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造作家具をおすすめする5つの理由

みなさんは造作家具をオーダーしたことありますか?

造作家具は既製品とは違い、希望のサイズや用途にあわせてつくるオーダーメイドの家具のこと。家を建てるとき、リフォームをする時、マンションを購入したときなどに設計士さんやハウスメーカーさんにおすすめされたこともあるかもしれません。

家具を考えるときに、選択肢のひとつとして知っておくと役にたつのが造作家具です。そこで今日はインテリアコーディネーターである私がどんなときにご提案するのか、どんな魅力があるのか、知っておかなくちゃいけないデメリットはなんなのかをお伝えしたいと思います。

部屋がすっきりと見え、ひろくかんじる

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なんといっても「部屋の大きさにあわせてぴったりで作れる」というのが、造作家具の魅力です。見た目もすっきりするし、収納量も最大限に増やせます。こちらのお宅では左側にルーターや配線関係をすべてまとめて管理できるスペースをつくったおかげで、テレビ周りも整理できました。

部屋の大きさにあわせてつくる造作家具は、家具というよりは壁の一部のように部屋になじんで見えます。そのことでより広さを感じられるメリットがあります

背の高い家具でも、威圧感を感じない

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職人さんが壁や床に固定することの多いのが造作家具、既製品の単体の家具とは作り方がまったく違います。

だからこうして壁にうかせて取り付けることも可能です。浮遊感を感じることで、背の高い位置に取り付けても圧迫感がありません。軽さをだせる、というのも造作家具の得意技です。

大工さんに頼めば、リーズナブルになることもある

実は造作家具は家具屋さんにオーダーする場合と、大工さんの場合があるんです。わかりやすい違いは、工場で作って持ってくるのが家具屋さん、材料を持ってきて現場で作るのが大工さん、というところ。

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シンプルなつくりのこんな棚はいくらあってもうれしいですよね!リフォームの場合はかならず大工さんが入るので、お部屋にあわせた家具をつくってもらうことも可能です。

高額なイメージがある造作家具ですが、かんたんな棚なら大工さんに頼んだほうがリーズナブルな価格でつくってもらえます

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このワークスペースも大工さんにつくってもらったもの。棚の裏側には照明を仕込んでもらいました。邪魔になりがちな机の脚がない、というのも造作家具ならではです。

じゃあどんな場合に家具屋さんに頼むかというと、化粧合板を使いたい場合やこまかな寸法設定が必要な場合、あるいは引き出しや金物などデザインが複雑な場合は家具屋さんに頼みます。工場でつくるため時間と手間をかけたこまやかな仕上げが可能です

オリジナルのデザインでつくることができる

造作家具はなんでもできるからこそ、どうしたいのかを決めるのに時間がかかります。引き出しの大きさと数、棚の構成、表面の仕上げ、取手の種類などすべてを使う人のイメージ通りに作ることが可能です。

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こちらのお宅では間取り的に食器棚を置く場所がお部屋の中央しかありませんでした。そのため以前の食器棚も大工さんに両面からつかえるタイプのものを造作してもらったそうです。

今回はダイニングテーブルを置きやすく、居心地良くするために、食器棚の裏面にウィリアム・モリスの壁紙を張ってもらいました。まさに家具のような、壁のような、中間的な存在です。こんな家具をつくることでリフォームをしなくてもお部屋が使いやすくなれば、とってもお得だと思いませんか?

地震につよい

造作家具は床や壁に固定するので、必然的に地震による倒壊につよくなります。上の写真の食器棚の設置場所がお部屋の中央だったので、床だけで固定するのは(地震対策として)すこし不安でした。

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そこで食器棚の隣に天井までの別の棚を作って、がっちりと固定しました。棚の一部に窓をつくることで、いちいち食器棚をまわりこまなくてもお料理がサーブできるようにしました。

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棚の裏側は床から天井までオープンな棚、食品のストックが収納できます。キッチンの収納量が大幅に増えて、地震対策もできて一石二鳥!なんでもできるから、さまざまなアイディアを家具のなかに詰め込めるのがたのしい部分でもあります。

メリットとデメリットは背中合わせ

もちろん造作家具にもデメリットともいえる部分はあります。

わたしが感じるデメリット1つめは、高価なこと。だれにでも気軽に購入できるものではありません。オーダーメイドだし、時間も手間もかかっているので当然といえば当然ですが、既製品に比べてしまうと圧倒的に高い。

ただ家具と比べるから高いと思うけれども、リフォームをすると考えてみたらどうでしょう?造作家具をつくることでお部屋の見た目がかわって、収納も増えて、使い勝手もよくなるなら、それはリーズナブルといえるんじゃないかと…

デメリット2つめは、完成するまで全体像がみえないということでしょうか。図面をかいたり、現物サンプルで感触を確かめていただいたり、可能な準備はできるかぎりしますが、それでも既製品のように実物そのものを確認してもらうことができません。

そこは注文する人と作り手との信頼関係が大切になってくるかと思います。質問や要望がいいやすく、誠実にこたえてくれる家具屋さんなり、大工さんなり、あるいはデザイナーさんと出会えるかが重要になります。

模様替えが大好きなわたしにとって、位置がかえられないというのは3つめのデメリット。つくる際は「これ以上ベストはない!」という確信がもてる場所につくりましょう。

魅力がいっぱいの造作家具、「既製の家具ではいまいちしっくりくるものがない」「問題が解決できない」といった場合は、ぜひ一度ご検討ください!

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