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【駅探訪記】日本で唯一の流氷が見える駅(JR釧網本線北浜駅)

 梅雨が明けて急激に暑くなってきたため、涼しくなれそうな写真を投稿します(笑) 2017年2月、北海道東部・釧網(せんもう)本線の北浜駅を訪問しました。

■ホームの前に流氷が広がる、日本唯一の駅

 北浜駅は、北海道網走市にあるJR釧網本線の駅。網走市街から東に10kmほどのオホーツク海沿いに位置し、冬には日本で唯一、ホームから流氷が見える駅といわれています。駅舎も旅情あふれるたたずまいで、過去には中国映画のロケにも使われたことがあります。

■雪に埋もれながら2月の早朝に訪問

 この冬は学生時代最後の北海道旅行でした。前日に羽田から旭川空港に到着し、旭川駅から「特別快速きたみ」に乗り網走へ。

 2月に道東を訪れるのは初めてで、さぞ雪が積もっているだろうと覚悟して来ましたが、到着したときには思ったほど積もっていませんでした。

 翌朝。ホテルを出ると昨日はあった道が雪に埋もれていました…(写真でわかりづらいですが、ヒザくらいまで積もっていました)。たまたま着いた日は雪が少なかっただけのようです。

 網走駅の一つ隣、桂台駅から列車に乗ります(網走駅よりもホテルから近かったため)。歩ける場所に次の駅があるのは、ローカル線ではなかなか珍しいです。

 なぜわざわざ過酷な思いをして早朝に来たかというと、早朝は比較的列車本数が多く、1時間ほど北浜を訪問した後網走に戻ることができるためです(逆に日中は4時間以上列車が来ない時間帯があります…)。通学需要に応えるため、このような極端なダイヤになっているのでしょう。

 列車が来ました。ホームの大半が雪に埋もれており、足元に十分気を付けなくてはなりません…。

■想像を超えていた流氷(?)

 20分ほど乗車し、北浜駅に到着。写真右側の柵の向こうにはオホーツク海が広がっているはずなのですが…?

 なんとこの日はあまりの大雪で、流氷の上にまで雪が積もっていました。海が雪に埋もれるという、本州では絶対に見られない光景。写真は駅舎横の展望台から見た様子で、写真上半分はすべて海です。

 天気の良い日は知床連山も見えるそうです。

 駅舎をホームから見た図。風情のある木造駅舎です。

 北浜駅には流氷のほかにもう1つ特長があり、それがこの待合室の壁一面に貼られた名刺です。北浜駅を訪れた証に、いつしか旅人が名刺やきっぷを壁に貼っていくようになり、今では天井まで埋め尽くされています(どうやって貼ったのでしょうか…)。

 学生で、名刺を持つようなアルバイトや課外活動もしたことがなかった私は、当時行きつけで常に持ち歩いていた大学近くのごはん屋さんのポイントカードに旅の記念のメッセージを書き、壁に貼りました(笑)
 しかし、翌年に北浜駅を訪れた知り合いにそのことを話すと、私が貼ったあたりを見ても見当たらないとのこと。名刺や手紙以外のものはイタズラだとみなし、駅舎を管理されている方が撤去しているのかもしれません。駅の秩序を乱しかねない誤解を与えてしまい、反省しています。

 駅舎を外から見た図。映画の世界に入ったかのような、旅情あふれる駅舎です。『停車場(ていしゃば)』という喫茶が併設しており、日中はオホーツク海や列車を眺めながらランチをいただくことができます。

 駅舎を出て左に少し行き、踏切を渡ると海に出ることができます。途中セイコーマートもあるので、早朝の訪問でも食料調達の心配はありません(笑)

 ここが海岸です。左半分が陸(奥に見えるのが駅舎)、右半分が海。ぎっしりと押し寄せた流氷の上に雪が積もり、一面の雪原のようになっています。

 氷と雪で、今立っている場所が砂浜なのか海なのかわからなくなりそうです。流氷の間に落ちたら上がることは不可能(=凍死)とのことだったので、細心の注意を払って歩きました…。

 「海岸・港を利用する皆さんへ」という看板がありましたが、海岸も港も見当たりません…。

 おそらくおじさんが立っているあたりは流氷です(笑)地元の方は慣れっこの様子でした…。

 吹雪でさすがに身体が冷えてきたので駅に戻りました。ちょうど1時間の滞在、過酷でしたが良い思い出になりました。

 後々ネットなどで調べてみると、海に浮いたきれいな流氷を拝めるのはかなり貴重とのこと。今回は残念ながら見られませんでしたが、かえって想像していなかった非日常的な光景を味わうことができました。
 美しい流氷の様子は、以前にも紹介させていただいた『海の見える駅』というサイトで取り上げられていますので、ぜひご覧ください。

北浜駅 | 海の見える駅
https://seaside-station.com/station/kitahama/

 お世話になった「ホテル オホーツク・イン」さん。温かい朝食が身体にしみました…。お風呂も広くて最高のホテルです。

 この日は網走駅から知床斜里方面へ向かい、帯広まで移動しましたが、夕方ごろまで雪が降り続いていました。
 北海道は夏がベストシーズンといわれますが、個人的には海まで雪に埋もれるような冬の厳しさを経験せずして、北海道は語れないと思っています。冬の阿寒湖や知床など、私自身も味わったことのない冬の魅力がまだまだたくさんあるので、ぜひもう一度足を運びたいです(同行してくれる人がいるのかはわかりませんが…笑)。

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