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事故の先には、パリへの道が

こちら、私が写真を出展するときによく使ってきたプロフィール文。

「及川家は芸術の才能がないのよ」としつこく聞かされながら育ち、その言葉を1ミリも疑うことなく成長する。
2009年、コンパクトデジカメを買い替えようと検討した結果、「お金を少し足せば手に入る」という理由で約5万円のデジタル一眼レフを購入。カメラ女子生活が始まる。
2012年、やっぱり持ち歩きやすいカメラが欲しい!と検討した結果、「アプリで加工ができて楽しそう」という理由でiPhoneを購入。アプリを駆使した創作生活が始まる。
以降、初心者モデルのデジタル一眼レフとiPhoneという身近なツールで、写真を複数枚重ね合わせた幻想的な作品を創作している。
2013年からグループ展に出展を開始。2015年10月、デザインフェスタギャラリー(東京・原宿)にて初の個展を開催。

この後、2017年11月に京都で、2018年1月に東京で、個展を開催。2018年10月、パリの作品展に出品。あ、それからカメラが「初心者モデル」じゃない一眼レフになった。

これが、私の(写真・アート方面に限った)経歴である。


…いやはや、まったくどうしてこんなことになったのやら。


芸術の才能のあるなし以前に、我が家はそもそも誰も芸術との接点を持っていなかった。文化的なことに関心がなかったし、そういうものに関心を持つ余裕もなかったのだと思う。接点がないということは、そういうセンスは育まれない可能性が自動的に高くなる。

図工とか美術はとにかく嫌いだった。苦手な実技をペーパーテストで補ってやり過ごしていた。小さい頃から「0から何かを生み出す」ということが苦手で、何でもいいと言われると何もできなくなるタイプだった。遊び方もわからなかったらしく、母子手帳に「遊びを見つけるのが下手」と書かれている。

何か作れと言われてもアイデア自体が貧しくて何も浮かばなかったし、浮かんだとしても手先があまりに不器用で、形にできなかった。

芸術のカテゴリーに入るものといえば、音楽と書道は習っていて、そこそこ頑張っていた。でも、「手本通りにやる」ことばかり得意で、創作的なことには興味もなかったし、たまに課題を出されてもからっきしダメだった。


そういうわけで、アートだの芸術だのという言葉は、自分には一切関係のないものとして生きていた。

…ほんの数年前までは。

20年前の自分に、「写真やってるよ」「しかもちょっと変わったアート的なやつ」「個展も開いたよ」「パリにも行ったよ」とか言ったら、まず信じないだろう。いや、10年前でも信じないな。強いて言うなら「私、頭おかしくなるのかな?」みたいな感じか。



きっかけはちゃんと覚えていないけど、知人が絵を描いていて、展示をしている様子を見に行ったことだったと思う。

それまでは、絵を展示する=立派なギャラリーや美術館、お金持ちが絵を買いに来るようなところ、みたいなイメージしかなかった。そして、私は見ても絵の良さを理解することができない。自分には1ミリの縁もないと思っていた。

でも、知り合いがいるのだから…と見にいってみたら、思った以上にカジュアルな空間で、私でも気軽に買えるような価格帯の作品が並んでいて、別に無理に買わないといけないような空気もなかった。

わかるとかわからないとか、そういう理屈は抜きにして、ただ眺めているだけでなんとなく楽しい気持ちになれた。

私は著名な芸術家をほとんど知らないけれど、少なくとも私の目には、目の前に並んでいる作品たちも素敵に見えたし、身近に置いてあったらちょっと嬉しいかも、と思うものがいくつもあった。

こういう世界があるのか、と知った。


いつの間にか、作品を展示したり販売したりしている人たちが周りに増えていった。彼らの作品を見に行く機会も増えた。

そういう人が身近にたくさん出てくると、「自分とは関係のない世界」が、「自分も十分関われる(かもしれない)世界」に変わる。

「初心者でも写真を展示できるようなところを教えて」と知人に聞いてみたら、あっさり教えてもらえて、グループ展に参加することになった。

何度かグループ展に出しているうちに、「来年は個展ね」と言われてしまい、その言葉に乗っかって個展をすることになった。もう、ほとんど事故。


自分には関係ない、できるはずがない…。そう思っているものって、単に周りの環境によってそう思わされているだけなのかもしれないな、と思う。

経験したから言えることなのかもしれないけど、個展なんてやるだけなら、お金払って会場借りて作品つくって飾れば誰でもできる。値段を付ければ買われる可能性だって出てくる。実際、私は個展のたびに作品を買っていただいているし、フォトブックやカレンダーなどを作れば、全国各地から購入いただいている。

とはいえ、客観的に見たら、これから何十年も続けてもアーティストとか写真家として広く認知されるとは限らない。こっちが真剣にやっていても、お遊びみたいにしか受け取ってもらえなかったりもするし。

でも、逆にその程度の人間が、個展やれちゃって作品も売れちゃうっていう事実を踏まえたら、創作って誰にでも手の届くものなんだっていうことがものすごく明確になる気がする。


誰かが同じことをしていると安心する、ということがあると思う。誰かが前を走ってくれていると勇気が出る、ということがあると思う。そういうネタとして私を使ってもらえたらいい。「あいつにもできるんだから」みたいな。

「芸術の才能がない」とさんざん親に洗脳され…というか、うちの家系に才能がないのは完全に事実なんだけども、そんな私がなぜか声をかけられて個展をしたりパリに出展したりするのだ。

出会いがしらの事故みたいな感じで始めたものが、パリにたどり着いたりするわけだから、やってみたいことがあるならとりあえずやってみるといい。あと、やってみたくないことであっても、事故みたいな出会いがもし降りかかってきてしまったら、それは運命かもしれないからやっぱりやってみるといい。

美術嫌いだったのにアートに足突っ込んでる人の証言。


「Web個展」のつもりで作品随時アップ中↓






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chie

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