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半年間の育休が最高すぎたので、ぜひみなさん取ってほしい

2019年6月にむすこが誕生し、2020年1月5日までの約7ヶ月、育休を取得しました。

その半年間がとにかくもう人生有数の素晴らしい時間を過ごせたので、この機会にまとめておければと思います。

つべこべ言わずに取ってほしい!

ちなみに、私は30歳の都内在住・勤務の男。今年1月、すでに職場復帰しています。妻は同い年で同じく都内勤務、むすこの保育園入園を控える今年3月まで育休中です。

育休を取るまでは、わからないことだらけでした。

■そもそも夫の自分が育休を取って、どれだけ意味あるの?
■育休中って何するの?
■半年間ってめっちゃ長くない?
■「仕事より大変」って言ってる人もいるけど、実際どうなの?

ギモンだらけではじまった育休。でも半年間を終えた今、育休取得を考えている貴兄にお伝えしたいのは、

つべこべ言わずに取っちくり〜〜!!!!!

です。もちろん、ご家庭の事情もあると思います。奥さんが里帰り出産するから大丈夫、という人もいるでしょうし、家事全然やったことないからできるかな…という方や、奥さんからすれば「旦那に家にいられた方が迷惑」という辛辣なご意見もあるでしょう。

私の場合は夫婦共働き、お互い両親はまだ現役で仕事をしており、また私個人的にも育休を取ってみたいという気持ちがあったので、ほとんど迷わず育休を選択しました。幸い、自分が今勤めている会社もベンチャーで同世代が多いためか、快く送り出してくれた気がします。ドキドキしながら最初「まぁ、1ヶ月くらい…」と希望期間を人事担当に伝えると、「え!1ヶ月でいいんですか?もっと取るかと思ってました!」とまさかの神反応。その後、妻や会社とも話し合って半年でお願いすることになりました。感謝。

とはいっても、冒頭で書いたような「実際、育休取って何をするんだろう?」という疑問は自分自身残ったまま。そこでこの記事では、

「育休って実際どうなの?」「何してたの?」「楽しいの?」「辛いの?」「やっぱ子どもかわいい?」「どっち?」「ねえ」「どっち?」

などなどの疑念を解消するために、育休中のあれこれを振り返りつつ「育休取って良かった!!」と個人的に感じたことをご紹介できればと思います。あくまで個人の感想ですので、これが正しいとかはありません。あくまで個人の育休です。

育休取って、何が良かったか。まずはこちら!

一番たいへんな時期を共有できる

育休取ろうかな、と思っている男性の方にとにかくお伝えしたいのは、「子どもが生まれてすぐ取ってくださいNE!!!!」ということ。この時期が一番たいへんですし、この時間をともに過ごすことでその後の夫婦関係にも大きく影響してくると思いました。私の場合は、生後5日間は妻とむすこが入院していたので、退院と同時に育休をはじめました。はじめて3人で、自宅に帰ったときの感動は忘れることができません。

出産直後、母体はすごくダメージを受けています。私の妻は出産の際の傷が完治するまで、およそ3ヶ月かかりました。とにかく痛くて辛くてしんどい休みたい時期に、ワンオペで育児&家事なんて無理です。私の場合は代替不能な授乳を除いて、基本的に私がすべての家事と、オムツ替えをはじめ諸々の育児を担当し、妻には授乳以外できるだけ休んでもらうようにしました。ほかにも2人でやる意味はあります。夫婦ともども育児初心者のこの時期に、「ミルクこの温度で大丈夫かな?」「ギャー!ウンチかけられた!!!!」みたいな経験を2人でできることがとても大きいのです。それによって、、、

夫婦が結束する

これです。夫婦のコミュニケーションが増え、結束が強まりました。1日中ずっと一緒にいるので当たり前ともいえますが、育児においてコミュニケーションは欠かせません。「オムツってもう交換してくれたっけ?」「さっきミルク50ml飲んだから次は少し増やしてみようか」みたいに、こまめに確認し合うことでお互いのストレスも少なくなり、育児もとってもスムーズに進められるようになりました。それプラス、先に触れたように、突然ウンチを噴射したり何しても泣き止まなかったり、ラグビーボールのように予測不能な動きを見せるむすこと格闘した結果、夫婦間のチームワークは過去最高に強化されました。大変な時期を乗り切ったことによって互いの信頼も増した気がします。

