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新井由木子【思いつき書店】

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「思いついたことはやってみる」と言うのは、とあるおしゃれカフェの中の小さな書店「ペレカスブック」店主であり、イラストレーターでもある新井由木子さんです。世界文化社deliciou… もっと読む
運営しているクリエイター

#エッセイ

自分の着たい色を着たら青いキャラが立ちすぎた/新井由木子

 袖を通さずに大切にとっておいたのは、『たかね裁縫所(vol.57 昔、オシャレだった参照)』…

指摘したって仕方ない/新井由木子

 世の中には「なすすべがない」ということが往々にしてありますが(思いつき書店vol.074 なす…

語尾がばっかす/新井由木子

 あれは、まだうら若き20代だった頃のこと。実家の2階にある自室で眠っていたわたしは、玄関…

コロネカフェはじめました/新井由木子

 草加駅にほど近いsoso cafeは、おむすびを販売していましたが、この度リニューアルして、『…

なすすべはない/新井由木子

 島暮しの長閑(のどか)な夕刻に、その不思議な電話は連日かかってきたのでした。  今から…

ラストタイツ・ノータイツ/新井由木子

 絵描きのキヨシちゃん(思いつき書店vol.031 キヨシと地図を作る 参照)が、タイツのお下が…

わたしがジャック・ニコルソンになった夜/新井由木子

 わたしの営む書店ペレカスブックは、分厚いほっとけーきが人気のカフェ・コンバーションの中にあります。  イラストレーターを兼業しているので、店番をしつつラフ制作なども行っていますが、仕事の重要な部分は集中が必要なため、閉店後の作業になります。  お客さんもスタッフも居ない店内はひたすら静かで、しかも家と違ってお酒を飲みたくなったりなどの雑事への誘惑もなく、それはそれは仕事がはかどるのでした。  締め切り間近の仕事に取り組んでいたその日、夜も更けたころに、わたしが悲鳴を上げつ

地獄底/新井由木子

 さんざん時間とマネーを費やして、最終的に地獄の底が開いたお話です。  あれは3年ほど前…

クレームは思いやりをもって/新井由木子

草加の、とあるおしゃれカフェの中の小さな書店「ペレカスブック」店主であり、イラストレータ…

ダブル帽子/新井由木子

「思いついたことはやってみる」と言うのは、とあるおしゃれカフェの中の小さな書店「ペレカス…

叔父の葬儀/新井由木子

 叔父の葬儀に参列するため、伊豆諸島の新島に行ってまいりました。  長い間、病と闘ってい…

お友達になってください/新井由木子

 SNSには『友達申請』という残酷なシステムがあり、一日中悩んだ末に勇気を出して「友達にな…

鍵が無い/新井由木子

 カフェコンバーションの鍵が無くなりました。  鍵は通常わたしたちしか知らない秘密の場所…

草加の小さな神社の小さなお祭り/新井由木子

 その小路は父の生まれた草加にありながら、不思議と母方の祖父母の住んでいた伊豆諸島の新島を思わせる、懐かしさがありました。  少し湾曲した道の両側に並ぶ、古びた民家とくすんだコンクリートの塀。そこから見える空にビルディングなど都会の建物の気配がどこにもないところ。そして、その小路の脇にある古びた神社の、草ぼうぼうで地面がでこぼこで、これもいかにも新島にありそうな場所に、幼い娘と散歩がてら立ち寄るのが楽しみだったものでした。  娘は小さな祠(ほこら)の前で 「あそばせてください