星降る夜に

人には誰しも自分を超越した何かを感じたい、一体になりたいという気持ちがどこかあるんじゃないだろうか。

先週末に訪れたリューベックの大聖堂の椅子に座ってぼんやりと天井を眺めながらそんなことを思った。きっと昔の人もこの聖堂いっぱいに響くパイプオルガンの音に包まれながら、神様の存在をそばに感じていたに違いない。

宇宙や天体というのも、そんな存在のひとつだろう。空に浮かぶ星たちは何か神秘的なものを感じさせてくれる。

数年前の冬に友人4人で八丈島にで行ったときのこと。

温泉から宿に帰る途中の真っ暗な山道の側道に車を泊めた。ライトを消して空を見上げると、突如目の前いっぱいに星々が現れた。
東京にいるときには気づかなかったけれど空にはこんなにも星があったのかと、いたく感動したのを覚えている。

真っ暗闇の中でしばらく星を眺めていると、海と空の境目も分からなくなっていき、だんだん自分の輪郭すらぼんやりとしていった。

夜空の星を見ていると、ありきたりな言葉だけれど、自分の存在がとても小さく感じてくる。

930億光年の宇宙の片隅で、米粒にも及ばない存在の私たち。46億年の時の流れのなかで、まばたきにも満たない一瞬の人生。

過去の悲しい思い出も、今日あった嫌な出来事も、明日に待っている楽しいことも、どれもこれも星からすれば些細なことになる。

そんな気分に浸りたい冬の夜には東の空を見上げて流れ星を見るのもよいかもしれない。

今年のふたご座流星群は12月14日21時頃に極大(注1)を迎えると予想されています。今年は12月15日が上弦のため夜半頃に月が沈み、その後はたいへんよい条件で流星を観察することができます。

特に多くの流星を見ることができるのは、13日の夜、14日の夜の2夜だと思われます。いずれの夜も、20時頃から流星が出現し始め、夜明け前まで出現が続くでしょう。

空の暗い場所で観察したときに見える流星の数は、最も多いときで1時間あたり40個程度と予想されます。

ということで、今週末に今年のふたご座流星群がやってくるようです。

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