【ゴール解説】 W杯欧州予選 ポルトガル×スイス
ここまで予選9戦全勝で首位をキープするスイスと8勝1敗で追いかける2位ポルトガルの直接対決。最終節なので勝ったチームがW杯ストレートインとなる非常に重要な一戦は、2-0でスイスを下したポルトガルがW杯出場を決め、2位に転落したスイスはプレーオフに回ることになりました。
(2位がプレーオフで3位以下は敗退になる欧州予選が厳しすぎる)
そんな試合でダメ押しとなる2点目のゴールを決めたアンドレ・シウバ(ACミラン)のゴールを解説します。
1. 左サイドでポルトガルがうまくボールを保持して、RCBにボールが渡った状態。対するスイスは4-4-2のブロックを形成しているが、サイドチェンジ後であるためヒトとヒトの横の間隔が広がっていることがわかる。また、1st.DFであるLCF(黄)のプレスが遅れている。
2.1st.DFが遅れたため、後手を踏む形でLSHがRCBにプレスをかけにいくことになる。このとき、ポルトガルのRSBは幅をとりながら相手2ndラインと3rdラインの間に高さをとる。ハーフスペースにポジションをとった黄色を捕まえにスイスLSBが出てきたことで白のスペースが空いた。また、黄色はその事実を首を振って認知している。補足だが、白のスペースを使うために、青の枠内にいるCFは動かずにLCBにマークをつかれていることが非常に重要である。(ピン留め)
3.RCBは運ぶドリブルでRSBとの関係を持ちながら、相手LSHを余裕でかわす。(ちなみにこのRCBはぺぺ、EUROを観ていても思ったけれど地味に上手い)
4.RSBへのボールの移動中に、黄色の選手は首を振って、LCBがどの距離にいるかなどといった周囲の状況を確認。(先ほどからスペースの認知を行なっているこの選手はベルナルド・シウバ、モナコ→マンC、名前もプレーもダビド・シルバっぽい、ペップの指導でまた上手になると思う)
5.SBの1st.touchの置きどころ、見せ方について。対峙するLSBの右足側に置くことで縦・中の両方の選択肢を作ることができ、より縦のパスを成功させやすくなる。(うっちーが日本代表のSBとして確立したときに、この置き方をよくやってたけれど、やっとその意味が理解できた)また、青はピン留め。
6.RSBは前述の通り、アウドサイドで縦にパスを流す。フットサルでいうパラレラ?(久しぶりに足首をスナップさせたい)
7.スイスはゾーンとマンツーの併用なんだろうか。LCHがそのまま縦に抜けた選手をついていった。ラインは綺麗にできているけれど、位置が変わったりしている。
8.次は白のスペースを使うっしょ!と考えた黄色の選手は指をさしてLSHに中を閉じるよう伝えるものの、LSHはそのまま対面であるRSBについていき、パスコースを開けてしまう。
9.このレベルで、ここまでブロックを崩されたら厳しい。ということで黄色の選手が指をさして相手の背後のスペースにボールを要求。スイスは3人の選手が遅れてボールに寄せてしまう。
10.要求されたスペースに適切なスピードのパスを送る。(このパスの質が大切だと思います)
11.右足で1st.touchを置いた瞬間ニアに走り込む中のポルトガルの7番。(オフザボール評論家としては言わせていただくと、神の領域に入ってる最近のロナウドさん、直近のCLで見せたゴールのほとんどがクロスに対してボックス内でマークを外したワンタッチゴール)
12.左利きなのでボールを持ち変える。その瞬間、中のポルトガルの選手は動き直す。神・ロナウドはプルバックのポジションに、ミランで大活躍中のアンドレ・シウバは相手のマークから消えるようにしてファーサイドに逃げる。
13,14.最初のタッチが怪しかったけれど、あとは決めるだけ!これだけ崩されてゴールを奪われたらチームの士気は自然と下がると思われる。勝負ごとは何でもメンタルが大切な要素だから、それをプレーで壊されるとキツい。逆に意味が分からない形(誤審、事故などなど)で点数を取られたら、士気が上がることもあるのかもしれない。
15.最近のゴール後のパフォーマンスランキング3位のポグバのやつ!ちなみに1位はネイマールの飛んでガッツポーズするやつで2位はムバッペの腕組むやつ。ロシアW杯では誰がどんなものを繰り出してくるか注目です。(ブラジルW杯のコロンビア代表の謎のダンスが個人的に好きでした)
以上!また研究の合間にやりたいと思います!
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