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チャンネル登録者数100万人突破! クラシルYouTube運用の裏側をすべて見せます

dely株式会社

2022年6月、クラシルYouTubeのチャンネル登録者数が100万人を突破しました! この運用を担当してきたのが、クラシルカンパニーのSNSチームです。チャンネル登録者数100万人突破の理由には、人気レストランのシェフが出演する魅力的な企画づくりのほか、日々の地道な数値分析とチーム育成がありました。今回はSNSチームを率いる、リーダーの滝澤さんとYouTubeディレクター橋詰さんに、「ウラガワ」のお話を聞きました。

💡ぜひこのnoteを読んでほしい人
・クラシルSNSチームの取り組みを知りたい方
・SNSのフォロワーを獲得したい人・企業担当者
・YouTubeの運用をしているクリエイターの方
・チームを率いる立場の方

この記事に登場する社員

右:滝澤祐也(たきざわ・ゆうや)
クラシルカンパニーメディアグロース事業部所属。各種SNSを活用したマーケティングの戦略立案や実行などを担当。映画や漫画にこそ人生を豊かにするヒントがあると盲信しているほどの大のエンタメ好き。

左:橋詰高志(はしづめ・たかし)
クラシルカンパニーメディアグロース事業部所属。主にYouTube施策のディレクションを担当し、SNSからサービスの認知拡大に挑戦している。ダンディさを追求するため、最近あご髭を伸ばし始めた。

キーワードは「SNS to App」。
熱量のあるコンテンツでファンの醸成を目指す

──YouTube登録者数100万人突破おめでとうございます! 今日はチームを牽引したおふたりに話を聞きたいと思います。まず、それぞれチームでの役割を教えてください。

滝澤さん:
クラシルはYouTubeとInstagram、LINEを注力媒体として運用しています。私はそのSNS全体の総括を担当し、各媒体におけるKPIと戦略の設計、そして進捗管理とチームマネジメントを行なっています。

橋詰さん:
クラシルYouTubeチャンネルの運用全体を担当しています。以前は、自ら手を動かすことも多く、出演シェフのリサーチから交渉、撮影、編集も行なっていました。今はメンバーも増えてきたので、私はディレクターとしてYouTubeのKPIの達成に向けて、メンバーの動きをサポートしています。


──それぞれユーザー属性や媒体に合わせたコンテンツを作成しているかと思いますが、そもそもどういった目的で運用しているのでしょうか?

滝澤さん:
SNS全体の目的はクラシルの「DAU(プロダクトのユーザー)を増やす」ことですね。
SNSはユーザー数を増やすにあたっての第一接触ポイント。私たちは「SNS to App」という表現をしているのですが、SNSで接触したユーザーにいかにしてアプリをDLしてもらうのかが最重要のミッションです。

2022年4月1日には、SNSの総フォロワー数1,000万を突破のリリースも公開しました

橋詰さん:
合わせてアプリの起動率の向上という側面もありますね。
今までクラシルに触れてこなかった人たちに広くリーチすることはもちろん、すでにクラシルを利用いただいてる方にもアプリへ遷移するアクションを起こすような熱量を持ったコンテンツを作る。つまり、クラシルのファンを醸成する部分も担っています。なかでもYouTubeは男性層の獲得に寄与しています。

ちなみに、SNSがきっかけでクラシルのことを知ったり、アプリをDLした方はアンインストール率が低いんです。そういう点で貢献できているのが強みですね。現在はよりコアなファンをいかにつくるかが課題です。


動画は「変数」が多いから面白い。
成功の糸口を掴むため、検証をひたすら重ねる

──コンテンツをより多くの方に見てもらうために、たくさんの分析を行なっているそうですね。具体的にどんなことしてるのでしょうか?

