顧客満足度 ・・・ お客様のお名前を呼ぶ、呼ばない
顧客満足度を上げるために、ホテル・旅館などの宿泊業や飲食店は様々な努力や取り組みをされています。
提供するサービスそのもののクオリティは当然ですが、ちょっとしたことで顧客満足度をあげることができます。
それは、お客様をお名前で呼ぶこと、です。
皆さんもいろんな場面で「あ、この人は私の名前を覚えてくれていたんだ」と、うれしく感じた経験があると思います。
あるホテルで「お名前で呼ぶ」ことに取り組んだ事例
客室が100室近くあり、そのほとんどが夕食部屋出しの大規模館で、「お客様のお名前を、毎日一人4組ずつ覚えよう」という施策を行ったことがあります。
すべてのお客様を覚えるのは無理なので、せめて自分が担当するお客様はお名前でお呼びしよう、という取り組みです。
チェックイン~お荷物お手伝いの際に、お客様のお名前や特徴を頭に叩き込んだり、またメモ帳にこっそり書き込んだり、スタッフそれぞれが工夫してチャレンジしていました。
その館では私は総支配人として経営再建に取り組んでいたのですが、この取り組みでお客様からいただいた口コミがこちらです。
お客様をお名前で呼ぶ、そのことがお客様のご満足につながっていることがお分かりになると思います。
リピーター様の多い企業では、ごく当たり前のことに感じられる方も多いかと思いますが、初めてのお客様にもこのような対応を心がけると、顧客満足度 いわゆる CS を上げていくことができます。
何も投資がいらない、すぐにでもやり始められる内容です。ぜひ取り組んでみてください。
あえて「お客様の名前を呼ばない」事例
ただ、ここで注意が必要なのは、新人などまだ接客に慣れていないスタッフの対応です。
基本的にお客様のお名前を呼ぶことはお勧めしていますが、下記のような場合は注意が必要です。
・周りに他のお客様が多くいらっしゃる場合は、周りに聞こえない程度の小声で
・または、他のお客様がいらっしゃる場合は、お名前を呼ばないという選択も有り
・訳ありのお客様と思われる方は、お名前を呼ばない
以前、あるホテルで副総支配人として事業再生案件を担当していた際、ご家族でご利用いただいたお客様がいらっしゃいました。
ご滞在中に何度かお話をしたのでそのお客様のことは覚えていたのですが、半年ほど経って、そのご家族のご主人が若い女性とお二人でご利用になりました。
もちろんお名前は憶えていたのですが、「当館ご利用は初めてでいらっしゃいますか」とあえてお伺いし、お名前は出しませんでした。
そもそも以前にご利用があったかどうかは、ホテリエとしては事前にチェックすべきことで、この質問自体おかしい内容ですが、お客様は「はい、初めて利用します。」とお答えになりました。
その後、お部屋に行かれる際にこっそり振り向いてウインクと軽い会釈、私もウインクとお辞儀で応えました。
このような対応ができるかどうか、これは経験を積むことが必要です。新人スタッフやまだ離れしていない子には、上司や周りの人がサポートしながらアドバイスしてあげてください。
お名前を呼ぶこと、そして呼ばないこと、それだけでお客様の満足度を上げることができます。ぜひ取り組んでみて下さい。
当社HPに掲載されている、同じような内容のコラムです。宜しければこちらもご覧ください。
株式会社ディライティングオール 概要
MISSION:お客様の「人生に銘す想い出」を創造する
■ ホテル・旅館および飲食店の事業再生、経営改善、サービス改善に関するコンサルタント業
■ ホテル・旅館および飲食店の運営受託
■ 地方創生・地域再生およびブランディング戦略などのコンサルタント業
事業再生・改善が必要なホテルや旅館、飲食店の個性を活かしながら、それぞれが独立した経営を保ち、お互いに弱点補強・補完できるアライアンスを作り上げます。
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