンライン会議一つとっても、ただ実施すれば良い、という訳ではなくて、参加者が参加したくなるように工夫したり、プログラム設計が必要になってくる。オンラインで50分間話し続ける講師の方の講座に参加したことがあるけれど、100人いた参加者がどんどん退室していく。なんていう講座が起こり得るのは、参加者の気持ちを考えて設計できていないからかもしれない。双方向のコミュニケーションをいれたり、グループワークを取りいれたり、真ん中に問いをおいたり、ホストする側にも実践/練習が必要になります。

医療関係者の方で、コロナの恐ろしさを知っているからこそ危機感をもって「知ってほしい情報」を伝えている人。恐ろしさを自覚できているからこそ、葛藤しながらも職場に出勤することを辞めている人、お子さんを「学校に通学させない」判断をされている人、それを周りに分かってもらえないくて苦しんでいる人もこのフィルターに入ってくるのではないかな、と。周りとの温度差を感じるのはしんどい。でも、他の方は違うフィルターで今必死なのかもしれない。もしくはこのフィルターにいる人と、他のフィルターにいる人に対してで、伝え方、言い方を変える必要があるかもしれない


Ⅱ-4. CO-CREATE - 共創する

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問いかけがあって働きかけ続けていると「私たちのこと」になっていく瞬間があります。このフェーズはソーシャルチェンジであったり、組織として何か新しい価値を生み出していくことかもしれないし、コミュニティとして、まちづくりの中で、多様な価値観を持ったメンバーと共創していくことかもしれない。

今の状況でいうと、Withコロナの中で、これまでにやったことのないことを試してみたり、Afterコロナに向けて話し合うのもここのフィルターになるかもしれません。


Ⅲ-1.  4つの実相をつかって自分の「今」を整理してみる

ここまで、4Fold Practiceをつかってフレームを紹介させてもらいました。

問い:
●あなたは、今、4つのうち、どこにいますか?
●私に練習が必要だな、と感じるのは4つのうちどれですか?

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どれが良い、悪いではなく、どれも大切で。一人ひとり思考のくせも価値観も違うので、居心地のよい場所が違うし、一人の人の中でも、その時の状況、体調、役割、立場によって4つの実相をぐるぐると移動しながら成長していく。

今、「自分はどこにいるのか(いたいのか)を知ること」で、自分の考え方や行動のくせに自覚的になれると思います。自覚的になることで、さらに探求することも、手放すことも、選択できるようになります。

もう一つは、「相手はどこにいるのかを知ることで、伝え方や接し方を変えることができる。」という使い方もできると思います。

「HOST YOURSELF|自分を整える」ができていない中、カラ元気で走り続けていたら、力尽きる日が近いうちにやってくるかもしれない。

新しい仕組みや、目の前の対応に追われて「CO-CREATE|共創」にいる人は、「HOST YOURSELF|自分を整える」ことで必死な人の気持ちに寄り添って話しかけられていないかもしれない。もしくは、まったくイメージできないかもしれない、かもしれない。きっと会議や授業にはそういう状態の人もいるはず。「BE HOSTED|参加者」になる経験を練習することで、参加する人の気持ちを知るのも大切な練習かもしれません。

例えば、私はメンバーとこんな話し方をします。
「わたし、今、HOST YOURSELFが必要だからちょっと休みもらうね」と、自分から思い切ってHOST YOURSELFの練習することを伝える。

もしくは、
「◯◯さん、最近企画する側ばかりで、BE HOSTED-参加者の気持ちから離れているんちゃう?今日は参加者としてどっぷり参加して、見えてきたこと、聴こえてきたこと、感じたことをフィードバックしてや。」と、参加者の気持ちから遠のいているメンバーに提案していみる。

「今回はHOST-企画する側としてここにいるので、みんなが参加したくなるようなイベントのタイトル考えたり、話しやすい空気感になるように練習します!」と宣言してみる。

「今、私たちにはCO-CREATE-共創が必要だけど、まだ、心の準備ができていない人は、今、自分に必要なフィルターを教えておいてもらえたら、心がけて接するようにします」
と、自分から今の状況を言ってもらうことで、不要なぶつかりを減らす。

もちろんこの4つ以外の考え方もあると思います。4つの実相に沿って学んだり実践したりすることで、学びがより促進されるよ、というフレームなのかな、と思って私自身は助けられています。

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Ⅲ-2.  テンプレートをつかって整理する

テンプレート(下画像)をつくってみました。
よければ、4つの枠を埋めてみませんか。

埋まらなければ、「今は埋まらないな」と空けたままでOK。フレームの良いところは、書いて、放置して、答えを出すことを保留にして、また思いついた時に書き足せるということかな、と感じています。「今、思いつかない」ということも大切な気づきの一つです。

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ご紹介は以上です。最後まで読んでくださりありがとうございます。

先がよく見えない状況の中でも、燃えつきずに頭を使って行動し続けるために。何か一つでもヒントがあったならうれしいな、と思い4つのうちのどれかを意識しながらそこに居続けることができたらいいな、と文章にしました。

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大切なことを持ち続けることで、うまれてくることがありますように。

●おまけ・・・オンラインでも、場づくり/会議をしている方(しようとしている方)に役に立つかもしれないフレーム


●参考:



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