見出し画像

気が付けば、旅

8月・・目の前が海の宿。
9月・・川の近くの宿。
に一泊した。

旅なんてずっと嫌いだったから、友達が聞いたらさぞ驚くだろうな。
しかもひとり旅。
泊まるのは旅館やホテルじゃなくて、ゲストハウス。




「何が嫌い」
ということより
「何が好き」
か、を考えていた。

しばらく考えてわたしは・・透明なものや水が好きなんじゃないかって思った。
夏が嫌いで、あの炎天下にみんなが海へ行くことがとても不思議だった。
だから海も嫌いだって思っていた。
でも海を見た瞬間「うわー!」と声をあげてしまう。川は好きだ。
もしかして水が好きなのかな・・と気が付いて夏と海を分解してみた。
見るならどうだろう。
夏でなければどうだろう。
波の音はどうだろう。
入らず触れるだけならどうだろう。
そんな風に嫌いの中を細かく砕いていったら、好きが隠れていた。

電車で片道2時間程の場所に、きれいな海があると知った。

「行って見てみたい さわってみたい」

旅慣れないわたしにとって電車での往復4時間は、日帰りで出掛けるには少し忙しない気がして、ふわっと・・泊まってみようかなと思った。

海周辺の情報をインターネットで探していると、古民家のゲストハウスを見つけた。
ゲストハウスなんて普通の旅に飽きた「旅の上級者にしか許されない宿」
だと思っていた。けれどやっぱり

「何が嫌い」
ということより
「何が好き」
を考えてみた。

古い建物や街並み、古道具屋や古着屋。
そんなものに惹かれる傾向があった。

「泊まってみたいな」と思った。

思い立ったのはお盆休み真っ只中。泊まりたいゲストハウスは貸し切り予約でいっぱいだった。
それが台風の影響で急遽キャンセルが出て予約が可能になった・・ことに大いに背中を突き飛ばされた。

そうしてわたしは旅をした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?