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梅雨とビールと上野飲み①

短い春はとうに過ぎ、梅雨とビールの季節が迫っている。

季節はずれの夕立と蒸し暑さのせいで上野の街はモヤッとした空気に包まれていた。

不快度MAXの心身に、稲妻のように衝撃を与えてくれるのは、キンキンに冷えたビール。
この季節を待ち構えたと言わんばかりに、今年もわたしはビールを爆飲し、梅雨を乗り切りたい。

上野は酒飲みの桃源郷

先週、仕事を終えたわたしは上野で1人飲みを楽しんだ。

この前の赤羽と比べ、街全体が活気に溢れ、早くも自粛ムードから解き放たれた人々は、小躍りしてるかのように上野の街を行き交っていた。

上野は朝から飲める場所なので酒飲みにとっては桃源郷だ。

夜勤明けの酒飲みのことも温かく迎えてくれる楽園なのだ。

山手線の高架に沿って小さな店がひしめき合い、店からはみ出たところにもテーブルが所せましと並んでいるので、屋台で飲んでるような気分も味わえる。

外飲みの醍醐味、それはお客さんたちのやり取りや食器が触れ合う音といった賑わい、酒場特有のあのガヤガヤした感じだ。
これらは素晴らしいアテになるのだ。

静かな場所で飲むのも好きだが、適度にガヤガヤしてる方が雰囲気も楽しめる。
どんな安酒でも美味く感じるのだ。

1軒目、大統領本店

JRの高架下にある老舗のもつ焼き屋さん。
いつも満席で入りたくても諦めることが多いが、その日は運良くすぐに通してくれた。

わたしが座ったのは正面、奥の席。
カウンター全体を見渡せる席で、他のお客さんが1杯やってるのを肴にして楽しめる「特等席」だ。

ぶっきらぼうだが、根は優しいであろう店員のお兄さんに瓶ビールと煮込みをお願いする。

先に来たビールをグラスに丁寧に注ぐ。
そしてグイッと一口で飲み、身体の疲れと心の汚れを落とす。
わたしにとってお清めのようなものだ。

程なくして名物のもつ煮込みが来た。
大統領のもつ煮込みは馬もつを使っており、あっさりとした味わいなので、冷めても美味しく食べられる。
豆腐には味がしっかり染み込んでいる。

遠くに目をやり、もつ煮をつつく。
そしてビールを流し込む。
普段から生きづらさと悩み事を抱えて生きるわたしにとって、貴重なチルタイムだ。

もつ煮とビールの次は、レモンサワーと串焼きの盛り合わせ。
串焼きはレモンサワーと合わせるので、こってりタレ味にした。

レモンサワーは注文してすぐに来た。
今度は見た目はいかついが、愛想の良い店員のお兄さんだ。

ここのレモンサワーは変わっている。
焼酎と氷がたっぷり入ったグラスにレモン味の炭酸を自分で注ぐスタイルなのだ。
グラスに炭酸を注ぐとシュワシュワと耳触りの良い音が聞こえる。
冴えない気候に一服の清涼感を覚えた。

もつ焼きが来るまでレモンサワーをチビチビ飲む。
しばらくするともつ焼きが来た。
香ばしく、照りのきれいなもつ焼きは、五感でお腹を満たしてくれそうだ。

今か今かと待ち構えていたので、写真を撮る前に手をつけてしまい、食べかけの写真となった。

パンチの効いた酸味のレモンサワーには甘辛い味付けのもつ焼きが合う。

サワーを飲み干し、もつ焼きを間食したところで、お勘定。

お酒2杯、おつまみ2品で1800円。
40分足らずの滞在だったが、1800円以上の満足感が得られた。

長くなったので2軒目は次の投稿で。

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