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麦畑と水田

約1か月の出張を終えて日曜日の昼過ぎに帰国した。
ドイツのホテルに着いたときにちょうどベルギー対日本戦の後半戦が始まったばかりだったから、あの興奮の夜からもほぼ1か月が経ったことになる。この1か月、バタバタした日々を送っていたからか何だかもっと前の出来事にも感じる。

成田空港に着いてスーツケースをピックアップし京成スカイライナーに乗り込むと、車窓から見える稲田と草木はひと月前より背が伸びて青々としていた。台風一過の青空と空高く積みあがる入道雲。

ああ日本の夏に帰ってきたなあ、と一人しみじみと感慨にふける。

今回滞在していたキールからデュッセルドルフへは電車で、デュッセルドルフからフランクフルト空港は空港へはバスでの移動となったが、その窓から一面に広がるの水田ではなく、黄金色の麦畑。ドイツ人にとっての夏の風景とは、青空と木々の緑に加えて、麦の黄色が入っているのかもしれない。

ただその点を除けば、こうして眺める田園風景にドイツも日本も大きな違いはないように思えた。

大きく違うのは、にょきにょきとそびえたつビルたちと足早に街を歩く人たちの数。日暮里駅で山手線に乗り換えて新宿でホームに降りると、もわっと湿った空気に迎えられながら目に映るのは人・人・人。聞き慣れたはずの喧騒もひと月ぶりだとひときわにぎやかだ。上を見上げると高層ビルの多さに改めておどろく。

ああ東京の夏に帰ってきたなあ、と心の中でつぶやくのだった。

平成最後の夏もあと8月を残すばかり。さあ何をして過ごそうか。

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