2020/07/22

実家滞在の2日め。実家に帰って初めての晩は、必ず深く眠れる。12時間寝た。朝は死ぬほど菓子パンのストックがあったのでそれをいただいた。とりあえず、やることを紙に万年筆で書いた。

万年筆と言っても1000円の入門用のものである。これは若年者層向け万年筆の決定版として作られた経緯があり、気軽に使える。大容量のコンバータ(インクを貯めるパーツ)に換装して、別売りのインクを注いである。緑の混じった紺のような色で気に入っている。同じ型の万年筆を2本持っており、推敲用に深紅のインクを使っている。

むかし使った記憶のある形態素解析を用いて文体を測定するサイトを探し出し、ここに自作や適当にとってきた文章を流し込んで結果を見ていた。これは完全に感性で判断しているのだが「異なり形態素比率」と「文章の硬さ」という2つの指標が安定して自作の特徴を示していたので、よく似た特徴量の出る小説を、小説投稿サイトから探し出す、ということをやっていた。

似たジャンルの作品を数百ほど試して、特徴量の似た作品を20作ほどピックアップし、そうした作品の1日あたり投稿文字数の平均を取ると、1603文字/日となった。1年以上連載しているものに限ると、430文字/日 となった。かなり差がある。また作品ごとの差も大きい。こうした統計を取ることに何か意味があるのかという気もするものの、もともとペースの参考までにと考えたので、上々と考える。でてきた数字が、20文字/日とか (松尾芭蕉か)、20000文字/日とか (西尾維新か) でなくてよかった。

一方で、自分のここ2ヶ月の(書き直しを含めて仕上がった分での)実測値は 323文字/日 である。相乗平均をとってペースをつくるとの先日の方針に則って、次のように結論を得る。

- 短期連載(1年未満)なら √(323×1603) = 720文字/日 ペース
- 長期連載(1年以上)なら √(323×430) = 370文字/日 ペース

これをもとに2倍の余裕をみて、何かしらの連載計画を立てる、というのもおもしろいかもしれない。よそよそしい言い方をしているものの、やる気はあるようだ。フグよ、君は死にやすいからな、念入りに挫折を織り込んでおきたまえ。

他にも興味深かったのは、自分が調べた限りで、1年以上連載していて、かつ1日あたりの投稿文字数が2000字を越えている作品の作者は、例外なく商業デビューを果たしている、という点だ。継続は力なりといってしまうと単純化しすぎるのだけど、つまり、50mを10秒で走れと言われれば、大抵の人ができるけど、マラソンを2時間20分で走れる人はめったにいない、というのに似ているだろう。

1年というのは、何かしらの重大なライフイベントに偶然、遭遇するのにも十分な期間だ。万難を乗り越えてそれでも書き続けたものが、それを仕事とする資格を得るのではないか。そう、考える。

それはそれとして、驚くべきことに『スプラウト』に関する丁寧な感想を、若い方からいただきました。えっ、泣ける……。これだけでも、書いてよかったと思えるものです。noteも、わざわざここを読みに来てくださる読者の方もいらっしゃるわけですよね。(ありがとうございます) 

やはり何か小説を書き始めた頃の初心を思い出す。すなわち、全世界5人くらいの熱心な読者のために書いて、できあがった本を印刷してそれぞれの本棚に入れてもらったら最高じゃないか、ということだ。この精神は、いつも忘れずにいたいものだ。

さて、もう夏の終りまでは、岩戸を閉じて暮らそうと思っていたのだが、考えを改めねばと思っている。明日の僕が、今日の僕のことを忘れていなければ、8月から向こう1年間、どうやっていきたいかということを、明日、発表する。明日の僕の記憶力に期待してほしい。とにかく翌朝はレトルトカレーを食べる予定にしていることは(今のところ)覚えている。

(2020/07/23 へ続く)


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