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カインズのブランディングが大成功! ファンを増やすクラシルとの「おいしいコラボレーション」とは?

国内No.1のレシピ動画サービス「クラシル」の主なクライアントは、食品や調味料、飲料のメーカー。36,000本を超えるレシピ動画制作ノウハウと、日本一の数を誇るユーザーから抽出したデータをもとに、各社の商品を魅力的に見せるプロモーション提案を行っている。
そのクラシルがこの度、2020年4月11日からあのホームセンター・チェーン大手「カインズ」とのタイアップ動画を配信した。一見異色の組み合わせだが、実はこのコラボレーションは今回で二度目だ。
昨年実施した企画では、カインズのECサイトの流入数が増加し、新規ユーザーの約6割が20~40代女性で占められた。カインズが新規に開拓したい層に企画が“刺さった”形だ。満を辞しての第二弾は、「新生活」をテーマにオフラインとオンラインの両面で展開する。

この意外なコラボレーションを実現させたのは、20代の女性を中心にカインズとクラシルで構成された「チーム・カインズ」。女性に向けたカインズのオリジナル商品を、いかに届けたい層に認知させるかが最重要課題だった。
カインズの中でもかつてない類のプロモーション企画が成功した理由とは?
今回は株式会社カインズの清水政良さん、澁谷慶子さんをお招きし、同社のマーケティング戦略やクラシルとのコラボレーションに至る経緯、実績や社内外の反響まで話を伺った。

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「カインズ×クラシル」コラボレーション企画、「異常値」と評される驚きの結果とは?


2020年4月11日に公開される「簡単時短の朝ごはんレシピ」は、カインズとクラシルの2度目のコラボレーション。最初の企画(2019年11月)から半年も置かず新たな取り組みをスタートさせるに至ったのは、企画がターゲットに「刺さった」だけではなく、カインズ社内での反響も大きかったからだそう。

▼クラシルが作成したカインズの「コンセプトムービー」はこちら

山口:お二人は「ライフスタイル事業部」のご所属ですが、そもそもどのような領域をお取り扱いでしょうか?

澁谷:弊社の商品部は4つに分かれています。一つは日用雑貨。洗剤や食品などですね。そして資材を扱うプロ事業部、ペット事業部。それ以外の全てがライフスタイル事業部です。実質的には部署横断で仕事をすることが多いですね。

山口:澁谷さんは「サブリーダー」というお立場ですが。

澁谷:サブリーダーと言いつつ、チームには2人しかいないのですが……。ライフスタイル事業部のプロモーション企画が私の仕事です。「こういう商品を売りたい」という事業部の意向を受けて、どう売っていくか・発信していくかを検討し、実行していくことです。

山口:マーケティングに近いものがありますね。

澁谷:そうですね。でも、マーケティングの知識もないまま、マーケティングやら販促施策やらを考えねばならず……。企画、実行、分析も担当しています。登山なんてしたことがないのに、「富士山を登ってきてごらん」と言われているような感覚ですね(笑)。様々なことに挑戦させてもらえる環境なので、ありがたいとは思っています。

山口:意外ですね。カインズさんほどの大手となると、個人の新しいチャレンジを推奨するというよりは、やることがかっちり決まっているイメージでした。

澁谷:カインズは「まずやってごらん」精神の会社です。入社前からそのD N Aは刷り込まれているように思いますね。 そのおかげで「まずはやってみる」ことが許され、クラシルさんと確かな実績も作ることができました。社内にもどんどん共有したいんです。

清水:実績という点で、異常値ですね。澁谷さん、(社内に対して)言ってやって(笑)!

