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PdMマネージャーとして入社して行った4つのこと〜対組織編〜

heyに入社して8ヶ月が過ぎました。早い。とても早い。

2021年7月半ばに入社し、今は「STORES」と「STORES レジ」のプロダクト責任者をしています。プロダクトマネージャー(以下PdM)5人のマネージャーでもあります。

既にある組織にマネージャーとして入社するのはドキドキしますよね。何を考えて何を行ったのか、参考になるかもしれないと思い書きます。ただ行ったことが多く、長くなるので、今回は「対組織編」です。

基本の構造として考えていること

マネージャーとして入社するからには、状況を理解し、信頼を得て、新しい風として新しい価値を組織にもたらす必要があります。基本的に以下をいつも頭に浮かべています。

理解して信頼が築けてはじめて改善が効果を出す

これをベースに話を進めていきましょう。

1)関係する人と1on1しまくる

まずは1on1をお願いして回りました。各部署のマネージャー陣はもちろん、各部署の現場キーパーソン、私が関わるプロダクトのPdM、エンジニア、デザイナー1人ひとりなど。

1on1した人は50人以上。自分の役割の広がりに合わせて今も継続して、1on1したことのない方に声をかけ続けています。

この時の話し方として大事なことは、自己開示→相手の話を聴く→肯定する→相手の話を聴くの順番で行うこと。

人は知らない人に対峙した時、まず警戒心を抱きます。「この人は自分に危害を加える人か」「無能と思われたくない」など。だからこそこちらの自己開示からスタートです。実際に最初に話した内容は以下のような感じです。

  • 私は何者か

  • 何の目的でこの会を持ったか

  • 話した内容ですぐさまあなたを評価したりしない

また、目的の部分は具体的には以下を教えて欲しいと伝えました。

  • あなたがどんな仕事をしているか

  • 好きな仕事と嫌いな仕事は何か

  • 今、何を課題と感じているか

  • PdMとして入社した私への要望

そうして話をしていくわけですが、話してくれたことには基本、肯定のアクションで返すようにしています。正直、一人一人のviewに正解も不正解もありません。あなたはそう感じている、こう考えている、という事実をただ受け止めることが大切です。

さて、なぜこんなに1on1をしているのかには3つの理由があります。

1つめは、「組織を多角的に認識するため」
PdMの仕事には、多くの方との協業が必要です。
それぞれの方がどんな仕事を、どんな気持ちで、どのように実行しているか。どの部門に負担がかかり、どのコミュニケーションルートに課題があるか。これらを把握したいためです。
1つの視点だけでは判断やコミュニケーションを誤りかねないため、まずは組織の全体像を解像度高くつかむようにしました。

2つめは、「声をかけてもらいやすくするため」
「何か困ったことや、気になることがあれば気軽に言ってください」と言ったところで、一度も話したことのない人に「困ってます」とは言いづらいものです。現実的には、相当困ってからやっと声をかけてもらえる、といったところでしょう。
ただPdMとしては、課題の芽は早い段階で認識しておきたいもの。一度しっかり話して、人となりをわかってもらい、警戒心を解いてもらえることは非常に大事だと思っています。

3つめは、「メッセージを適切に表現するため」
相手の立場や想いを知らずに発信したメッセージは、意図せず誰かを傷つけやすくなります。
PdMであれば、プロダクトの方針を決め、伝え、浸透させていく必要があります。意図しない悪い作用は全く望んでいません。
一度話したからといって、それが全くなくなるわけではありませんが、知っているからこそ適切な言葉を選べる可能性は上がると考えています。

2)自分のマネジメントスタイルをメンバーに伝える

マネージャーがどんな人かで、仕事のやり方ややりやすさは変わるものです。わざわざメンバーに、私のマネジメントスタイルがどんなものかを様子見をしてもらう時間を割いてもらう必要はないと考えています。そのため、早期にメンバーに対して直接、私のマネジメントスタイルはこうですと話しました。

ここでも、自己開示と相手の理解をベースに話します。ざっと書くと話したことは以下です。

  • 私の役割はメンバーの成果が出るようにすること。最大限、本人のwillに合わせた仕事の任せ方をします。希望があればなんでも言ってください。

  • できるだけ裁量を渡したいと考えています。決められたことの実行ではなく、WhyとWhatから考える仕事の仕方を重視します。自分で自分の仕事に責任を持って、結果もちゃんと受け止めてください

