ヘロドトス『HUMANKIND™』

 古典時代の学問の起こりにより、大陸の中部に位置する都市『ミュケナイ』の歴史の編纂が始まった。

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(※図の赤で示される都市群が勢力圏であった)
都市は、大陸の東西を横断するように文化圏を広げた。そのため南北の都市の交易の中心地となり、紀元前2622年頃には多くの高級資源を擁する北西の都市『メンフィス』と経済同盟を構築し、大陸の枢軸を構成した。

 しかし南西の半島に住み着いていた『ハットゥシャ』の支配者は、半島を覆うように位置する『ミュケナイ』の市民に対し、突如、宣戦を布告した。
 これは紀元前2448年の出来事であった。

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 ほぼ奇襲戦争といった形で『ハットゥシャ』が侵攻を開始した際、不幸にも『ミュケナイ』市民軍の最精鋭と謳われた【伐木隊】は反対側の半島の蛮族征伐に駆り出されていた。

 侵攻を開始した『ハットゥシャ』は、まず東西に伸びる『ミュケナイ』の分断を計り、中心に位置する都市『ニハル』を包囲した。防壁の無い都市であったため、非道な焼き討ちに遭う中で市民の犠牲も出た。
 勇敢なミュケナイ市民軍は、都市の完全な破壊を防ぐために本隊の到着を待たず、十分な武具も持たぬまま敵の陣中に突撃を行った。

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 人数はほぼ同数と伝えられるその戦いは、ミュケナイ市民軍本隊が到着するまでの道半ばで決着がついたと伝えられる。ミュケナイ市民軍の半数は武器を持たず、正に死闘であった。
 のちの『ニハル』市民の口伝によれば、その戦いは三晩に渡り、夜が明けるごとに互いの兵士は数を減らしてゆき、市民軍の最期は夜襲であったといわれる。400ほどいた敵兵は20人程まで落ち込み、もはや攻囲を継続できなくなり、夜襲を何とか押し返した後に野営地を捨てて逃げ帰った。
 しかし、夜明けに市民がミュケナイ市民軍を称えようと彼らの陣に入ると、そこには1人も返事をするものはいなかった。

 血みどろの『ニハル』包囲からから数か月後、伐木隊は『ニハル』へ到着する。逃げたはずであった敵兵は森へ潜み続けており、運悪く【伐木隊】に発見された彼らがどのような仕打ちを受けたかは伝わっていない。

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 【伐木隊】が敵の攻勢を食い止める中、大陸の北でも時代が動いていた。

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 同盟都市たる『メンフィス』が侵攻を受けていた。援軍を求める使節にミュケナイは応えることはできなかった。しかし彼らを救援する方法が一つだけあった。こちらの戦いの決着をつけてしまえばいいのだ。

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 ミュケナイ市民軍は全兵を率いて『ハットゥシャ』へ進撃した。攻囲に耐えるメンフィス市民の怒りを代弁するかのように、数だけの敵兵を蹴散らした。しかし、同年『メンフィス』は降伏し、領域の多くを奪われ、資源を失った。道中の都市を焼き討ち、ハットゥシャに肉薄していた【伐木隊】は落胆したに違いなかった。包囲が完了するや否や、都市の代表が交渉へと歩み出てきた。しかし、この期に及んでもはや【伐木隊】の行進は止まらなかった。都市を破壊しつくした後に、代表は縄で繋がれた上で交渉の場に引きずり出された。

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