Ado「ウタの歌」

ビートルズからいきなりadoだが(笑)知らない間に発売されていた「ウタノ詩」というアルバムだがこれはadoのセカンドアルバムというよりは「ワンピースのサウンドトラック」という位置付けだと思った方が正しいかもしれない。

前作「狂言」がなかなか良かったので聴こうと思ったがアルバムジャケットが凄い(笑)自分のような年齢の人間が聴くような音楽ではないんじゃないかと思わせるジャケットだが…まぁいいか(笑)

自分は漫画のワンピースもアニメも映画も観たことがない、そしてこのアルバムにクレジットされているクリエイターの音楽も聴いたことがない、名前を見ても分からないクリエイターもいる。

「新時代」
この曲のクリエイターは田中ヤスタカ氏、もちろん名前は聞いたことがある。人気クリエイターだ。パヒュームに楽曲を提供していることは知っている、自分は前の記事で書いたが、パヒュームの楽曲が苦手なので嫌な予感がしたのだが、けっこういいです。「新時代」という曲名にあったアレンジ、曲調メロディ、テクノ調の曲にありがちな「ノリだけの曲」では全然ありません。

「新時代」という曲名はなかなかいいと思います。
自分が若い時はライブハウスやオーディションに出てレコード会社と契約を結ぶのが普通の流れだった。
adoは現在ではユニヴァーサルと契約しているが、今はレコード会社に所属しなくても、自由に活動できる時代となった。(snsだけの活動ではほとんどの人は飯は食えませんが)

自分が若い時にはありえなかった「新時代」の到来であるが、逆に無数のアーティストを生み出し、相当個性がなければ一つ頭抜け出すことができない難しい時代となったように思える。「素顔を隠してネットだけで活動してメジャーシーンに出る」という新しい流れを見ると「時代は変わったなぁ」と、古い人間である自分は思ったのであった。

「私は最強」
クリエイターはMrs.green-apple。最近よく聞くバンド名だがこの曲を聴くとMrs.green-appleというバンドがどういう音楽性なのかよく分かる、ストレートなポップソングです、聴けば元気になるそんな曲です、いいんじゃないでしょうか。連休後会社に行く前に聴けば憂鬱な気分も吹き飛ぶ…かも。それにしても「私は最強」という曲名はなかなかつけられるものではない、凄い。

それにしてもこの曲調…明る過ぎる、自分では絶対書かないタイプの曲である(笑)あまりにも明る過ぎる、動画を観ながら聴いていたら可愛らしいイラストと相まって明る過ぎて笑ってしまった(笑)やはり元気の出る曲なのである。

「逆光」
クリエイターはVaundyという人。初めて聞いた名前だ、バンドサウンドが全面に出ているがvaundyというのはバンドでなく個人で活動している人です。

現在ではけっこう有名らしい、写真をみたがあまり花のない人だなぁと思ってしまったが(笑)ファンの方すいません。でも曲はいいんじゃないでしょうか、曲の頭からカッティングのギターリフが入る、やはりadoの歌声はロックこそよくハマる、なかなかかっこいいです。

「ウタカタララバイ」
クリエイターはfake typeという音楽ユニットこの名前も初めて知りました。ラップ?ダンスミュージック?っぽいがこの手のジャンルにはあまり明るくはないが、なかなか面白い曲だと思います。しかしこういった曲も難なく歌ってしまうadoもなかなかだと思う。

「tot musica」
曲は澤野弘之という人、この人も初めて知りました。詩は別の人が書いている詩を書いた人は何て読むのだろう?分かりません。曲調は何となくインダストリアルな感じがします、マリリンマンソンやナインインチネイルズみたいな感じに聴こえました(自分的に)なかなかかっこいい。この曲は洋楽ロックっぽいです。

「世界のつづき」
クリエイターは折坂悠太という人、「狂言」の記事で「希望を歌った曲もかっこよくハマるかも」と書いたがどうだろう?やはりちょっとベタ過ぎるだろうか?悪くないが原曲が普通過ぎたか?各々聴いて判断して下さい。ワンピースの映画の世界感にはハマるかもしれない、そんなこといいながら映画も漫画もアニメも観たことがないが。

希望を歌ったバラードでドカンときて欲しかったが、自分にとっては…7点!ぐらいかな(笑)やはり同じバラードだったらやはり「会いたくて」だろうか?こちらはラブソングですが。

「風のゆくえ」
クリエイターは奏基博。自分がライブ配信していると時々この人の名前が出てきて「奏基博の〜を歌って下さい」と言われることがあるが、曲自体わからないので「すいませんちょっとわかりません」というしかないのだが、写真を見た感じ「アコースティックで美しいメロディを奏でる系」のアーティストなのだろう。実際いいメロディです、ストリングスのアレンジが凄い、曲を壮大なものに演出しています。

奏基博というアーティストの曲は聴いたことはなかったのだが、この曲を聴くと奏基博というソングライターがどういう作風なのかもなんとなくわかったのであった。

「ビンクスの酒」
なんと作詞は尾田栄一郎本人、この曲はおまけと思った方がいいだろう。ワンピースは海賊の話らしい(そんなことすら知らなかったが)なんとなくコメディタッチな曲、ワンピースの世界をそのまま曲にした感じなのかもしれない、自分はワンピースを知らないので、逆に「風のゆくえ」で終わった方がよかったかもしれない。(個人的にはですが)

このアルバム(サウンドトラック)にレディオヘッドのような小難しい曲はありません(当たり前だ)adoを聴く人ははかなり年齢層が低いと思うが、そういった人達は「狂言」や「ウタノ歌」が「音楽の原体験」になるのかもしれない。

個人的には「狂言」に収録されていた「レディメイド」「freedom」「うっせぇわ」などのデカダン的な曲が聴きたかった、ああいった曲が1番adoらしい曲だと思うからだ。

とはいえ結局adoという歌い手はどういった曲でもハマるのだが。

「唯一無二の歌い手」という言葉は使い尽くされた感があるが、確かに前作のアルバム「狂言」や今回の「ウタノ歌」を聴くと「私は最強」という曲名の通りadoは現時点で「最強の歌い手」なのかもしれない。



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