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2020年8月の記事一覧
美学者・伊藤亜紗が考える「偶然の価値」
目が見える人は情報の大半を視覚から得ていると言われます。では、目が見えない人たちは世界をどのように認識しているのでしょうか。
本人ですら、いわく言い難いその感覚を、美学者の伊藤亜紗さんは当事者との対話から探り、自著「目の見えない人は世界をどう見ているのか」で、見るという行為そのものを揺るがしました。
伊藤さんは「雲が流れゆくのを淡々と眺めるように、身体に何が起こるかを淡々と見ていく」と言います
8月の外来の日記、のようなもの。
「僕としては手術は予定通り12月末か、1月を考えています」
と言われて驚いたのは今日の、胸部外科外来、いつも柔和な笑顔で娘に
「先生、モシモシしていいかな?」
そう聞いてから、フィリップスのラパポートタイプの聴診器を左手の掌で慎重に温めてから前胸部にそっとあてがう小児心臓外科医のK先生がはっきりとそう言ったからで、その時私は
「手術って、2ヶ月ずれるんじゃないんですか」
思わず身を乗り出