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澁谷慶子さん/新卒でカインズ株式会社に入社し、沼津店に勤務。2年目から6年目にかけて教育部でスタッフ研修を担当する。商品部でバイヤーを経験したのち、現職。
ひと言:「二人きりのプロジェクトのサブリーダーです(笑)」

20〜30代の新規顧客が増加
都市部とECサイトのタッチポイント創出に成功

澁谷:はい(笑)。弊社の分析は数値として捉えやすい「売り上げと粗利」が中心だったんです。ただ、本件は新しい取り組みということもあり、「ブランドリフト」に重きを置きました。お客様がどういう方で、どんな商品に興味を持っていただいたのかを調べることにしました。クラシルさんとの取り組みで使用したのはおよそ50アイテムです。それらを購入してくださり、かつ新規のお客様の年齢層を追うと、20〜30代の女性がずば抜けて高かったんです。まさに企画の意図どおりの結果でした。しかも、ご購入いただいた場所の半分以上が都市部とE Cサイトです。カインズだけではリーチできない客層にリーチできた、と実感しています。さらに……。

石原:さらに!?

清水:澁谷さん、生き生き話すなあ(笑)。

澁谷:そう、さらに(笑)。プロモーションした商品を購入している方で、かつ新規ユーザーの合計購入金額が平均の約2倍でした。もちろん、「一回の購入金額が高いお客様=カインズにとってありがたいお客様」というわけではありません。リピーターのお客様は、普段から弊社をご利用いただいているので、洗剤などの消耗品をご購入いただきますが、クラシルさんとの企画がスタートしたのちに新規でご購入いただくお客様は、「大理石調 まな板」や「立つほうき」など、カインズがオリジナルで推しているデザイン性や機能性の高い商品を購買される傾向がありました。そういうお客様も取り込むことができたというのは、とてもすごいこと。社内の人たちに知ってもらいたい! という気持ちは強いですね(笑)。

「いきなりカインズファン」を獲得 
「クラシルコアユーザー」=カインズの開拓したい層

清水:新規でカインズのオリジナル商品をご購入いただく……つまり「いきなりカインズファン」なんですよ。カインズが本当に売りたい、推したい商品ばかりを買ってくださる。これは本当に、自分たちだけでは実現させられないことですね。例えばカトラリーの並べ方ひとつをとっても、クラシルさんの手に掛かると違うものになりますね。
……正直、社内の人間の中には動画に使用したカトラリーのことを「デザインもパッケージも店頭での陳列の仕方も0点だ!」なんて言う者がいたんですよ。だけど、いざ動画になり、そして実際売れていることを伝えたら、「俺たち、見せ方が下手だったんだな」って反省していました(笑)。

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清水政良さん/入社後、大胡店に配属。4店舗目でマネージャーを経験後、教育部商品知識強化グループにて資格などの社外教育を担当。その後2店舗での店長を経て、商品部へ。バイヤーののち、家庭用品事業部部長に。
ひと言:「カインズのカトラリーは100点です!」

澁谷:だけどその通りなんです。見せ方や伝え方を変えることで届けたい層に届くんだな、と。逆に言えば、私たちはそういった努力が足りていなかったのだと気づかされました。

清水:普段から若い女性に向けてコンテンツを制作し、ノウハウを持つクラシルさんにお任せしたからこそ、「うちの商品、こんなにいいじゃん」ということに気づけた。自分たちの商品を過小評価していたのだと思います。

乗り越えるべきは「社内のハードル」

石原:カインズ様のような大きな組織、かつすでに事業が確立されている環境で、今回のような新たな取り組みを始めるのはなかなかハードルの高いことではないか? と拝察します。社内の反応はいかがでしたか?

清水:苦労がなかったというわけではありませんが(笑)、「大変だった」という印象よりも、「新しいことをやってやったぞ感」の方が強いですね。すべての店舗の店長を集めて月次の会議を行っていますが、最初にクラシルさんと組むことを発表したときの反応は良くも悪くも大きかったです。彼らが知らない会社と、これまでカインズが作ってこなかったような動画を用いて店頭展開をするわけですから。

澁谷:店長たちの協力を仰ぐべく、その会議で2ヶ月連続、完成した動画を見せて説明をしましたもんね(笑)。

清水:現場以外でも賛否両論がありました。クラシルさんの動画を見たことのない社員も大勢いますから。ただ、その(店長を集めた)会議においては、大半が「面白いね」「すごいじゃん!」という反応でした。カインズは徹底的な現場主義の会社。「こういうテイストの販促をやっていかなければならない」という意識が、日々現場に立つ彼らの中にはもちろんあったわけです。しかし、その意識が顕在化しにくいのも大きな組織ならでは。現場の励ましやある種の危機感に背中を押されつつ、「若手、しかも女性」である澁谷に先陣を切ってもらえたのは、会社としても大きかったように思います。

