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報告書について


報告書書いてますか?

皆さんの会社では報告書を書いているでしょうか?
たいていの研究職・技術職では月間あるいはテーマの区切りごとに報告書を書く決まりになっている会社が多いと思います。
今日はこの報告書について、思うところを記載します。

事実を正確に記載しているか?

報告書で一番重要なのは「考察」だ。
そういうことを主張する技術者は若手~熟練者にいとまないと思います。
ただ、考察を重視している人はたいてい取るに足らない人材であることが多いと感じます。
こういう言い方をすると差別的だと思われるかもしれませんが、私の周りで考察を重視して報告書を書いたり、修正させる人はたいてい年齢相応に昇進していません。

では、年齢相応あるいはそれ以上に昇進して技術部門のリーダーや課長職を務めている人が報告書に何を要求しているか観察すると、たいていは正確かつ・再現可能な形で実施した試験内容が記載されているかどうかを重視しています。
なぜ?考察ではなく事実が重要なのでしょうか。

ある程度研究職・技術職を務め上げて成果を残している人なら感覚的に理解していると思いますが、考察はたいてい蛇足か誤った情報が記載されていることが多いです。
あるテーマを初めて取り扱う際、最初のステップとして過去の技術者の報告書に目を通すところから始めることは合理的です。
たいていの人は会社の過去の知見に当たるところから始めることに異論はないと思います。
問題はこの過去の知見の質です。

明らかに重要な実験操作・パラメーターについて実験項での記載がなく、意味不明な考察の方にめちゃくちゃ長い文章が割かれている、このような報告書に出会ったことはないでしょうか?
過去の知見を当たっている時点でこのような報告書に書かれている課題は現在も解決されていない場合が多く、実施した事実がわからないのでその考察も正しそうか誤っていそうか判断がつかず、数年前に記載されたこの報告書はほぼ無価値といって差し支えありませ。

考察に価値があるのは正確かつ詳細に実験項が記載されている場合

考察に価値がないと書きましたが、価値がある場合もあります。
それは実験項に正確かつ詳細な実験操作が記載されている場合です。
数年後に新しい知見が得られた場合、それは過去の知見と合わさってシナジー生み、課題を急速解決させるキーになりうることがあります。
大切なことはあくまで実験項が正確に記載されていることが前提です。

報告書の添削や評価の際に気を付けたいこと

すでに記載した通りですが、考察の正しさ/不確かさなどははっきり言ってそんなに価値はありません。
新しい知見が得られれば、その考察の確度は変動していきます。
であるからこそ、絶対に揺るぐことのない、実験的事実はより重要です。

5年目くらいの中堅が新人の報告書を添削する会社は多いと思いますが、最優先で気を付けるべきことは実際に実施した実験内容が漏れなく・正確に記載されているかどうか(また、さらにはそれがわかりやすく表や図でまとめられているかどうか)に着目した添削を行うことです。
そういった積み重ねが製造業においては未来の新技術・新製品につながると思います。

報告書を記載する頻度

新人は月に1報以上がよいと思います。
ベテラン(というかある程度能力が担保されている人材)はその人のペースに任せるのがいいかと思います。
事実を正確に記載できる人材とそうでない人材ではどういったかたちであれ、前者はまともな報告ができないことが多く、後者は端的に適切な報告をしてきます。
質の高い報告書を作成する能力を有すると、自然とそのほかの業務でも適切な報告ができるようになる人が多い印象です。
たいていの大卒・院卒は1年くらいはまともな報告書を書けませんし、まともな実験報告もできません。
主観と偏見が入り乱れた意味不明な報告をするのが関の山です。
私もそうでしたし、1年どころか2年くらいは質の極めて低い報告書を書いていました。
最近読み直して、寒気がしました。

ただ、そういった新卒の急激なレベルアップを図るのには報告書の徹底した添削はおすすめです。
時間がなくてできない会社・部署が多いとは思いますが、この投資をおろそかにすると会社全体の技術力が低下しかねないですね。







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