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実は知らない神道の話

 皆様は神道のことをどれくらい知っているでしょうか。
そういう私もまだまだ詳しいというわけではありませんが今まで色々と学んできました。またこのブログでもこれまで、神社や神道についていろいろと書いてきました。
 しかし、もっと基本的なことを書いていなかったなと思いましたので今回は身近だけど意外と知られていない神道の話をしたいと思います。

神道とは?

 まず神道とは一体何でしょうか。広辞苑に下記のように書いてあります。

わが国に発生した民族信仰。祖先神や自然神への尊崇を中心とする古来の民間信仰が、外来思想である仏教・儒教などの影響を受けつつ理論化されたもの。 (広辞苑)

神道とは一般論として【日本の民族信仰】とされています。つまり日本に住んでいた人の間でなされていた信仰です。
なお、「民俗」ではなく「民族」であります。

民俗は下記のように書いてあります。

人々の伝統的な生活文化。民間伝承。伝承文化(広辞苑)

民族は下記のように書いてあります。

文化の伝統を共有することによって歴史的に形成され、同族意識をもつ人々の集団。文化の中でも特に言語を共有することが重要視され、また宗教や生業形態が民族的な伝統となることも多い。社会生活の基本的な構成単位であるが、一定の地域内に住むとは限らず、複数の民族が共存する社会も多い。また、人種・国民の範囲と必ずしも一致しない。(広辞苑)

神道は感覚的なものとして【まずは神社を見てください】と言えるのではないでしょうか。神社には鳥居やお手水、狛犬などがあります。

神道の始まり

 「神道」という言葉は仏教が無ければ生まれてきませんでした。
前章にもあるように仏教などの影響を受けて理論化されていきました。
言葉自体は用明天皇(第31代天皇※聖徳太子の父)の時に出てきます。
ちなみに古事記には出てこず日本書紀の中で出てきます。

 本来の神道の始まりは自然崇拝(太陽、海、山など)から始まりました。
それは自然災害へのおそれでもありますし、農耕との結び付きでもあります。
 例えば奈良県にはご神体が三輪山という山そのものである大神神社という神社があります。
樹木は「神籬(ひもろぎ)」、岩石は「磐座(いわくら)・磐境(いわさか)」、といい山岳や樹木、岩石などに神が宿ると考えられてきました。
自然そのものが神で何らかの神を感じるといった形で自然崇拝がおこなわれました。
 そこから時代が経つとともに鏡、勾玉に神が宿ると変遷してきました。

神様と日本人の関係

 日本の神様は八百万の神と呼ばれるように色んな所に神が宿るとされています。前章にもあるように樹木や岩石、山岳といった自然に宿ると考えられていますし、鏡や勾玉など人工物にも神が宿ると考えられています。
 その他にも実在した人物も神様と崇められることもあります。神様と崇められた人物が実際にお祭りされている神社も全国にあります。

明治天皇…明治神宮
平将門…神田明神
徳川家康…日光東照宮
吉田松陰…松陰神社
乃木希典…乃木神社

このように実在の人物が神様として祀られることがあります。
なぜならば日本の神様と日本人とは祖先と子孫の関係であるからです。
神道では神様が日本人を作ったのではなく、産んでいったと考えます。

神社参拝 清めとは

 神社ではお手水(手水舎)といって参拝前に身を清めるところがあります。
神社でのお手水は手と口を洗うということでお清めしますが、本来は全身に水を浴びることで身を清めます。
これを簡略したものがお手水であります。
 なぜ清めを大事にするかというと神道が罪穢れを非常に嫌うからであります。
祓い清めによって罪穢れを退けることが神道、ひいては日本文化の根底にあるということを理解していただきたいと思います。

神道と神社

 神道の特色として下記のようなことがあります。
【敬神崇祖】
・神の恵みと祖先の恩とに感謝し、明き清きまことを以て祭祀にいそしむこと→神仏を尊ぶ優しい心を養うこと。
・世のため人のために奉仕し、神のみこともちとして世をつくり固め成すこと→日本の歴史と文化をよく理解すること。
1.大御心をいただきてむつび和らぎ、国の隆昌と世界の共存共栄とを祈ること→日本人として礼儀と誇りを知ること。
【浄明正直】
清らかで明るく、正しく真っ直ぐな心を持つということ。
【自然との共生】
「神道の始まり」の章でも述べているように自然崇拝から始まり自然と共生していくものと考えられています。
【言挙げしない】
難しい理屈を説かないことです。ときにはグレーゾーンもあります。

変わらない日本人の心の故郷

 神道は中高の教科書での記述が少ないです。
それは仏教は時代においての特徴をおさえていますし、つかんでいるからです。仏教文化はその時代の文化を表しています。
不易と流行ということばがあります。
不易…神社
流行…仏教
であると言えます。
これはどちらが良い悪いというわけではなく、どちらもそれぞれの特徴がありこういった使い分けがされているのではないかと思います。
そして神社は時代とともに少し形をかえているところもありますが、古代の自然崇拝から変わらず今にいたるといえます。

まとめ

 簡単にではありますが神道の特徴や始まり、神道と神社、日本人との関係など知ってそうで知らない内容について今回は記載しました。
 このことをベースに今までの神社関連のブログや今後の神社関連のブログ読んでいただければと思います。

合わせて読みたい!
note6記事目:日本の祝日について
note7記事目:神社の参拜について
note8記事目:厄年(タイミングや意味)について
note13記事目:神社とお寺の違い①入口について
note15記事目:神社とお寺の違い②守衛役(狛犬と仁王像)について
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note19記事目:神社とお寺の違い③起源・崇拝対象・お参りの仕方について
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