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ドヤドヤされてフムフムする。カクテルやバーを好きになること。

「ジントニックはバーテンダーの腕が試される。バーテンダーの腕を見るときは、ジントニックを頼むとええねん」

これは、昔上司が私をバーに連れて行った時に語ってくれたうんちくである。うんちくか?豆知識か?物知りマウントか?わからないが、バーに馴染みのない私が注文に困っていた時に言われた言葉だったと記憶している。

私はバーに自分から行ったことがない。連れて行ってもらってばかりで、合計でも両手で数えられる回数くらいだと思う。ほとんどは上司や会社の偉い人だった。それも、北新地のひっそりとした、「知る人ぞ知る」みたいなバーだ。お店とお店の間にある、飾り気のないドア…。ちょっとした地下にある、窓のない店の入口…。隠れ家的とは、このことか。

私はバーが苦手にもなった。先に挙げたような店にはまずメニューもないし、なんかツウ感がすごいし、「おしゃれな店の店主と馴染みなんだぜ俺マウント」みたいなのも同時に受け取っていた気がするからなおさらだ。急ピッチで苦手意識を植え付けられたからだと思っている。

普段飲むのはビールか日本酒、たまにハイボールだ。日本酒は銘柄を眺めて気になるものを頼むことができるが、カクテルについてはそれほど知らない。いわゆる居酒屋で見かけるジントニックとかカシスオレンジなどは名前はわかるが、実際なんなんだろうね。あまり飲まないからね。みたいな気持ちだ。冒頭の経験から、かろうじてジントニックやジンバックはわかるようになった。そういったお店で困ったらこれを頼む。好きな範疇だとも思う。

カクテルはミクスト・ドリンク(Mixed Drink)のこと。氷や器具を使って冷やしながら酒と何かを混ぜたり、あるいは温かい飲み物と酒を混ぜたりといろんな方法でつくられたものをカクテルという。
簡単にいえば、ある酒に別の酒をミックスしたり、ソーダ水やソフトドリンクなど何かを加えて、新たな味わいを創作したものである。
カクテル=酒+何か(Something)
つまり、何気なく飲んでいるウイスキーの水割やソーダ水割(ハイボール)もカクテルになる。こうしたシンプルなミックスによってでき上がるカクテルもあれば、つくり手、飲み手の創意工夫によるさまざまな何かと組み合わせて生まれるカクテルもある。
組み合わせは自由であり、それゆえに数えきれないほどのカクテルが誕生していく。
カクテル入門 定義と語源

カクテルについて調べたら、サントリーさんの激渋なページが出てきた。
そうか、案外普通に飲んでいたハイボールもカクテルなんだ。
では修正。ビールと日本酒と、喉が乾いたらハイボールを飲むこともあるので、私はカクテルも嗜む人間です。
ところでチューハイってなんなんだろう。

「チューハイ」はシンプルに、カクテルは組合わせが楽しめる飲み物です。味わいの特徴としては、「チューハイ」がスッキリしていること、「カクテル」はフルーティで甘いことが挙げられます。
「チューハイ」と「カクテル」の違いはなんですか?

同じサントリーさんなのに、こっちはカクテルが甘いと言いだしてしまった。そう、私もカクテルは甘いものと認識していた。言われてパッと思い浮かぶのがカクテルグラスに注がれた青い液体、さくらんぼも添えられている、おしゃれな飲み物……。みたいな光景だ。

しかし、ジントニックやハイボールもカクテルということなので、カクテルは守備範囲が広すぎる。お酒の種類というより、カクテルは概念なんだろうな。概念ってなんだ。

「お酒が好き」で、私とは異なるジャンルのお酒を嗜む方の話を聞いた。

前置きが長くなった。前回に引き続き、harukaさん(@0o0haruka0o0)に聞いたharukaさんの普通の話。お酒が好きだということで掘り下げると、もっぱらカクテル派らしい。私もお酒は好きだが、カクテルを主として嗜む人は周りにあまりいないから新鮮だ。