滝澤さん:
前提として、YouTubeはサムネイルをクリックしていただき、いかに長い時間視聴してもらえるかが重要。ですので、サムネイルのクリック率の改善はとくに力を入れています。ただ、ここは人の感覚にアプローチする部分なので判断が難しい。ひたすら色々なパターンでABテストを繰り返し、クリック率が高まる糸口を常に探りながら、検証結果を反映し、成功を積み重ねていくことが重要です。

ある動画のクリック率推移グラフ。サムネイルの改善を重ね、60日目にトライした内容で、クリック率が大きく改善された

また、サムネイルの改善においては媒体内でのトレンドも意識していますね。食領域で活躍しているYouTuber、競合の動向・傾向も参考にしています。

人と料理、料理の鍋の中、完成系などさまざまなパターンがあります。クラシルでもかなりのパターンをABテストしていますが、最近の業界内の傾向としては、完成に近い鍋の中などを画面フルフルで見せて、サムネイルに料理名を入れるパターンが多いですね。そこから「他の方がABテストをした結果それに落ち着いているんだろうな」という仮説のもと、反映し検証してみる。自分たちのチャンネルに投下しても同じように良いパフォーマンスが出たり、出ないこともある。出なかった場合は、また分析・リサーチを重ねて、要素分解して......というのを、もうひたすら研究してます(笑)。

完成した料理や調理中、シェフなどさまざまなバリエーションででサムネイルを作成しABテスト実施
文字の配置やトリミングなども細かく調整します


またクリック率のアプローチの1種として、動画タイトルの付け方も大切ですね。こちらもチームメンバーと様々な案を出し合いテストを行なっています。サムネイルとタイトルで、いかにその動画を魅力的に見せるか、ユーザー目線に立って評価をしていきます。

タイトルやサムネイルに載せる文字も、チームメンバーとslackで意見出しを行います


橋詰さん:
また「視聴維持率」のデータを元にして編集の改善も力を入れてます。グラフをみてユーザーがどこで離脱してるのか、逆にどの部分を繰り返し見ているのかなどを分析し、より長く視聴してもらえるように編集内容を改善しています。

例えば冒頭すぐ離脱してしまうならオープニングをいかに短くするかを考え、最後の試食シーンで離脱してしまう場合は、総合的に動画を評価していかに離脱率を下げるかを検討する。より高くインプレッションがとれるように細かなPDCAを回していきます。

──細かな試行錯誤を繰り返し、成功を導き出すには時間がかかりますし、根気もいる作業ですよね......。

滝澤さん:
そうですね。しかも半年前は正解だったけど、今は傾向が変わっているというのもあります。1度勝ちパターンを見つけたとしても、SNSのトレンドやアルゴリズムは比較的短いスパンで変化していきますので、日々分析をしていくことが必要です。ここは難しくも追求しがいのあるところですね。

クリエイティブの開発なので、定性的な評価しかできない部分も多くありますが、獲得できるデータ(クリック率・視聴維持率)を活かし分析し、傾向を掴み、ユーザ行動を推測しアクションしていくことが大切だと考えます。

橋詰さん:
面白いのは、動画って「変数」が多いんですよね
たとえば定番系のレシピを撮影した際に、完成形がシェフならではのアレンジが加わっていていることも。そういう時はあえて調理中にしてみたり、視聴しているユーザーの皆さんがイメージしやすい形でサムネイルを制作します。逆に出演者の方のタレント性が強い場合は、SNSで強い人気の料理ジャンルであっても、あえて人物を推してみたりします。
正解がひとつではないことがおもしろさであり難しさですね。試行錯誤しながら、いろんなアイデアを試すことができるのが多い分野かなと思います。

ポテトサラダの動画サムネイル。
完成形(左)ではなく、調理中(右)の写真を採用

滝澤さん:
さまざまなことをお話しましたが、最終的には、今動画を見てくれているユーザーさんがどう感じているかを想像するのが重要。できる限り多面的に、いろんなひとの評価・見え方を突き合わせて最終的に「いまはこれだ」と判断していくのが大切だと思っています。

定性より定量。
ファクトベースの思考を育てる重要性

──ストイックに分析・実施を繰り返し、数字を着実に伸ばし続けているクラシルのSNSチームはプロ集団のように見えています。どのようなバックグラウンドの方が多いですか?

