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20年で20%人口が増えたまち(北海道東川町)

【まちnote #3】東川町

北海道のど真ん中、旭川の少し南東に、20年で20%の人口増を遂げた東川町があります。

鉄道、国道、上水道の「3道」がなく、北海道で唯一すべての町民が地下水で生活しているという、自然溢れる小さな東川町。

にもかかわらず、移住者が増えるだけでなく、飲食店舗も10年間で2倍以上の60店舗になったそうで、人を惹きつけ続けています。

そんな東川町も、2003年頃には存亡の危機を迎えていたそうです。当時、「平成の大合併」を政府が推進している真っ最中で、人口1万人未満の市区町村の合併が求められる中、人口7,500万人だった東川町も漏れなく対象に入っており「自立できない」とレッテルを張られました。

しかし、当時役場職員だった松岡氏が「合併反対」を掲げて町長となり、「自立できる」東川町への変革が始まりました。現在5期目を迎える松岡町長の発言がとても心に響きます。

合併の話が持ち上がった時に考えたのは、自立するとは何か。それは、自分の頭で考えることだ、と。それまでは、国から言われたから、北海道がやっているから、という理由でさまざまな事業をやっていた。けれど、自分たちの判断で良いか悪いか決めて、実行するのが重要だと思ったんです。

ベースにある「適疎」という考え方

自分たちで考えることを「自立」と捉える松岡町長の考えは、いろいろな施策に影響をしているように感じます。

この記事の中でも松岡町長は、このような発言をしています。

東川町を「適疎の町」と説明する。過疎でもなく、過密でもない。適度に余白がある町という意味だ。人は余白がありすぎても何をしてよいか分からなくなる。だからといって、まったく余白がないと、新たに何かを付け加えることができずにつまらない。適度に余白がある状態が、もっとも人のクリエイティビティを刺激するのだ。その意味で、この「適疎」こそが、東川町が持つ最大の魅力なのかもしれない。

「適疎(=適度に余白がある状態)」が、まちに関わる人のクリエイティビティを刺激し、自分で考える人が増えるという考え方です。結果として自立したまちづくりを達成しています。

この「適疎」を表現する活動は多くありますが、特徴的だなぁと感じた2つを紹介します。

「適疎」な活動

一つは、ひがしかわ株主制度です。
(※実際には株式ではなく、寄付で株主のような体験ができるもの)

この株主制度では、地域を訪れた人々がまちのつくり手になれる体験を与えており、2018年時点ですでに株主数は約4万人、総投資額10億円を超えているようです。

株主になると株主証が発行され、1万円以上の投資で年間6泊まで無料で株主専用宿泊施設に宿泊できる等、様々な優待を受けられる。また、年に一度開催される「ひがしかわ株主総会」にも参加できるそうで、本当の株主さながらの体験ができる面白さがあります。

そして何より、株主という立場を与えることで、まちに関わるひとたちに「東川町のために何かしていいんだ。」という余白を与えています。実際に植林活動等、色々な活動が株主制度を母体に生まれているようです。

二つ目は、公立日本語学校。

日本で働く海外の方々を養成するために、積極的に留学生を受け入れています。他の地域では、海外からの移住を急に促すあまり、生活マナーが足りない人が増えたり、治安が悪化したりと、綻びが見え隠れするなかで、東川町の学校では、下記のようなことを意識しているようです。

単に日本語を教えるだけでなく、日本の生活習慣を学ぶ機会や、茶道体験等を通じた日本人の心を学ぶ機会を設けており、日本人の住民とのトラブルや苦情はあまり聞かない。また、留学生には小中学校の国際交流教科の時間や、地域の盆踊り・敬老会などにも積極的に参加してもらい、町民との交流も深めている。

このような教育が、留学生に対して「余白」を与え、自分で考えて東川町のためになる活動を促しているのだと感じます。

様々な活動

色々な活動をされている方がいて、本当に面白い町だなぁと思います。

そして、東川町の活動が纏められている書籍も発見しました!熟読いたします。

成功の背景には、旭川空港から近い、東京から3時間でアクセスできるという地の利も一定程度あるとは思いますが、日本に約500ある人口1万人未満の年が参考にできる多くのヒントが東川町にはあります。

今後の東川町の活動にも注目です!

ああ、いってみたい。

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