モンキチョウ

1月のことです。
暖冬とはいえ,朝はそれなりに氷点下になる日々。
そんな中,家の中に蝶が迷い込んできました。黄色い羽ですから,モンキチョウだろうと踏んでいました。
娘はチョウが部屋の中を飛ぶ様子に驚き,早く出してあげないとかわいそうだと騒ぎます。
さて出してあげるか,と思ったら姿が見えない。きっと何かのどさくさで出て行ったのでしょう。
この時期にもチョウが飛ぶんだね,と話していたところでした。

ところが,数日後2階ベランダの壁面にチョウが張り付いていることに気付きました。
そのチョウこそ,あのモンキチョウではありませんか。なんと,茶の間を脱出して,いつのまにか我が家の2階ベランダに移動していたのです。
その後雪が降ったり,雨が降ったりという状況になり,モンキチョウの姿も見えなくなりました。

驚きはまだ続きます。
2月になって姿を消した・・・飛び立っていったとばかり思っていたモンキチョウが,その壁面の対面の陰にいるではありませんか。
またモンキチョウがいるぞという騒ぎになり,どこにいたんだろう,すごい生命力だ,という話一色。
モンキチョウはまた姿を消し,さすがに力尽きてしまって風で吹き飛んだのかなと思っていたのです。
ところがどっこい,窓のレールの陰にひっそり隠れていて,まるで映画「となりのトトロ」の五月が言う「このうち何かいるー!」に匹敵する勢いで「窓の下にいるー!」という騒ぎになりました。いや,申し訳ありませんが干からびてぶら下がっているだけなのだろう,と一瞥して洗濯物を干していた小生でしたが,洗濯物を干し終えてもう一度その場を通ったら,チョウが直立しているのです。つまり,自力で移動して角度が変わっているわけです。

こればかりは驚きました。娘に教えたら「すごい!モンキチョウ生きてるんだ!」と驚愕。

そんな昨日は,うちの学校の卒業式。
昨日の朝ベランダを見たら,モンキチョウはいませんでした。
窓の下を探しても,もはや隠れていない。今度こそ完全に飛び立ったようです。卒業式に合わせて,モンキチョウも我が家を卒業。何か不思議な感覚を覚えながら,卒業式の裏方仕事をした昨日でした。

しかし,冬を完全に乗り越えるチョウがいるのかい,と思ったらいるのですね。リサーチ不足でした。
越冬するチョウがいる。小生や家族の常識がちょっとリフレッシュされた冬でした。

家内は「死んだおじさんがチョウになって見に来てるんじゃない?」と言っていましたが・・・。
当初は越冬の常識がなかったので家族一同そう思い込んでいたことも,これまた事実。

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