橋詰さん:
実は「SNS運用をずっとやってきました」という経歴の方はそれほど多くないんです。私自身も元々カメラマンとしてdelyに入社していますし、YouTube運用メンバーも動画編集担当として入社したのち、現在はディレクター業務をこなすほど成長したメンバーも多いです。

クラシルカンパニー・SNSチームのメンバー

──そうなのですね! SNS・YouTubeの運用が未経験の方もいるかと思いますが、スキル面の強化や育成はどんなことを行なっているのでしょうか。

滝澤さん:
トレンドが日々変化しているので、媒体属性やアルゴリズムの変更など情報のインプットをひたすらし続けている状態です。ある程度リサーチをしたうえで、確証の高いものはチーム内で共有して、仮説を立てて進めていきます。

橋詰さん:
SNS運用ってめちゃくちゃスキルがいるというより、純粋に起こった事象や数字を把握し、分解して、「次はどうアクションを起こせばいいんだろう?」を、考え続けることが大事ですね。

滝澤さん:
クリエイティブをしているとつい定性的になりがちで、「最近流行ってるのでやってきましょう!」という根拠のない旗振りをしてしまうと、迷走してしまうんですよね。
重要なのはファクトベースで仮説を立てること。チームメンバーにも出来る限りデータに基づき、ファクトベースの思考を意識するように伝えてます。「なにを根拠にこのサムネがいいのか?」「なにを根拠にこのレシピがいいのか?」そういった思考を巡らせるように問いかけをしています。


80億人全員がユーザーになりえる。
料理をつくる面白さを伝えるという使命

──クラシルSNS・YouTubeの目指すべき姿をお聞きしたいです。事前にお渡ししたアンケートには、滝澤さんが「SNS総フォロワー2,000万人」、橋詰さんが「倍の倍でチャンネル登録者400万を達成したい」と書いていますが......。

橋詰さん:
滝さんとは発想が近いですね(笑)

滝澤さん:
近いですね〜。でもこの数字にはちゃんとした理由があるんです。
「クラシル」のミッションに「80億人を幸せにする」というのがあって、我々がコンテンツを届ける先はある意味天井がないと思っているんです。食領域において各ご家庭のキッチンをご支援していく意味でいうと、ターゲットは人類全員、ユーザーさんになりえると捉えています。

一見現実味のない数値ですけど、突き詰めていけばそれぐらいは獲得できるんじゃないかと......。超希望的観測を述べています(笑)。

橋詰さん:
極端な話、YouTubeのチャンネル登録者数って「目的」ではなくて、単なる目標でしかない。なので100万人を達成して、その次に目指すのは倍の200万を超えて、さらにその倍の400万にしていきたいという気持ちですね。
いまより多くの人たちにコンテンツを楽しんでもらいたいし、サービスのいいところを知って欲しい。YouTubeに出演いただいているシェフの方々の魅力も知ってほしいし、携わる人達すべてが「クラシルのコンテンツっていいよね」と言ってもらえる状況がつくれたら最高なんじゃないかなと。

滝澤さん:
そういう意味でいうと、メディアグロース全体の話にも通じますが、現時点で料理に関心ない方々に、いかに料理が楽しいのか、料理をしようと思うきっかけをいかにつくることができるかが、SNSチームの永遠のテーマであり、存在意義だと思っています。

単にレシピを発信するだけではなく、食に対して意識向けるきっかけになりえるかを重要視していますね。レシピの解説動画だけではなく、見ていて為になるのはもちろんのこと、面白いと思えるかどうかを重要視してますね。

そもそも「料理をつくる」ということ自体がすごく面白いんですよ。

とくにYouTubeチームは、シェフの方などその道を追求してきた人たちと接触しているからこそ、強く感じています。料理って深堀してはじめて気づく面白さってあると思うんですよ。食材や調理の知識はもちろん、それぞれのシェフが持っている哲学も非常におもしろい。そういう側面をしっかり動画に盛り込んで発信していくことを、これらからもクラシルのYouTubeでやっていきたいですね。

滝澤さん、橋詰さん、ありがとうございました!


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