山口:最初のお取り組みをさせていただいたあと、清水さんのところに、カインズ様の様々な部署から「あの企画、どうやったの?」という問い合わせが来たと伺いました。

清水:そうなんですよ。クラシルさんは「食」を扱われていますから、他部門のバイヤーからも、企画に連動したいという問い合わせがありました。中には押しが強すぎて困る人もいましたが(笑)。つまりそのくらい、それぞれの部署、それぞれのチームが自分たちの商材の発信方法をいつも考え、悩んでいるということです。切実な問題だったんですよ。いくら多額のお金をかけて新聞広告を載せたりチラシを撒いたりしても、届けたい人の大半は、それらを読まない層ですから。クラシルさんはその層にこそ強いので、ちょうどフィットできたと考えています。

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(左)石原敬子・プランナー/(右)山口寛奈・セールス
クラシルはクライアント様に提案する際、プランナーがPR案を作り、セールス担当と共に具現化していく。クラシルのメディア力を武器に、クライアントの課題をいかに解決するかが腕の見せ所だ。
「自宅がカインズさんの商品で溢れています」(石原)

石原:女性や、若い人向けの商品を多くお取り扱いですから、もちろんそういった層にリーチしていこうという方針ではあったんですよね。クラシルとのコンセプトムービーはお客様、つまり「外」に向けたものですが、カインズ様の「社内」に対しても「カインズはこういうブランドだ」「こういうプロモーションをやっていくんだ」という宣言でもあったのかもしれませんね。

清水:そうですね。実施前には「この動画に、どういう効果があるの?」「実際に商品が売れるの?」という懐疑的な意見もありました。
石原:それはそうですよね。そんな中、どうしてクラシルをお選びいただけたのでしょうか。

清水:先ほどの店長たちだけではなく、「いい商品があっても発信しきれていない、伝えきれていない」という課題意識は全社的にありました。お店にもE Cにもいい商品はたくさんあります。テレビに取り上げられれば何十倍も売れますから、潜在的なポテンシャルは高いはず。ただ商品の存在や良さを、ターゲット……女性や若いお客様に伝えられていないだけなのでは? と。カインズは都心部に店舗があるわけではありませんから、「カインズ」という存在そのものも知られていない。我々の商品が果たして若い方々に受け入れられるものかどうか、調べたり試したりする術がなかったんです。
仮に何かしら若い方々に向けた特設ページを作ったとしても、カインズのE C
を見ている若者が少ない。母数が小さいから、効果検証ができないんです。「母数を一気に大きくする・一気に拡散できるようなところと組まない限り一定量以上の母数が確保できず、若者へのアプローチはおろか、社内の人間を説得することができない」ということは経験則からわかっていました。
それで、クラシルさんが浮かんできました。この両者なら「食」「調理」をアミューズできるのではーーwin-winの関係になれるのでは、とイメージできたんです。社内の説得は、そういった全社的な課題意識に加えて、社長である高家の賛同と、上司や関係する面々の理解もあったため、意外とスムーズでしたね。「まずはやってごらん」ってね(笑)。

もともとは「カフェコラボ」を提案

山口:クラシル側にとっても新しい試みでした。私たちは普段、クライアント様の商材……「調味料や飲料をどう美味しく見せるか」という点に重きを置いた提案をしています。しかし今回は商品が食べ物じゃない! どうしよう……と思いましたね。

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クラシルがプロモーションした「ストーンマーブルフライパン」(中央・グレー)は、売り上げが前年比120%を記録。

山口:「カインズ=ホームセンター」だけじゃない、ということを伝えるために、店内のカフェでワークショップを開くのはどうかと考えました。カインズ様の店舗におしゃれなカフェがあるんです。最初にご提案したときの反応も良かったのですが、カインズ様の課題である「若年層を一気に増やす」にはより積極的なブランド発信が必要だなと感じました。