  • 一度失敗したからといって、仕事を取り上げるようなことはしません。次にそれより良い結果が出るように頑張ってください。失敗を恐れず、どんどんチャレンジしていってください。

  • 私の役割として、プロダクトの方針や基準は定めます。本質的な動きになっていないときはツッコミをいれます。何か大きな問題が起きたときは引き取ります。

  • この場は私たちの安全地帯、HOMEです。孤独になりがちなPdM同士が相談したり学び合ったりできる場にしていきます。しんどい、わからないと弱音を吐いても悪い評価はしません。安心していつでも帰ってきてください。

  • 1on1を定期的に実施しますが、極力コーチングベースで行います。1on1以外でも何かあればいつでも気軽に声をかけてください。

ただ一方的に言うのではなく、できるだけよい空気感を作り、相手の感想を聞いたりしながら丁寧に話しました。またPdMメンバー以外でも見られるように、社内ドキュメントにも書いて公開しています。

3)情報を集め、深く伝える

マネージャーの私と、現場PdMメンバーたちに判断の差が生まれるとすればなぜでしょうか。いろいろな要因がありますが大きな部分として、情報量とその理解の差があると思っています。

マネージャーはその立場上、意思決定に重要な情報が多く手に入りやすくなります。まずは、その情報をできる限り多くPdMメンバーたちに渡す必要があります。

図にすると以下のようなイメージです。メンバーが正しく意思決定できるのはAの範囲、マネージャーが正しく意思決定できるのはBの範囲になります。できる限り多くの情報を渡すことで、AはA'の範囲に拡張されます。

情報の量を増やすことで範囲が広がる

ただし、視座、経験、周辺情報の知識やアナロジー力などにより、同じ情報を入手してもその理解の深さには差が出てしまいます。そのため、その情報を理解するための手助けをし、A'の範囲を大きくしています。

理解の手助けでさらに範囲が広がる

もう少し具体的に話しましょう。

たとえば、事業戦略があり、それに合わせて事業部の目標を設定したとします。その情報を伝えるときに、ただ「この戦略でこの目標になりました。」と伝えるのではなく、そう決めるに至った背景、理由、思考プロセス、各職種役割からの視点といった関連情報も一緒に伝えます。これが情報の量です。

そこに対して、ディスカッションをしながら理解を深める支援をします。たとえば以下のような話をしています。

  • XXXのファクトから〇〇〇という判断になるのがなぜかがわからない、などの疑問を拾い、意見を聞きながら話す

  • どこに不確実性があり、どこにはないかなどファクトをなぞる

  • マーケットや競合に対する理解度を確かめ、視点を補足する

  • マクロの視点、ミクロの視点両方を行き来して理解を深める など

このときにも、あくまでも自己開示や相手の理解を重視します。意見や疑問を真摯に受け止めてもらえるとわかるからこそ、健全なディスカッションが成り立ちます。また時間をとってこういった話をすることで、組織全体としてのアウトカムが大きくなると考えています。

一方で、これを行うためには、自分自身の情報の量とその理解度を上げる必要があります。そのために例えば、自分からTOPに壁打ちに行ったり、mtg以外でも必要に応じて様々な役割・立場の人と話をしに行ったりしています。

4)採用をがんばる

最後の見出しはこれか、と思う方も多いのではないでしょうか(笑)
現状どのスタートアップ企業もそうだと思いますが、PdM不足です。これは重大なボトルネックです。

マネージャーとしての私の仕事は、その組織から生まれるアウトカムを最大化することであり、ボトルネックであればそれを解消する必要があります。

ということで、私は入社1ヶ月後には採用活動を行っていました。入社1ヶ月だけどそれがなんだ、です(笑)

もちろん入社1ヶ月では語れることに限りがありますが、数を重ねて何度も話したり、さまざまな質問を受けることで、逆に自社理解も深まり、説明も上手くなります。

臆さず必要なことはやる。とにかくやる。その一言に尽きるかなと思っています。

おわりに

読み返してみると当たり前のことばかり書いていますね。
ただ自分が何かに挑戦するたびに、基本をちゃんとやることの大切さを身に染みて感じています。どうすればいいか迷って持っている本を読み返すと「ここに書いてあったじゃん!」と反省する経験を何度もしています(笑)
そんな私の経験談が、誰かの役に立てば幸いです。

そしていまも採用コミットしているので、私でもheyにでもご興味が湧いた方はぜひお気軽にご連絡ください。いきなり応募はな〜と思う方は、本当に気軽に私のTwitterのDMで話しかけてください!


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