育児と仕事は単純に比較できませんし、「いや〜育児って仕事よりキツイわ」みたいな言い方は潜在的な「仕事の方が上」感が見え隠れして実にイヤなのですが、課題に対して仮説を立ててコミュニケーション取りながら乗り越えていく、みたいなことは共通するかもしれません。まぁ仕事だとあんまできてないんですけど…。

子どもの小さくて大きな変化に気づける

育休を取って最大級に良かったことは、むすこの小さな変化に気づけたことです。育児をはじめるまで、新生児・乳児期のライフイベントは「首がすわる」「寝返りする」「つかまり立ち」くらいしか想像できませんでした。しかし、子どもの成長にはそうしたビックイベント以外にもたくさんの変化がありました。例えば、「ものを目で追うようになる」「対象を認識して手で握るようになる」「笑い方が反射的な笑いから本当に”快”の笑いに変わってくる」など、発達の段階によって、小さいようで大きな成長が次々と現れてくるのです。

成長を「報告」でなく「体験」できる

そんな1つ1つの成長を目の当たりにし、「体験」できたのは何にも替え難いことでした。おそらく、育休を取らずに普通に仕事していたら、毎日仕事から帰ってきて「今日寝返りが打てるようになったよ」「今日予防接種に行ってきたよ」など、妻からむすこの変化や日常を「報告」として聞くだけだったでしょう。しかし、毎日一緒にいることで、妻とすべてを体験することができました。仕事に疲れていたら「ああ」「ふーん」と生返事していたかもしれませんし、その変化の意味や大きさに気づけていなかったかもしれません。

ではここからは、日々の生活で「これよかったな〜」と感じたことを…。

「見えない家事」が見えるようになる

よく、家事には「掃除」「洗濯」「料理」などの定番家事だけではなく、見えない家事があると言われます。私もご多分に漏れず、それまで消耗品の補充などは妻が何も言わずにいつも交換してくれていました。しかし育休中は、必然的に消耗品のストックなど自分で把握するように。そうして私は気づきました。彼女が細かいことまで家のことを見てくれていたこと、それは「見えない」のではなく、私が「見てない」「見ようとしてなかった」だけだったことに…。

野菜の安売りを全把握できる

育休中の毎日の食事は私の担当。といっても3食すべてを作るわけではなく、夕食をたくさん作って、朝はシリアル、昼は冷蔵庫の余りもののルーティン。なので私が作るのは夕飯だけです。だいたい夕方になると買い物タイム。それまでは一番近いスーパーで買い物していたのですが、試みに自転車で近所の八百屋や別のスーパーを開拓することにしました。すると、断然こっちの方が安いじゃねーか! そこで、行ける範囲の八百屋やスーパーをまわりまくって比較検討する日々が始まりました。

同時に「オレンジページ」「レタスクラブ」などの雑誌を熟読し、「近所のスーパーの肉・野菜の底値を把握し、その日にだけ買う」「野菜は大量購入し、切って冷凍すれば腐らせないしすぐ料理に使える」などスーパー主婦諸氏の金言に従って、野菜を買うならここ、肉はここと決め、週の安売りセール時に大量に購入。帰宅すると一気に切りまくってジップロックに分別・冷凍する日々。冷蔵庫に貼ったホワイトボードに冷凍・冷蔵中の野菜リストを書きつけ、それをにらみつつ夕飯を考えることに喜びを感じていました。最初のころは毎日いろんな国の料理を作るなど非常に気合いが入っていましたが、だんだん力尽きて同じメニューになりました。

家事・育児に自信が持てる

家事や育児を毎日やることで、だんだん「自信」が持てるようになります。例えば週末にしか家事・育児に携わらない場合、自分が子どもをあやして泣いたら「ああ、オレが抱っこしたから泣くんだ」と思うかもしれません。あるいは、たまにやった家事で「ああ、そのやり方じゃない!!」と言われたらシュンとなるでしょう。でも、毎日子どもと接し、家事をすることで、まず家事に関しては自分で一通りすべてこなせるようになります。子どもに関しては、「誰があやしても、泣くときは泣く」と達観します。

たぶん育児に限らず、仕事などでも自分が知らないこと、やったことがないことには自信が持てませんが、一回やってみると「ああ、こんなもんか」とわかり、やり続けることでノウハウや勘どころも体得できます。もはや「俺は仕事!家事育児には関わらん!」なんて令和におけるポイズンですし、家庭の中で「できること」が増えれば自分の心も安定してくるので、いいことずくめ。実際、育休終了後に、妻が友人の結婚式で外出して1日むすこと一緒に過ごした日がありましたが、これまでの延長なのでそんなに慌てることもなかった…ように思います。