石原:もともと、20〜40代の若年主婦層へのアプローチに課題感をお持ちだというご相談はいただいていました。その層はまさにクラシルのコアユーザー。クラシルというメディアをご活用いただき、ブランディングをしていただけるのではと思いました。

清水:カインズの主な客層は40代後半から60代ですからね。ファミリー層にキャッチアップしていこうとし始めたのは10年ほど前からです。テイストや色味の統一から始めて、ここ7〜8年の間にインテリア性の高いものを出し始めました。しかし、いかんせんご来店いただいているお客様の中に、刺さる人が少ない。まずは20〜30代の女性に、「カインズが若い女性に向けて商品を作っている」ことを知ってもらう必要がありました。我々ライフスタイル事業部として発信したいメッセージは「カインズが変わり始めている」ということでしたね。

石原:そのメッセージをご共有いただき、「私らしいが、私の欲しい」というコンセプトへとつながりました。コンセプトムービーとカインズ様の商品を使用したレシピ動画を作成・配信しましたが、大きな反響をいただきました。

「私らしいが、私の欲しい」
コラボレーションが成功した理由

石原:商品そのものがいいからこそ、見せ方にも広がりが生まれます。昨年、初めて企画をご提案するにあたり、実店舗にお伺いしました。かわいいカトラリーやおしゃれな日用品がたくさんあって、失礼ながら驚いたんです。工具や資材……男性が買うようなものを取り扱っていらっしゃるイメージがあったので。ごっそり買っちゃいました。

清水:「いきなりカインズファン」だ! ありがとうございます。

石原:こちらこそ(笑)。でも、その良さが十分には伝わっておらず、もったいないと感じました。ではどうやって伝えるか? 他の企業がやっているように、おしゃれっぽい動画を作ることはできます。でも、澁谷さんと何度もご相談を繰り返すうちに、カインズ様の商品価値やブランドの本質は「おしゃれっぽい」ではないと思いました。カインズ様は暮らしに寄り添う商品全般を扱っていらっしゃいます。クラシルはその「暮らし」をトータルで提案したかったんです。「おしゃれっぽい」に逃げてしまうのではなく、一歩進んで、他の企業がやっていないことをやろう、と。ブランドの再構築を「チーム・カインズ」として一緒に進められたというのが、企画の成功の鍵だったように思います。

清水:図らずも、私以外はターゲット層と同じ年代の女性ですからね(笑)。

澁谷:クラシルさんはレシピだけではなく、レシピを通して「食事」の先にある暮らしの豊かさやあたたかさを届けていらっしゃるように思うんです。お客様に自分たちのサービスや商品を通じて「こうなっていただきたい」という想いがある企業だな、と。私たちも自分たちの商品を通じて、お客様の家事負担を少しでも減らしたり、楽しいものにしたりしたいんです。その「想い」が一致していたというのが、企画を成功まで持っていく上で、最も支えになったと思います。

清水:(会長の)土屋は、常々「ホームセンターではなく、“カインズ”という業態を創る」と言っています。「ホームセンター」だというイメージはお客様がお持ちのもの。私たちは企業理念に「くらしに、ららら。」を掲げているように、暮らしを改善する提案を、モノやコトを通じて発信していきたいんです。

澁谷:カインズはEC、デジタル戦略も強化していきます。今後もクラシルさんと色々な取り組みをしていければと思います。

清水:サブリーダーですからね(笑)!

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第二弾のテーマは「新生活」! 「カインズ×クラシル」のコラボレーションで、忙しく不安な毎日を、少しでも楽しく便利にお過ごしいただけますように。

2020年4月10日から開始されるカインズ×クラシルのコラボレーション第二弾「簡単時短の朝ごはんレシピ」は、クラシル上でご覧いただけます。商品はすべてカインズのECサイト上で購入が可能。カインズの一部店舗において、クラシルが監修するコラボレーション売り場も展開します。

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▼コラムはこちらからご覧いただけます。


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