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ちえのかたまり

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2020年8月の記事一覧

「優しくつながれる場所」を作るために(1)

「優しくつながれる場所」を作るために(1)

なんと前回の記事を書いてからちょうど1ヶ月も経ってしまいました。もしご興味があれば、最後まで読んでいただけると、とてもうれしいです。

どんなことを思っていたかと言うと心理職に限らず、一般の会社員でも、そんなことは結構日常茶飯事だと思うんですけど、

「若手はわからないことが多いんじゃないか」

そんなことを思います。

僕らの仕事(心理職)は、目の前の人の手を携えたり、背中をさすったり、背中を推

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美学者・伊藤亜紗が考える「偶然の価値」

美学者・伊藤亜紗が考える「偶然の価値」

目が見える人は情報の大半を視覚から得ていると言われます。では、目が見えない人たちは世界をどのように認識しているのでしょうか。

本人ですら、いわく言い難いその感覚を、美学者の伊藤亜紗さんは当事者との対話から探り、自著「目の見えない人は世界をどう見ているのか」で、見るという行為そのものを揺るがしました。

伊藤さんは「雲が流れゆくのを淡々と眺めるように、身体に何が起こるかを淡々と見ていく」と言います

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8月の外来の日記、のようなもの。

8月の外来の日記、のようなもの。

「僕としては手術は予定通り12月末か、1月を考えています」

と言われて驚いたのは今日の、胸部外科外来、いつも柔和な笑顔で娘に

「先生、モシモシしていいかな?」

そう聞いてから、フィリップスのラパポートタイプの聴診器を左手の掌で慎重に温めてから前胸部にそっとあてがう小児心臓外科医のK先生がはっきりとそう言ったからで、その時私は

「手術って、2ヶ月ずれるんじゃないんですか」

思わず身を乗り出

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