子どもが寝たあと最高にまったりできる

子どもの笑顔を見れば疲れも吹っ飛ぶ!……と言いますが、1日中一緒にいると笑顔だけで疲れは吹っ飛ばないことがわかります(癒されるけど!!)。「1日の育児の終わり」とは、とにもかくにもむすこが寝てくれること。結局数時間で起きてきてしまうのですが、とりあえず夜10時くらいにいったん寝てくれると、ようやく夫婦の自由時間がはじまります。妻はお菓子、私はお酒で乾杯し「今日もお疲れ様でしたー!」と2人でハイタッチする瞬間がほっと落ち着けるとてもいい時間でした。

育休2ヶ月目から視界がひらけまくる

育休1ヶ月目は、今思い返せばすべてモノクロで思い出されます。私は慣れない家事育児、妻は母乳の出や体調が安定しない中でお互い睡眠不足、夢うつつをさまようような日々でした。しかし2ヶ月目の後半くらいから急にカラーテレビのごとく日々が鮮明になり、3ヶ月目以降は4Kばりの解像度になりました。これはむすこの生活リズムが安定したり、私たちが育児に慣れてきたり、妻の体調も回復してきたなど、複合的な要因によります。

むすこに合わせて我々の生活リズムも安定してきたことで、「あれ?もしかして、今って、休み時間……?」みたいな奇跡的状況が定期的に訪れるようになりました。おそらく、1人だとそれでも家事育児でなかなか毎日手いっぱいになってしまうと思うのですが、2人いることでお互い交替しつつ休み時間を取ることができました。このあたりから、本当の意味での育「休」がはじまったように思います。

「やれたのにやんなかったこと」ができる

自由時間ができてくると、これまでできていなかった家のことをできる時間が生まれました。電気・ガス会社の見直し、夫婦共有の口座開設などなど、今日でもできるけど、なかなか仕事しながらの週末時間だと腰が重いあれやこれやを、妻と一緒に話し合いながら決められたのはよかったです。育休関係なくやっとけや、という話ですが。

甲子園を全試合見れる

生後2ヶ月目がちょうど8月だったので、家でひたすら甲子園を見ていました。妻は甲子園が大好きで「毎日、全試合見られるなんて今しかない!」と意気込み、リビングに赤ちゃん用ふとんを敷いて、2人でむすこをあやしながらずーーっと甲子園を見てゴロゴロしていました。家でクーラーをつけながら、平日に、甲子園が見られる! 1ヶ月目の大変な時期を思うと、たった1ヶ月でこんな幸せな時間が訪れるなんて…と2人で感激しました。ちなみに夏の時期は猛烈に暑いので外出は短めにして、家でやんわりクーラーつけっぱなしにして過ごしていました。

平日に旅行に行ける

時間の余裕が生まれて、思い切ってやってみたのが「旅行」です。むすこが生後半年にも満たない中で旅行することはリスクも生じますが、飛行機代やホテル代がかからなかったり、繁忙期を避けて平日に行けるなど、逆にこの時期に旅行に行くメリットもあります。あまり予定を詰め込みすぎないよう注意しながら、生後3ヶ月のときにはじめて私の実家がある大阪へ。続けて福岡、沖縄、果ては育休最終月の6ヶ月目に海外旅行(ドバイ)にまで行きました。現地では我々が先に疲れてしまい、むすこは変わらず元気でしたが、いろいろ行き過ぎて知らないうちに負担になっただろうな…とやや反省。

ドバイでは、電車で必ず席を譲られたり、どのお店でも「ベイビ〜、キュート!」と店員さんが歓待してくれ、日本と比べて格段に赤ちゃんフレンドリーな状況に「ああ、子連れがどこでも受け入れられる環境ありがてぇ」と感じました。まだそんな日本で嫌な経験をしたことはありませんが、どうしても移動のときなどは周囲に迷惑をかけてないか、気を遣ってしまいます。そんなときにニコニコ微笑みかけてくれたり「味方ですよ」感を出してもらえると、ものすごくホッとするものです。

