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くらしのともしび

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病にあかりを灯すこと
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#手術

きずは希望を秘め

きずは希望を秘め

わたしの体にある
手術のきずあとが
病からの癒やしを
表しているように

癒やしだけでなく
それにかかわった
ひとの優しさをも
含んでいるように

きずというものは
痛みでおわらない
そのさきに確かな
希望をうちに秘め

わたしは痛みから
光に満ちあふれる
そのあたたかさを
ひとに伝えるため

***

あなたの過去の傷を
神さまがどのように
美しく創り変えたか
ひととわかちあって

まるでパーテ

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光をさししめす人

光をさししめす人

暗闇のなかに放り込まれて

何も見えなくなった人には

ほんのわずかな小さな光が

生きてゆく希望になること



手術を終えた病室のなかで

希望を見失い闇にのまれた

忘れられない感覚をかてに

光を指し示す人になれたら



できないことが増えていく

病気を授けられたわたしの

向かう先に見えているのは

消えることのない美しい光

***

きずあとのしおり

きずあとのしおり

わたしのからだの片がわには

いくつか傷跡がならんでいる



傷跡はあなたのおはなしの栞

といつかだれかが言っていた

それならこのならんだ傷跡は

わたしのはじめての手術の栞



お医者さんと看護師さんへの

ことばにしきれない感謝の印

たくさんの怖いおもいと涙と

そこからあふれだす感謝の印



わたしのおはなしに刻まれた

このからだにのこる傷跡の栞

尊い看護のつとめ

尊い看護のつとめ

手術のあとでとてもくるしかった夜
男性の看護師さんが担当してくれた

緊急のレントゲン酸素マスクの装着
何度もからだをうごかしてもらった

こころから感謝してもたりないほど
なみだがこみあげる一夜のできごと



いまもその看護師さんが患者さんを
お世話しているとおもうとうれしい

外来受診のときには病棟のようすを
想像するとこころがあたたかくなる

呼吸困難のこわさも残っているけど
とてもたい

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きずは光の通り道

きずは光の通り道

からだにある手術のきずが

やまいの癒やしだけでなく

かかわる多くのひとたちの

やさしさも含みもつように

きずはいたみに終わらずに

さきの希望をうちにひめて

いたみから光をそそがれる

あたたかさを伝えるために

***

こころが粉々になったとき

あらゆる傷の一つひとつに

神さまの光が振りまかれる

ことを思い出せますように

(わたしの訳)