バーに行くのも好きだし、作るのも好きだという。そういえば、ある時から家でハイボール作るブームがきていたことを思い出した。私も一人暮らしの際に試しに作ったが、どうにも満足する味にならないし、炭酸水が有効に使えないしであんまりいい思い出ではないことも思い出してしまった。

冒頭に書いたとおり、苦手意識のある私はバーという場所に自ら進んでいくことがない。初めて見たバーをスタンダードと思ってしまってはいけないんだろうな…。

harukaさんも、もとは誰かに紹介されて行くようになり、今では(食べ歩くのが好きでもあるため)お店の開拓もされているそうだ。

そもそも親がお酒を嗜むようで、母のすすめでカシスオレンジを飲んだのがきっかけだったという。
私が冒頭連れて行かれたような、バー・オブ・ザ・バー(俺たちの考える最高にクールなバー)ではなく、割と入りやすいお店もあるし、そもそも居酒屋でもカクテルは扱っているし、そこでは何を混ぜたものかが書いてある。親切。そういったお店で気になるものを頼んでみる。甘いものより、グレープフルーツ使ってるものが好みだと感じて、ブルドッグ、ソルティドッグ…と手をのばす。

「好みの味」の傾向を見つけて、その素材をキーに広げていくのがいいですね。こう聞いていると、なんとなく楽しそうに感じてきた。バーテンさんにこういうお酒が好きだということを伝えるのもいいみたい。

「HUBとか行ってみると違うかも?」と提案を受けた。

HUBというとスポーツバーのイメージ……ってそれ立派なバーやないか。バーはバーでも、あのオサレ雰囲気でロックグラスをカランコロンして琥珀色の液体を嗜む中、バーテンさんがきれいな布(布て)で黙々とグラスを拭く…みたいな静謐感ではなく、ちょっと楽しい雰囲気でお酒をたしなめる場所の記憶。そういえば一度行ったことがある気がしてきた。

ところで、最初に出てきた格言「まずはジントニック」というのは、本当なのだろうか。

「私もまずジントニック頼んでみちゃう(笑)」

通じる話だった。

まだすごく美味しいモノには出会ったことがないようだが、店によって味がぜんぜん違うらしい。そういうのをきいたら、ますますおもしろくなってきた。

でもだいたいビール飲んで日本酒飲んで、喉が渇いてビールやハイボールを飲んでしまうんだなぁー。と、自分の酒のたしなみ方を思い出した。新たなお酒に挑戦すると言うと、日本酒の知らない銘柄を楽しむばかりだ。

…あ、それで二軒目とかに美味しいお酒をちょっと飲みに行くのがバー的な楽しみ方なのかもしれない。

ちなみに日本では昨日、5月13日が「カクテルの日」だったらしい。

カクテルという語が掲載されている文献で現存している最古のものは1806年、アメリカのニューヨーク州ハドソン地区で発行されていた週刊新聞『The Balance and Columbian Repository』とされる。5月6日付けの紙面で「民主党候補者がcock tail を飲んで選挙戦を頑張って戦っている」と報じ、すると読者から「それはどのような飲み物か」という質問が寄せられ、5月13日の紙面で記者が回答している。
ちなみに日本では5月13日を「カクテルの日」としている。
https://www.suntory.co.jp/wnb/guide/cocktail/01/01.html


最後に、こんなイベントも教えてもらった。

今年は中止だったが、harukaさんは初回から参加しているらしい。チケットを買って期間中いろんなところで楽しめる街バルに近しいイベントかな。日本酒でも似たようなものがある。

「Barが好きでも、やはり新しいお店は入りにくかったりするので、このようなイベントで行ったことのないBarを気軽に巡れるのはいいです。1回行ってどんなところか分かってしまえば、そのあとは行きやすいですから。敷居が高い印象を持っている人って多いと思うので、このようなイベントで行くきっかけになったらいいなと思っています。残念ながらカクテルのイベントは少ないのでもっと増えていったら嬉しいですね。」

敷居の高さがブランド力みたいな北新地を最初に紹介されてしまった私としては、まずはこういったところからだな。と思った。


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