保活にガッツリ関われる

育休も後半戦になってくると、いわゆる「保活」なるものが始まります。保育園の募集は11月末〜12月頭。それまでに希望する保育園を決めておく必要があるため、私たちの場合は9月(生後3ヶ月)くらいから、歩いて行ける近所の保育園をリストアップして見学をはじめました。見学することでそれぞれの保育園の雰囲気や保育方針の違いなどがよくわかりましたし、希望度の高い園では体験保育(園児にまじって午前中の間、部屋で一緒に過ごす)をさせてもらい、より具体的にイメージすることができました。

保育園の見学はどこも平日の午前とかなので、仕事していれば休みを取らないと行けません。先ほどの「報告と体験」の話にもつながりますが、これも仕事から帰って「今日はこの保育園がよかった」と言われてもなかなかイメージできなかったでしょうし、結果的に妻にお任せすることになっていたでしょう。これも2人で色々見て「ここにしたいね!」と決められたことは大きいことでした。まぁ、そこに入れるかはまだわからないんですが…。

かわいい我が子にいつでもちょっかい出せる

さて、半年の育休が終わって仕事に復帰した今、忙しさから逃れるようにデスクでむすこの写真を見ています。でも、会いたいと思っても、仕事が終わらないと会えません。これまで普通に、家で、目の前にむすこがいたことがなんと贅沢だったのかと驚愕します。

そう、ここまであえて強調して来ませんでしたが、子どもは猛烈にかわいいのです。私はこれまで、自分の子どもの写真をこれ見よがしに見せてくる人を「あまり好ましく思わない」タイプの人間でした。しかし、子どもができた人はみな口を揃えて「子ども超かわいいよ!」と言います。私はそんな言説に惑わされないよう心の鎧をしていたつもりでしたが、あどけなくニコニコほほえむむすこを前に、秒で武装解除してハグしました。妻ももちろんかわいがっていますし、ジジババとなった私の父母は、実家に連れていくとこれまで聞いたことのないような声を出してあやしています。もはや、我が家系図に客観的にむすこを見られる人間は存在しません。

むすこかわいい!みんな見てくれ! 街に出るとあえて周りから見えやすいようにむすこを抱く。スマホの待ち受けを見た人の「息子さんですか!超かわいいですね!!」を常に待ちわびる。我慢できずに「見て見て!」と動画を見せて「いいね!」を強要する。なりたくなかった、しかしならざるを得なかった自分がそこにいます。それほどまでに子は親を盲目にさせるのです。そんなかわいい我が子がいつでも目の前にいて、いつでもハグできて、「おーい」と呼びかけられて、ほっぺをプニプニしたりできるのは、育休を取った人の特権中の特権かもしれません。

結論1:半年間でちょうどよかった

子どもが生まれる時期にもよると思いますが、私の場合、育休の期間は半年間がベストでした。2、3ヶ月だと、大変な時期は共有できたでしょうが、ゆったりと家族で過ごせる時間は少なかったでしょう。4、5ヶ月目で保活もじゅうぶんやれましたし、最後に余裕ができた時間で旅行にも行けました。これ以上休みを取ると罪悪感が生じそうなほどに半年間あっという間の、楽しく充実した時間を過ごせました。

結論2:育休取るべし!

これまで書いてきたように、夫が育休を取る意味はめちゃめちゃあります。妻の負担を軽減できる意味でも、子どもの成長に関われる意味でも。妻にとっても、子どもにとっても、自分にとっても、取って良かったと思います。半年取るのはなかなかハードルが高いかもしれませんが、環境が許すなら(許さんでも)全然取っちゃっていいと思います。仕事にもなんとか戻れていますし、休みまくっていた分、今は異常に仕事が楽しく感じられています。育休を後押ししてくれた人事担当はじめ、育休&復帰を快く受け入れてくれた会社のみなさんに感謝です。

育休はもらうものではなく、取るものです。取得するには職場に根回ししたり引き継ぎしたりけっこう勇気やカロリーが要ると思いますが、その先には何にも替え難い時間が待っています。半年が難しければ、せめて最初の2ヶ月。大変ですが、最高級の充実した時間が過ごせること請け合いです。ぜひ育休を取得して、幸せ育児ライフを送ってください!


そしてもちろん、半年で育児は終わりません。これからもずっと育児は続くし、色々聞いてるとむしろこれからが一番大変らしいぞ!という自らへの戒めを書き添えて、筆を置く次第です。

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