【ネタバレあり】ハイキュー!!を読んだので感想をまとめた
ジャンプで連載されていた「ハイキュー!!」というバレーボールのマンガを読んだ。
スポーツ系のマンガとしては結構ヒットしており、発行部数は累計5,000万部を突破している。
(ネタバレしているので、これから読む予定の人は気をつけてね)
バレーボールという題材
まずバレーボールは、ストーリーを作りやすいスポーツだと思った。
1個のボールを落とさずに相手のコートへ返して、ラリーを続ける。
毎回「このボールは自分たちの得点になるのか?」とハラハラしたり、強烈なスパイクを打つ相手を出して強敵感を演出したり、反対に強烈なスパイクを1発でブロックする味方の頼もしさを表現したりできる。
味方→敵→味方→敵、と交互にボールを触るため、プレイの中でストーリーが作りやすい。
またバレーボールの場合は1回のラリーでボールに触れる選手が多いため、主人公以外にも多くの選手へスポットを当てられる。
このあたりはサッカー漫画も同様だと思うが、野球などはピッチャー・バッターだけで完結してしまうケースもあるため、チームスポーツでボールに触れる選手が多いほど試合のストーリーを作りやすいと思う。
擬音・コマ割り・構図
ハイキューは擬音・コマ割り・構図が独特だ。
「ドン」という擬音をコマの区切りにして、勢いを演出したまま、読者が見やすい設計を作ったりしている。
引用元:https://geekandgear.info/geek/haikyu2
他のスポーツ漫画ではあまり見ないような構図や視点で、作画をしている。
例えば同じジャンプスポーツ漫画でバスケを題材にしたスラムダンク。
スラムダンクの試合シーンも迫力があって分かりやすいと思っているが、井上雄彦さんの圧倒的な画力が一番大きい要因だと思う。
ハイキューはバレーボールを知らない読者に分かりやすく、その場面で伝えたいことを最大限に出しつつ、作品の中に引き込んでいく工夫があった。
こちらの記事がめっちゃわかりやすいのでぜひ🙇♂️
春高からのストーリー展開
ハイキューのストーリーは「春高(全日本バレーボール高等学校選手権大会)で優勝する」がゴールになっている。
スポーツマンガは奇跡の勝利を重ねて、最終的に優勝することが多い。
ぼくもそうだったけど、読者の多くは学生時代の部活で負けを経験していたり、強豪校にズタボロにやられていたりすると思う。
だからこそファンタジーであるスポーツマンガでは、奇跡の勝利を求めている。
しかしハイキューの場合は、春高の準決勝で負ける。
しかも「全力を出して惜敗する」ではなく、主人公の高熱を出してプレイできなくなり、結果的に負けてしまう。
読んだときは「え?こんな終わり方するの?」と思ったけど、この展開は次に繋ぐための布石だった。
主人公はアスリートとしての自己管理の重要性を痛感して、高校卒業後プロになるべく自己管理しながらトレーニングを続ける。
最終的にプロになって、バレーボール選手としてのキャリを築いていく。
スポ根系のマンガだったら「自分はどうなってもいいから春高で優勝するんだ!」と高熱の中プレイをして、奇跡の勝利を獲得するストーリーになるはず。
だけどハイキューの場合は、冷静に退場させて、その後のバレーボール人生に繋げていく。
一瞬の栄光を掴むために無理するのではなく、バレーボール選手としてのキャリを考えたストーリー構成にした現実的な視点がおもしろかった。
人気スポーツ漫画の終わらせ方
これはハイキュー以外もそうなんだけど、人気になったスポーツ漫画は終わらせ方が難しいと思う。
インターハイ・全国大会・世界大会など、大きな大会で優勝して終わりにすればいいけど、魅力的な対戦相手が枯渇してくる。
優勝するには、1回戦から決勝戦までの試合があって、全試合がおもしろくなくてはならない。
そのためには魅力的な対戦相手が必要で、単純に描くキャラクター・チーム数が多くなる。
スポーツマンガではライバルチーム・優勝常連チーム・その他モブチーム出てくるが、全部チームを魅力的に描くのはハードルが高い。
それぞれのストーリー・背景・キャラクターを描いて読者に伝えようとしたら、敵チームの説明だけでページが埋まってしまう。
ぼくが普段スポーツマンガを読んでいて、印象に残っている敵チームは3~4ぐらいで、それ以上出すのは読者への負荷が多くなると思う。
だからこそ、ハイキューのように優勝させずに途中で負けて、その後の試合(オールスター戦)とかに繋げるのは有効な手段なのかもしれない。
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