theHIATUSが芸術だった話

R1.9.11 OurSercretSpot tour@新潟LOTS

過去のライブの記録をしたためることとする。なぜ約半年も前のライブのレポートが書けるのかというと、A4用紙4枚にしっかりびっちりその時の感動を記録していたからである。

インスタに挙げるには分量がきっと多くなりすぎる、ツイッターに載せるにはもったいないような大事な感情だし、かといってブログを始めるのもなあ。でも、どこに載せるわけでもないこの気持ちをとにかく放出したくってたまらなかったので、まずは自分のこの気持ちを文章にしてみようと思って書いてみたらライブの感想のみならず、あれよあれよと細美さんや音楽にまつわるエピソードを書き始め、結果、読書感想文並みの物語となっていた。原文より若干、端折って書いてみることとする。

18時入場。100番台、前から4列目細美さんが立つであろうフロントのマイクの目の前で待機した。女の人が多くて、目の前は比較的開けていて見やすかった。2018年と19年の荒吐で見たことはあったけど、どちらも後方で熱を入れて聴いてこなかった。というか、正直エルレで育ったものだから、ハイエイタスの大人の音楽、芸術的な楽曲に対する抵抗感があった。この現象に陥っている人は少なくないんじゃないかと思う。とにかく、何やら美しすぎて、受け入れるのにはとても時間がかかった。

だからこそこのワンマンはめちゃくちゃ緊張したし、楽しみすぎた。どんな細美さんが見れるのだろう。大好きな人のライブって気合入るよね。

少なくとも、この会場にいる人は9割9分、ハイエイタスを知っている、細美武士を知っている。新譜を待ちわび、ツアーに歓喜し応募して当選して、仕事や予定を調節して今ここにいる。年齢も性別も出身も職業もバラバラで、ほぼ同じラババンやTシャツを着て、共通の目的で集まり、同じ音楽を楽しむ。それってどういう奇跡なのかしら。っていつも感動する。

いつものお洒落なみどりの襟足くん(名前忘れた)がチューニングをしていて、ビールの缶をプシュッと開けた。

なにそのセッティングの工程、好き

時間になり、数分過ぎた。なんとなく会場全体がそわそわしてきた頃、照明がシックなブルーに。円陣の声が聞こえ、彼らが入場し、歓声。その後の記憶はあまりないけれどとりあえず



細美さん、近っ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、



1曲目新譜から。ちょーかっこいいやつ。イントロで細美さんが曲に入っていった、曲というか音楽というかハイエイタスの音楽というか。

死ぬほどかっこよかったことは覚えている。

細美武士という人間の、顔、首元、手の動き、筋肉、首筋、全てが鮮明に見えた。震えるほど心を込めて魂を伝えているのが分かった。この喉から声が出て、言葉と音の繊細な部分までぴりぴりと意識が冴え渡っていて、CDの声と全く一緒だなあとか当たり前体操なことを思った。切ないように、絞るように歌うんだけど、高音でなんだったら少し苦しそうに歌うんだけど、曲が終わったら、絶対に笑顔で。こりゃあかんわ、って思いました。右手でマイクスタンドを持って、左手で包み込むようにぎゅうって持っていたり、左手添えているだけの時もあったり、ついたりはなれたりしてたのが印象的。

一曲目か二曲目の終わった後、後ろにいた男の子(待機の時一緒に来ていたであろう隣の女の子とヘラヘラ雑談していた)が一言、

「(やべえ)かっけえ・・・」

て思わず声を漏らしていたが、ほんとマジそれな!!!って同感でしかなかったのと、やっぱり細美さんは男が惚れる男だなと思ったのを覚えている。

最初の2曲とも静かで、あれ?そういう感じ???って思ってたら、3曲目Thistでやっぱり後ろから圧が来て、少し痛かったけど見えるところで頑張った。

それからは怒涛のモッシュ、いいこともわるいことも、覚えていない。

終盤、Insomniaのあまりの盛り上がりで、もうむりや~~~ってなって後ろに退散した。後ろを見た瞬間、真っ黒な景色だった。軒並み黒いTシャツの大きな兄ちゃんばかりでびっくりした。私はこんな中にいたのね。後ろはちょっと遠くなっちゃったけど、痛くなくて平和だ。

新譜ツアーだけあって、新曲をいっぱいやってくれた。Silenceがもうね、、うっとりですよ、なに、この静寂のしっとりうっとり、ほれてまうやろが。あと、本編の最後に大好きなMoonlightを歌ってくれてまた惚れた。

アンコール後、ウワアってなったのが、照明も明るいし、もう出てこないかな、なんて思ってたらまさかの出てきた!!!ダブルアンコール!こういうのってあまり出てこないイメージだったから、期待裏切らなくって、やっぱり気持ちがあふれた。


高音まで本当に丁寧で、

お酒呑み、少しかすれた美しい声で、

細美さんが、何を感じて何を文字にして何を想って歌っているのか、

どうやったらわかるんだろう、って聴きながらいつも思ってる。

決してストレートなメッセージは出てこない。具体性もない。

あーいい声、いい曲、、、、、

でも、なんの曲なんだろ?って思う歌詞も多い。

意味も分からないし場面も思い浮かばないのに本当に不思議なくらいいつも優しく、寄り添ってくれるんだな、これが。

Missingの歌詞、いったいどこから持ってきたその髪飾りは。って思ってたし、今でもなんだか言葉選びにピンとはきていない。でも、未だに新しくて、奮い立たせる最高の楽曲。

いつのまにか何かを追い求めようとして、理解しようと何度も聞いてたら、途方もなく好きになってた。


すげえんだ。

細美さんて人は。


おしまい